糞神再登場!新たな祝福!
修正加筆済み 2018/01/08
見世物小屋に入ると、そこには小学生くらいの女の子が檻に入っていた。
「さぁさぁみなさん、もっと近寄ってみてください。この少女はなんとジュラ湿原の中でたった一人でいる所を捕獲されたのです。さらに何やら騒いでいますが一定のパターンがあり、どうやら魔獣との意思疎通も可能なようです」
そういえばこの世界は国に関係なく、人間種族の言語は共通だと学んだ。
(共通語がしゃべれないから魔獣に育てられた子って訳か)
檻に入れられてる少女を視てみる。
【人間 楠木加奈子 9歳】
(わーお、日本人確定だ)
叩かれるのが怖いのか、観客におびえているのか、少女はすでに叫ぶこともなく泣きながら震えている。
(9歳が神の逆鱗に触れるってのもおかしな話だ。これが糞神の言ってた迷子か?)
しかし迷子を見つけても連絡を取る手段がない。
強く念じろとは言ってたが、転生後文句を言おうと毎日のように呪詛を念じていたが、返信は一度もなかった。
(とりあえず試すか……えーっと)
((迷子見つけました糞神様!))
((糞神じゃないですやり直しっ!))
((えっ!!通じた!!))
((必要なときにはちゃんとつながるのです。迷子を見つけましたか…どんな子です?))
((……実は聞こえてるけど無視してただけでしょ?))
((毎日毎日3分もおかずに電話されたら神だって嫌になります。仕方ないです))
((一度出りゃいいんですよ。謝罪と賠償を請求します))
((いいんですか?そんなことを言ってて?迷子の子の事ちゃんと教えないとご褒美はないよ?))
((何言ってるんですか。順番おかしいデスヨ。くじ引きとか言っておきながら勝手に人生決めつけた理由と謝罪と賠償が先です。この迷子を見殺すのはさて俺ですか、神様気取りの嘘つきですか?))
((ぐぬぬぬ。仕方ないなぁ。理由は簡単。他の神に頼まれてたからさ。最底辺に生まれるようにしてくれと……ごめんね!))
((理由と謝罪はわかりました。後は賠償ですね性別のくじを引けなかった分と出生のくじを引けなかった分、騙した分で3つ要求します))
((たくましいね君は……。わかったよ。等価に見合う物を明日君の枕元に届けよう。だから迷子の情報をく、ください))
((あまり信用できませんが、念じれば通じることが分かった。ふざけた物が来たら時間があるときひたすら念じます))
((わかった、わかったってば。神を脅迫するなんて君くらいじゃないの?))
((脅迫なんてしてないですよ。あなたの真摯な態度に期待してるんです。
迷子の方ですが、俺が生まれた街の見世物小屋で、魔獣に育てられた子として檻に入ってます。名前は楠木加奈子ちゃん9歳です))
((ありがとーそこまでわかればなんとかなるよ。人目につかないときに記憶を消して、元の世界に戻しちゃうね!ありがとう))
((元の世界に戻すって俺でも戻せるのか!!?))
((あー、君はもうそっちの世界の生き物だから、そっちの世界の神じゃないと無理だね。いるのかどうか知らないけど……))
((っち!つかえねーな。ところでご褒美は?))
((舌打ち聞こえてるからね!さっきありがとうって言ったでしょ?神からの感謝なんて一生に))
((あんまりふざけてると後で後悔するぞ?俺はお前が泣いて謝るまでやめないぞ?))
((あんまり怖いこと言わないでよ。冗談だってばじょーだん……じゃ最近困ってる君の為に特別な祝福をあげるね!))
((自分で選べないのかよ……))
((そこは我慢してほしい、神の世界にもいろいろルールはあるしね!最近の君の動向は知ってるから、君にぴったりな祝福をあげるよ!))
((き、期待していいんだよな?))
((もちろん!!あげる祝福は【マッサージ師】なんとこの効果は))
「くそがぁぁぁっぁぁぁぁ」
もちろんそれから寝るまで強く念じて呪詛を送り続けたのは言うまでもない。