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訓練期間終了!


実戦訓練から丸1日が経った。

執政官には、8人の盗賊が商人を襲った現場を目撃、抵抗激しく全員殺したと報告した。商人の身元はすぐにわかり、商人の輸送していた物や金品に関しては、すべてエッグノック所有の物となった。


後から殺した8人だけは、右手首を切ってから焼いて埋めているので、その手首を証拠品として提出した。


襲われた商人の荷物や馬車に関しては、商人所属の商会が買い上げたいとのことで価格を相談し、かなり安めに売った。元々彼らの物だし、「返せ!」ではなく「売ってほしい」と言ってくるだけマシだった。


襲われた商人の荷物で25銀貨、盗賊がため込んでいたので50銀貨。

合計で75銀貨の資金が増えた。



90日には少し早いが、先に報告書を書き上げ伯爵に送る。

領内で捕縛した盗賊がバルベス侯爵家から来たこと、そのつながりに関係するルダという骨董品屋の背景と、足取りを追う事等の詳細を書いた。

ヒヨコ便が、途中で手紙を奪われることはないので、遠慮なく書く。



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訓練最終日に猛禽3班と通常班3名の班長を奴隷身分から解放する。

給料は全員月6銀貨。奴隷からは解放されたが、伯爵軍としての契約は有効なので全員残留である。




「これから諸君たちに正式な私設軍の証として、エッグノック中隊の紋章入りのナイフを配る。仲間を守り、この領地を守る決意と覚悟のあるものだけが既存のナイフを返却し受け取れ!!なおこのナイフは他の装備と違って伯爵家らの下賜である、退役時に返却することによって退職金も出る。くれぐれも紛失しないように、では覚悟のあるものは並べ!」



先に預けておいた2本のナイフも一度回収し、改めて渡す。

200名全員にナイフを直接手渡し、正式にエッグノック中隊の始動がはじまった。



班を9、9、8の3グループに分け、1つのグループは身体訓練+勉強。資料や本は執政官の許可をもらいさまざまな本を貸し出してもらった。


もう1つのグループは、アルフォンの周辺で領民の手伝いや狩猟といった食料確保ついでに、エッグノックの名前も売っておく。


最後のグループは、1班ごとに領地の各町に散って盗賊や魔獣の被害報告集め。

ヒヨコには大変だが一日1度の連絡役を任せる。


各班をそれぞれローテーションしながら、休日もはさみつつ回していく。

アニマは訓練補佐、カチュアは狩猟補佐。猛禽3班は交代でルダの監視と中隊の食糧や帳簿の仕事。盗賊の戦利品の売却からバレス商会との交渉まで任せる。


各地に散らばる隊員との連絡に、ヒヨコ以外の伝令役が必要なので、伯爵家に頼みヒヨコの子供を何匹か譲ってもらう。本来鷲などの猛禽類はあまり子供を産まないが、いつの間にかハーレムを築いたらしく、ヒヨコの子供はたくさんいる。


ヒヨコ+ヒヨコの子供6匹による【イーグル】班が正式にできた。


正直そっくりすぎて見分けがつかない。

見分けがついてから名前を付ける事にしよう。

しばらくはお父さんと一緒に飛び回ってもらう。普通の鷲よりも賢いと思うが、ヒヨコほど優秀ではないと思うので訓練が必要そうだ。


むしろヒヨコがチートすぎる気がする。




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骨董品屋に流れた金の流れは掴めた。骨董品からある行商人に渡っていた。

骨董品屋に金を払いに来た人間もそれぞれ尾行し、5つの盗賊団の拠点を把握した。5つの盗賊団の総合計は150人以上。


収穫の時期なども考えると、そろそろ放置はできない。

まずは行商人の背後関係と、他に骨董品のように集金係をしている者がいないか調べる。


バルベス侯爵家は国の中でも軍の中枢の役職の家で、あまり表だって騒げないと伯爵は言っていた。



まず必要なのは、侯爵家が背後にいる盗賊団の捕縛、ルダの身柄確保+尋問。そして行商人の背後関係と穏便に事を済ませる方法だ。



カチュア、アニマそれぞれの小隊に10班を預け、盗賊の駆逐に向かわせる。

盗賊は可能な限り生かして捕らえ、情報を吐かせる。捕縛した盗賊は残りの6班に監視させ、次に捕らえた盗賊と合流させまとめて街に突き出す予定だ。


それに並行してホーク班でルダの身柄を押さえる。

ファルコンとコンドルは情報統制役にする。


俺はその間に周囲探知と潜伏を使い、行商人の元へ行く。




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真夜中に行商人が宿泊している宿に向かうと、潜伏をしたま宿に入り込む。

鍵開けの技術で内鍵を開錠すると、中に入り内鍵を戻す。

寝ている行商人の横で、学園から仕入れた結界球を割るとそのすぐ横に防音球も割る。


その上に椅子を置き座ると、行商人に声を掛けた。




「おはようございます、ロンメラ商会の行商人様」




「む?なんだ?貴様は、どこだここは?」



まだ寝ぼけているようだ。

「おはようございます行商人様。夜分遅くにすみません。お話したい事があったのでお邪魔致しました」




「っ!どうやって入った!!護衛起きろ!!儂の部屋に侵入者だ!!!」




「申し訳ありませんが2人きりでお話がしたいので、策を練らせていただきました。逃げられませんし、声も届きません」



「き、貴様何者だ!!こんなことをしてただで済むとは思うなよ?」



「ただですまないとはどういう事でしょうか?何も危害は加えておりませんし、何も盗っていません」




「儂はロンメラ商会の行商人ラトスだ!!ロンメラ商会はバルベス侯爵家の御用達商会だぞ!!」



「バルベス家御用達の商会が、なぜフォブスリーン家の領内で行商を?」




「国内であればどこで商売をしようと勝手だろう!!なんなんだ貴様は!」




「率直に要件を述べます。骨董品屋のルダの身柄はこっちで押さえました。色々興味深いお話を聞かせていただきました。。侯爵家が送り込んだ無法者も夜明けまでにはすべて捕まる。素直にすべて白状すれば、生きて帰れる。しゃべらないなら身体に聞くしかない」


ルダの身柄は抑えているが、まだ何もしゃべっていない。とりあえずカマはかける。


「き、貴様は何者だ!!」



「伯爵家の私設軍の者ですよ」



「嘘をつくな、伯爵家の私設軍はすべて徴発済みだ!この領地にもう私設軍はいない!!」



「今年海の月から新設立した軍なのですよ」



「そんな軍があれば侯爵様が国に伝えて徴発するはずだ!!!」



「やはりそこにも侯爵家が絡んでいましたか、まぁいいでしょう。今日の所は失礼します。このまま帰りますが、妙に騒いだりしたら、逃げ切るためにあなたを殺さなければなりません。命が惜しければ朝までベットにこもっていることをオススメします。ではまたいつか」



結界球と防音球のコアを割ると潜伏を使い、内鍵をはずしてそのまま宿を後にする。まだ夜も遅いうちに後二つの目的地へ急いだ。

この作品一のチートハーレム勇者がヒヨコな件。


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