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初めての試合が決まりました!

川の月の演習が終わって数日後、俺は会長に呼び出されていた。




「失礼します」




「おぅきたか、無事演習を生き残ったようだな。それで消費媒体は買うのか?」




「……?買わないつもりですが」




「そうか……新人戦の大事さは知ってるな?あの一戦で、未勝利戦3勝分の価値がある。」




「同室の方に聞きました」



「普通は釈放金を上乗せしてでも、買うんだがな……」



「負けて未勝利に落ちれば、次に待ち受けるさらに過酷な演習に、参加することになるからでしょう?」


それをわかった上で、消費媒体は買わないよ。と意思表示をする



「ほぅ、その歳で演習の意味と"次"がわかっているのか。おもしろい、では勝つ自信があるのかね?それともいっそう過酷な演習でも生き残れると?」



「"どちらも"ですよ。まぁ負ける気はありません」



「……自信があるのはいいが、対戦相手はお前より年上や強敵だっているぞ?どんな奴かわからんのだぞ?何か秘策でもあるのかね?」




「秘策と言っても隠すことじゃありませんが、一応あります。対戦相手だって、少なくともどんな奴かはわかってるつもりです」



対戦相手はみな剣奴隷だ。剣闘士はみなフリークラスからはじまる。



「ほぅ?自信があるな。新人戦の賭けの倍率はなかなかおいしい。事前情報がなかなかないから。年齢や種族で倍率が決まるようなものだ。武器はホントにナイフで行くのか?」



「試合では死ぬこともありますからね、正直言って怖いです。でも待っている人がいるので、こんなところに長くいるつもりもありません」



「演習を乗り越えてなおピンピンしてるしな、その歳で高位魔術が使えてしかも先がわかってる賢さ。いいだろう新人戦お前に賭けてやる。勝ったらうまいものくらい食わせてやるぞ?」



「旨い物より次の試合を、組んでほしいです」



「あまり急ぐと早死にするぞ!まぁいい、次の話は勝ててからだな!……勝算はどのくらいだ?」



冷静に考えて答える。


「8割ほどでしょうか?」



「根拠は?」



「犯罪を犯して"捕まる"相手に負ける要素があまりありません。返り討ちにして逃げる事が出来るなら剣奴隷にはなりませんからね、試合開始で残る

4人がまとめてかかってこない限り問題はないと思っています」



「……バトルロワイヤルの経験は?」



「学園で30人以上のバトルロワイヤルで、1位勝ち抜きをしています、まぁ魔法なく剣の殴り合いで最後まで逃げて、残った一人を場外に落として、勝っただけですが……」



徒党を組んだ奴らが解散してくれたから余裕だったのだが。



「ほぅ……人殺しもそうだが、なかなかに修羅場をくぐっているようだな。生きて勝ったらまた会おう、もういいぞ、部屋に戻れ。試合の日が決まったら連絡する」





その数日後、山の月まであと3日という日に、俺の試合の日が決まった。

山の月2日目の午前らしい。




-----------------------------




新人戦は直径10mの円型のリングで5人が同時に戦う。

負けの条件はリング以外への接触、10秒以上のダウン、失神、気絶、四肢欠損などによる審判判断。抑え込んだりでの無抵抗状態が、10秒続いても負けとなる。降参は認められていない。

1試合20分に設定されており、それを超えた場合、全員が負けとなる。



剣奴隷が今後の境遇を考えて、死ぬ気で勝ちに来る、降参無しのバトルロワイヤル。賭け対象も5人それぞれの勝ちか、全員負けかの6種類で20分で必ず終わるので、なかなか人気がある。





「リョウ試合2日だって?」



「あぁやっと試合が決まったよ」




「演習で死んじゃうと思ったんだけどな!コアルはよく生き残ったな!」




「あぁ……俺5銀貨分消費媒体買ったのさ!」




「え?コアル高位魔術使えるのか?」




「は?何言ってんだ?この拘束具があれば、文字が書ける奴なら誰でも使えるぜ?」




「え?高位魔術使えなきゃダメなんじゃないの?」

初耳である



「高位魔術ができる奴は少ない消費で使えたり、威力が高かったりするからな、一般人よりはだいぶ有利だと思うぜ?」




そういや、俺高位魔術が使えるけど、元々の放出量は少ないんだった……

確かに高位魔術が使えないと使えないなんて言われてない……



「消費媒体買うと演習ないのか?」




「あぁ、俺は昔剣奴隷だった人に、似たような話を聞いててな。釈放金が増えても消費媒体は絶対に買っておけってな。新人戦も運よく大人1人に子供とじじいだけでな、全員で大人を倒してから勝ち残ったぜ」



なんてこった!誰でも使えるのか!!これは予定を修正しないといけないな……




「そう言えば魔術師の剣闘士ってやばいのか?」



「剣闘士やる魔術師なんていないぜ?」




そう言ってコアルは大笑いをする




「え?なんでだよ?」




「高位魔術は禁止だし、消費媒体だけの魔法じゃ威力はでないし、防御力はないからな!"剣闘"士って言うくらいだ、魔術師なんていないよ。そもそも高位魔術が使えるなら、剣闘士なんかやらなくても食っていけるしな!」




「あ…そうか」




「一番まずいのが金のある剣闘士と、釈放金上乗せしまくりの剣奴隷だな」


金のある剣闘士はわか。る消費媒体を買って使えば、威嚇や、牽制、ガード。手札が増える



「剣闘士はわかるけど、剣奴隷は釈放金上乗せしまくってどうするんだよ?」




「もうここから出る気がないのさ。消費媒体を使って魔法でごり押し、剣闘会は勝って儲かる、賭けて儲かる、消費媒体を売って儲かる。剣奴隷は剣闘会から高待遇だしな、外よりいい生活してるんじゃねーか?」




消費媒体の上乗せで買う場合その金額は、国から支給される。

もちろん剣闘会も、原価で売ってるわけではないので、利益がある。

あまりにも大量な購入は、国から許可が出ないが、すこしづつなら問題ない。

しかし月ごとに釈放金の増減と勝率が管理されてるので、釈放金が増えて勝率の悪い剣奴隷は犯罪奴隷に飛ばされる。消費媒体を買いながら、勝って賞金で相殺していくことで、うまくいい立場をキープする剣奴隷も少なくないらしい。



「うわーじゃ最初に消費媒体買ってれば、演習なんか行かずに済んだのかよ……」



「まぁ生き残ったんだからいいじゃねーか、お互い明日は我が身だが頑張ろうぜ!」



「ありがとう……まずは勝ちあがってくるよ!」



誰でも魔法が使える。という予想外の事実に驚きながらも確信した。




(これで俺は勝てる!!)

ブレスレットでの魔法は消費媒体を使った生活魔法のイメージです。

抑えられているのは体内魔力の放出と体外魔力の吸収なので、消費媒体は関係ありません。

国ではある決まった消費媒体を剣闘で使っているので他の消費媒体ではブレスレットに注入できないという設定です。

文字でイメージの固定、発動がキーワードの一種の魔道具です。

元が同じ魔力(同じ消費媒体)なので鏡文字で魔力に戻せる設定です。

読者様は(火球)という文字を短時間で鏡文字にできますか?(ちなみに書き基準も……)

異世界なので漢字ではありませんが、誤発動防止にそれなりに難しい文字になっているという設定です。

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