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白線  作者: 青菜
8/8

電車8

「あのね、広也・・・。」


母親は、じっと広也を見つめた後、目を逸らした。


「うん?」


広也は好奇心を抱いていたが、母親のこの動きが違和感を生み出した。


「おばあちゃんの事なんだけど・・・。」


「うん。」


母親は、もう一度、視線を広也に移した。


「あのね、お母さんのお母さんの事だけど・・・」


「うん。」


「あまり、広也には会わせたくなかったの。」


「・・・え?」


二秒くらい沈黙した。その二秒の間に広也は同然、(どうして?)と心の中で思った。


「お盆とか、お正月とか、広也の友達って田舎に帰る子、いるじゃん?」


「うん。」


「ウチはさぁ・・・、そういう事、無かったじゃん?」


「そう・・・だね。」


実は、この事を広也は気がついていた。自分は田舎に帰らない事に。

しかし、周りには、お盆にも正月にもどこにも行かず、広也と同じようにずっと、いつもの家にいる友達もいたので、

分かってはいたが、さして気にはしていなかったのだ。


「でも、友達にも、そういう子、いるよ。」


「・・・そうね。でもね、実は・・・お母さんのトコはちょっと違うの。」


「・・・。」


(違う?何が違うの?)


広也は、ここで何か嫌な予感を感じた。

なかなか話したがらない母親。あまり良い印象では無い「ちょっと違う」。

そう言えば、さっき、母親の視線に違和感を感じたのを思い出す。


「お母さん・・・何が、違うの?」


「うん・・・実はね、お母さん・・・」


母親が重い口を開いた。

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