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金があっても食べたいものは食べれない!

訓練開始から50日が経ち、とうとう模擬戦闘を始める事にした。

3班1セットで盾を使った密集防御陣形、全員に槍を持たせて、線での突き攻撃、前衛に盾、中衛に槍、後衛に弓を3列に並ばせるバランス陣形の練習をした。



理想としては柄の長い槍が欲しい。集団で一斉に叩きつけたり長いリーチでやりたい放題が理想だ。しかし戦争よりはまず盗賊や魔獣対策なので今はこれでいい。資金ができたら長柄槍を必ず揃えてやる!!



槍は穂先を布で保護し、柄の方で突く、矢は矢じりを外して軽めに打つことでカチュア軍4班VSアニマ班4班での模擬戦闘が午前と午後の日課になった。


アニマは基本的な陣形で手堅く守るタイプ。

カチュアは細かい指示を飛ばして陣形が多少変形しても攻撃的に行くタイプ。


班の強さにもよるがなかなかいい勝負をする。

戦績はカチュアの勝ちが多く、アニマの勝ちの要因はほとんどカチュア側の矢切れである。審判をする1班の死亡、もしくは重体宣告で戦闘から離れ、カチュアとアニマは指示だけで戦闘には参加禁止である。


猛禽類班にも見学させ、もっとどうするべきかの討論会をさせる。


所詮俺の知識は日本にいたころに得た知識だ。自分で思いついたわけじゃない。こうやって新しいことを学んでいる時にこそ、新しい発想に行きつくのだ。戦術や陣営、魔法に対する策などの意見はどんどん言わせる。なんでもいいから真剣に考えて意見を言える班には軽い昼食や夕食に1品つける。

各班でそれぞれ話し合い色々な意見を出させる。


戦場における魔法に関しては基本盾で防げる。

範囲魔法などは難しいが、単一で殺傷クラスの範囲魔法を発動できる魔術師は第三級特異点であり、範囲の敵を軽傷にすらできる魔術師はほぼいない。


ほとんどが複数の魔術師と魔法陣による範囲魔法だが、魔法陣から距離が離れるほど威力が下がり、魔法陣の大きさと威力は比例する。

この世界のポーションはファンタジー補正の為飲むと出血が止まり、打撲程度ならすぐ直り、痛みがとれるが、骨折や四肢欠損は治らない。


昔の戦争の死因の多くは出血死と聞いたことがあるので、出血が止まるのはいいことだ。模擬戦でけが人が出た場合は現代知識に沿って応急処置を教える。


訓練初日で頭を蹴っ飛ばしたおっさんに水をかけて起こした俺が応急処置も糞もないのだが!


サバイバルの際はできるだけ果実も摂取し、肝は取れたての生で食べる事を教える。

確か肝にはビタミンが豊富で、加熱すると破壊されてしまう栄養もあった気がする。正直獲れたての肝はおいしい。種類によっては癖もあるが、生レバーは、狩人の特権である。


狩りや漁師の手伝いのおかげで、だいぶ食糧の消費もおさえられ、出費もほとんどない。


そう言えば契約の時にカチュアとアニマが驚いていたが、月で15銀貨は相当高級らしい。年間で60銀貨だ、小さい家なら余裕で買える。

衛兵の部隊長クラスでも10銀貨もないらしい。


それじゃ俺の24銀貨って年間で96銀貨。準男爵が国から支給される給料の平均以上である。


領地を持たない貴族は王家から別れた分家の公爵家。傍流ではあるが王家の血筋なので、国のそれなりの役職に就く者や他国に嫁ぐものが多数。

次に多いのが近衛団長や騎士団長などの一代限りの名誉貴族。職を辞しても死ぬまでは貴族として国から一定の給料が出る。しかし団長になってからそれなりの年月が経たないとなれない事が多い。例外として国に利益をもたらしたものが名誉貴族になったりもする。

その他王宮に使える事務のTOPを務める世襲貴族。

国の許可の元、息子に爵位を継承させることが可能で爵位に対し給料がでる。

領地持ちの領主貴族は税を納めれば、残りは自分の資産だが、国からの給料はない。

唯一貴族の中でも例外なのが商人系の貴族。

国に一定の税を納め爵位を買う。もちろん給料はない。しかし戦時の強制徴発の対象外でもあり、まさに名前だけの貴族である。

貴族にならなければ販売できない物などもあるのでほとんどの大商人は名前だけ貴族である。



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最近はカチュアやアニマや猛禽類班に任せられることも増えてきて、少しづつだが自由な時間が出てきた。


とうとう俺は自分の野望を叶える時が来た!

この国には米があるが、炊飯という技術がない。

そもそも玄米のまま煮るのが一般的で、あまり主食にはならず、家畜のエサが一般的だ。

しかし俺は卵かけごはんが食いたい。非常に!!


まず玄米状態の米を買ってきて生活魔法で撹拌して精米する。

米同士をこすりあわせて精米するは知っていた。ここまでは余裕。


次に森へ入って竹を切り取る。面の部分に穴をあけ精米して研いだ米と同量の水を入れ、一回り太い竹の中に入れ上から水をかけ焚火を作り、その中に放置する。火の生活魔法をあまり手元から話さず長く使うのも面倒な為、焚火作戦である。


いい香りがしてきた所で火を消してやけどしないように竹を冷やして取り出す。



まぎれもなく白飯だ!竹の香りが多少ついてるが問題ない。

軽く粗熱をとりスープ用のさらに盛るとたまごを2個乗せかき混ぜる!


ほのかに立つ湯気と芳醇なたまごの香り、箸の無い世界なのでわざわざ箸まで竹で自作である。


ふと無意識に手が伸びる……



「あ……しょうゆがない」



しょうゆがなければめんつゆもない、塩コンブもないし、ごま油もない。


白飯に意識が集中しすぎて大事な事を忘れていた。

しばし呆然と卵かけごはんを見つめる。



苦渋の決断で塩と胡椒をかけ食べた。意外とうまかったが日本人としての何かをなくした気がする。

卵かけごはん通称TKGは色々な趣味の方がいます!

これサイコ―などお勧めがあったら教えてください。作者はスタンダードのしょうゆ、技巧派のめんつゆ、一発屋の塩コンブ、足で稼ぐごま油+塩が好きです。



ごはんだけは地味にこだわりがあります。炊き立てのご飯は苦手です。なぜ炊き立てのご飯をありがたがるのか、作者にはよくわかりません。吸水させてじっくり炊き上げたご飯を木製のおひつであら熱を取り(冷ますのではない!)程よく水分を飛ばしたお米は最高です。自炊用のお米は現在北海道のおぼろづきです。おいしいお米の情報お持ちの方は是非ご一報を!!

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