新しい生活の始まり!
ここから新章、剣奴隷編です!
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剣奴隷になると人数バランスを調節され、カロナムの剣闘会のどこかに所属される。
俺の所属先はカロナムの中でも4番目という、比較的大きい剣闘会チャビリアンに所属することになった。
荷物検査と身体検査を受け、会長の所に案内される。
「俺はチャビリアン剣闘会会長バレス・チャビリだ、今日から頑張れよ、坊主」
「リョウですよろしくお願いします」
「ふむふむ……釈放金は195銀貨で殺人か、しかも学園内。ムカツク同級生でもぶっ殺しちまったか?」
口元を少しあげ不敵に笑う
「ま、まぁ色々と……」
罪人の個人情報は基本的に伏せられる。貴族の子だとわかると八百長して釈放促成をし、釈放後、恩恵を受ける会長などが出るからだ。会長には厳しい審査と資金力が求められる。大体が大商人の娯楽である。
普通の剣闘士も雇うので、剣奴隷の賞金の一部は、剣闘会にも入るので利益はあるが、ほとんどが商人の権威の為である。
商人は剣闘会を運営して一人前、ハンガー家も持っていたが許可が剥奪され、剣奴隷や剣闘士は他の剣闘会にそれぞれ吸収された。
「……で?リョウは何ができる?戦う意味でな」
「簡単な高位魔法、ナイフでの戦闘、対人格闘術です」
「ほう……その歳で高位魔法が使えるのか、ちょっとこのブレスレットを利きの手の手首につけて、この文字を空中に書いて、発動と言ってみろ」
銀色のブレスレットを受け取り紙に書いてある[水盾]という文字を宙に書く
「発動」
――水の盾がでた
右手を中心に直径30cmくらいの薄い水の盾が出た。
「放出量は元々少ないのか……まぁ充分だろ、消費媒体買うか?」
「消費媒体……ですか?」
「あぁ説明が必要だな……」
魔術師が剣闘士になった場合、魔力抑制魔法の為に、ほぼ魔法は使えない。しかし拘束具を魔道具タイプの物にすると、そのブレスレットに消費媒体での魔力を溜める事ができ、宙に文字を書き、発動というキーワードによって、文字に応じた魔法が使える。いいブレスレットであれば使える魔法も多いが、剣奴隷は最低ランクの物しか借りられない。会長が自費で買い与える事も可能だが、会長次第である。ブレスレットの魔力は釈放金の上乗せで買う事ができ、逆に売る事も可能だ。仮に消費媒体を大量に持ち混んでも、専門の魔術師でないと補充も吸出しもできない。ただしこのブレスレットを介して使用された魔法は、他のブレスレットを持つ者が発動に使った文字の鏡文字を使い吸収で吸い取る事が可能だ。発動した手から吸収対象の魔法まで20cm以内でないと吸えないので、高等技術である。剣奴隷同士が何かの際に、金銭の受け渡し代わりに盾系の魔法で使うらしい。実戦で使う物は皆無のようだ。
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「どうする?買うか?」
「とりあえずは大丈夫です……」
心の中で決めた……吸収無双しよう!!
「必要になったら従業員にいいな。それとこれが呪文の一覧だ。丸が付いてるのが、そのブレスレットでも使える魔法だ。使用魔力は元々の放出量とコントロールだから人それぞれ違う。まぁ使うなら自分で慣れろ」
「はい」
「それなりに試合で使えるようなら、もうちっとまともな物も買ってやる。とりあえずそれで頑張れ」
右手のブレスレットを回収され、違うブレスレットを両手首に着けさせられると、バレスは野球ボールサイズの魔宝石を出し、こちらに向ける
すると……
――ブレスレットがくっついた
「剣奴隷は全員つけてるが、その拘束具は俺の許可なく外れない。試合の時や演習時には外してやる」
ブレスレットは磁石のようなくっつき方だが、力を込めても外れない。
ただブレスレット同士がつながっていればある程度動かせる。
「細かいルールは自分で覚えろ。部屋と基本的なルールはここに書いてある、読んでおけ」
「はい」
「とりあえず冬までは、ミレーネ山脈で新人全員で演習だ。生き残れたら山の月の新人戦に出してやる」
ミレーネ山脈はカロナム北の山脈である。なかなか高い山が連なり、人はあまり立ち入らない。
部屋から追い出されるようにして出ると、使いにくい手で渡された紙を見て部屋を探す。手荷物はほぼないが、何とも不便で仕方がない。
部屋に着くと2畳ほどの部屋に2段ベットが1つ、ルームメイトは同じく拘束具を手首につけベットの下で寝転がってた。
「まぁそう言えば、今日新人が来るって行ってたな。同い年くらいか?俺、コアル14歳でフリークラスだ」
「リョウ11歳です。今日からお世話になります」
「3歳下か……もう少し大人びて見えたけどな!……で?何やったんだよ?」
好奇心旺盛な笑顔で聞いてくる
「……人殺しです」
「ハッタリはいいけど、バレバレだな!俺は窃盗だった……リョウお前平民か?」
「そうだけど?」
「うらやましいな、俺はスラムの生まれでな……」
――――その後コアルの不幸自慢は3時間に及んだ。




