オフィーリアとセラフィーナ
(今更ですが)特にオチはございません。
「大丈夫!?」
セラフィーナの悲鳴が混ざった声に対し、オフィーリアはきょとんと目を見開いた。
随分と姿が見えない愛娘を心配してベッドから起き上がり廊下を歩いていると、普段は使わない物置の扉が開いていた。家の角にあり、普段は使わないためなかなか目に付きにくい部屋だ。
ははぁ、と苦笑して扉の奥を覗く。日当たりの悪いその部屋は薄暗くて、湿度が高い。
不快な気持ちになりながらも足元を探していると、「かーしゃま」と舌足らずな声が聞こえてきた。――頭の上から。
ハッとして顔を上げると、そこでは小さい体を更に小さく丸めた、可愛い娘。どうやって上ったのかは不明だが、セラフィーナの背よりも高い棚の上にいた。
「リア、そんなところにいたのね」
呆れながらも安堵から目じりを垂らすと、不意に――本当に不意に、オフィーリアが棚からクラッと落ちてきた。
思考が停止しながらも、運動神経だけで手と体とを差し出す。
次の瞬間には胸元に、そしてその後は自身の体が床に倒された。それでも娘の安否を心配して問いかけると、最初はなにが起こったのかわからないようで――その後、大きな声で泣き出した。
「あぁ、リア……」
その元気な声に胸を撫で下ろしながら、涙の溢れそうな瞳のまま伝える。
「こんな危ないことはもう二度としては駄目よ」
愛娘は、泣きながらも必死に頷いていた。
オフィーリアにセラフィーナが暗い部屋で押し倒されたときの反応は→あきらめて身を委ねるhttp://shindanmaker.com/133586