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中隊の名前決定!

訓練も40日目を過ぎ、順調なローテーションで訓練をこなしている。

今後は7日に一度の休みを取って4班づつ川に遊びに行かせる。

もちろん地元漁師の手伝いもして、あまり物の魚ゲットや、川での水練も班長に言い渡す。

休みなのかと聞かれると怪しいラインだが、それでも走り続けよりもいい気がする。


それから伯爵からの返信で、中隊の紋章が決まったと連絡が来た。

盾形のマークの中に、フォブスリーン家の紋章という元私設軍の紋章に手を加え、両脇に鷲と飛竜の意匠がほどこしてある。

さらに仮で構わないので、私設軍の名前を考えて欲しい。と言われたのでセンスのない頭をひねって考える。


出てこないので、とりあえず保留だ。



「ではのり弁!訓練期間後に我々がしなければならない事はなんだ?」


ホーク班班長の、のり弁に聞く。座学で質問や自分の意見が鋭い青年で、読み書き計算を覚えるのも早く。ゆっくりながら掛け算もできるようになった。


「そうだ、その為に我々がするべきことはなんだ?」



「盗賊の討伐と、魔獣の駆除です」



「間違ってはいない。ただ少しおしい、間違ってはいないが充分でもないな。まず我々にとっての最優先事項は、隊の存続である。知ってのとおり、我が隊は金欠だ。それも異常なほどに。ではどうするか?




「……自給自足ですか?」




「それも一つの手だ。しかし200名を養える食糧となると馬鹿にならない、みんなで狩りして農作業して自給自足してたらもはや軍ではない」



「じゃあどうするんですか?」



「自らで稼ぐんだよ。ポダル執政官からの過去の私設軍の活動内容報告をよく見ろ、去年だけで討伐された盗賊団はわずかに3つを合計しても20人弱だ!さらに魔獣の討伐の報告もほとんどない。これに対するのり弁の感想は?」



「盗賊団が元々少ないか、私設軍が全然機能していなかった、という事が考えられます」




「俺の見解はもう1つある。まず魔獣の討伐は必要がなかったと思う。理由は簡単だ、他に討伐する者がいるからだ」



「冒険者などですか?」



「冒険者は討伐数、素材を冒険者ギルドに報告、売却しなければいけない。国に雇われてる身分だからな!問題はそれ以外だ」



「それ以外……ですか?」




「そうだ、国に言えない連中が魔獣を駆除してる可能性だ」



「あ……盗賊、でもなんで?」



「のり弁、お前盗賊になったらどうやって金を稼ぐ?」



「商隊などを襲って奪う……?」



「国に追われて捕まって死ぬな。一生勝ち続ける、逃げ続ける事は無理だ」



「じゃ、どうやって?」



「狩りや魔獣の素材、それに通行料。金を貰って商人を安全に通らせるんだよ。たまごを産むニワトリを食わないだろ?産まなくなってから食うんだ」



「……あ、でも私設軍の徴発から、盗賊被害が増えてるんですよね?」



「それが問題だ、私設軍という抑止力がなくなって暴れはじめた盗賊か、他の地域から来た盗賊か……何にしても盗賊には縄張りがある。商人から見れば貴族も王も盗賊も一緒だ。安全を金で買ってるんだ。」



「それじゃ僕らは何をするんですか?」



「まず情報を集める、どこでどんな被害があったのか、どの地域にはどんな盗賊団やならず者がいるのか、そいつらは領民に危害があるものなのか」



「盗賊は全員討伐すればいいのでは?」



「討伐すればまた別な盗賊が来るだけだ、それに盗賊からしたら商人がニワトリのように、俺らからしても善良・・な盗賊はニワトリだ。まぁ推察の部分でしかない所が多いので、今後とも情報を集め、実態を探っていく。情報は武器であり盾であり金だ。時に自らを危険にもさらす。次回までに調べる情報は、国から来ている衛兵の構成人数、備蓄食料、指揮系統だ。練習相手と思って気を抜かず、できるだけ正確に調べる事。班での訓練なので【ファルコン】【コンドル】との情報共有は禁止とする。それでは今日も、午後から森で狩りと追跡術の訓練だ!各自班長の指示に従い、野外訓練の開始。俺は先に行く。日没までに俺を捕捉できたら夕飯に一品追加だ。では行動開始!」




「矢の補給を受けてくる。各自用意ができ次第正門に集合、待機の間は装備の確認を入念に行え、では行動開始!」




正直周囲探知があるので、捕捉などされないが、それでは訓練にならない。

周囲探知に頼らず自力のみで、捕捉されないように狩りをする。獲った獲物はヒヨコに送ってもらう。空を見て獲物を持つヒヨコの飛んできた方角にほぼ俺はいる。

まぁ偽装工作などもさせてもらうがね!



-----------------------------



「では戦争とはなんだと思う?」

ファルコン班、班長まるちゃんに尋ねる。



「戦って国を守ったり、敵の領土を奪う事です」



「その通り、でなんで戦争が起きるんだと思う?」



「……国を大きくしたいからです」



「間違っちゃいない。でも戦争が起きるのはお互い、もしくは複数の意見が合わないからだ。たとえ話をしよう。ここに一つのゆで卵がある。まるちゃん欲しいか?」



「欲しいです」



「でも俺も欲しいんだ!……どうする?」



「隊長にあげます」



「なぜ?」



「元々隊長の物だからです」



「……ま、まぁそうなんだけど。ゆで卵を取りあって喧嘩になるのも馬鹿らしいだろ?そんなんで敵意を向けられるくらいなら、あげてしまった方が早い。これが戦争前の降参だ。次、まるちゃんには兄弟がいるか?」



「兄と妹がいます」



「じゃ俺がその妹寄越せって言ったらどうする?」



「今は会えませんが、会えたら家族を説得してあげます」



「もらった後に殺すと言っても?」



「それは、無理です」



「よし、じゃあ……戦争だ!となる。

他にも、まるちゃん俺のゆで卵勝手に食べたろ!返せよ!!」



「し、知らないですよ!」



「知らないじゃない!証拠は揃ってるんだ、ゆで卵の代金払えよ!謝れよ!!」



「し、知らないですよ!!」



「しらばっくれるなら仕方ない、痛い目見てもらおうか……という戦争の始まり方もある」



「でもホントにゆで卵勝手に食べてないですよ!信じてください!」




人選をミスったかもしれない!!

まぁ考えてみれば、まだみんなひよっこ以前なんだよな、俺含めて。


(ん?ひよっこ以前……?これだ!!)




俺の中隊の名前が決まった!【エッグノック】たまごを内から叩くひよっこ以前の状態だ!!



((きみにしてはいいセンスしてるね!))



いきなり出てくんな!!

フォブスリーン家私設軍中隊【エッグノック】


我ながら主人公のセンスはどうかと思う!

【ラプター】や【HolyCock】とかも候補でしたが、運命の女神によって【エッグノック】になりました。


神からの

((なんか厨二くさいね))っていう感想も見てみたかったです。

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