表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/112

ダンジョンとかソロでも余裕っす!第2弾


「っ!……」



目が覚めると一瞬頭がくらっとする。

なにかとても大事な夢を見たような気がするのだが、思い出せない……


あと少しなのに靄がかかったように出てこない……



ふと自分がダンジョンの30階にいる事を思い出し気を引き締めた。



(疲れているのか?それとも瘴気の影響だろうか?)


普段外にいるときは体外魔力に満ちているので、睡眠時の魔力の回復は早い。しかしダンジョン内では安心して寝る事も難しく、体外魔力が薄いため回復は非常に遅い。深くなるにつれ体外魔力は薄くなるのだ。


帰りの魔力も温存しないといけない為30階代はできるだけ敵を避けながら前に進む。

20階代と違い目印がほとんどないので右手で等間隔に目印をつけながら進み、行き止まりなどで戻るときは消していった。


マッピングはしているが万が一の時、目印を左側にあるようにして歩けば、階段に戻れる。ダンジョン突入から4日目の夕方、とうとう40階につながる階段を見つけた……。階段から少し離れた小部屋で今日は寝る。


日数的にも明日の午前中に探索し残りは帰る時間だ。まさかここまで来れるとは想定もしていなかったので興奮と緊張が入り混じりなかなか寝付けない。



――踏破率80パーセントからは壁がある……



即死級の罠や転送系の罠を想像し期待と恐怖が入り混じる中いつもより少し遅い時間に眠りについた……



-----------------------------




「……マズすぎる」



俺は今学園のダンジョンの40階にいる。しかし現在位置を見失った。

1時間ほど前、40階に降りるとそこにはおびただしい数の魔物が、周囲探知に引っかかった。


そのまま引き返せばよかったのだが、欲が出て少し探索しようと思った。

周囲探知で敵を避け潜伏をしていれば大丈夫だと思ったのが運の尽き。


曲がり角を曲がった瞬間、周囲探知にいなかったはずの魔物が目の前に現れる。大きく黒い犬の魔物は殺意でこちらに向け、周囲探知に引っかかる。


(周囲探知にかからない奴がいるのかよ!!)


慌てて魔弾を遮二無二撃ちまくる。30階代の魔物が雑魚としてもその魔物はボス相当に比較しても余りある耐久力で、なかなか倒れなかった。

幸い高所に攻撃できないようだったので、天井に風魔法で張りつき一方的に倒した。やっと霧散した魔物の瘴気を指輪が吸っていると、前から火の玉が飛んできた。


慌てて近くの小部屋に入ると壁を作り潜伏使う、攻撃される壁を見ながら目を離さず後ろの方に下がる……

その瞬間、足元が光った。

見覚えのある光が消えた時さっきとは別な小部屋に俺はいた。


急いで壁を塞ぐと部屋の中を調べ罠がないことを確認する。




「……マズすぎる」



帰る事を考えるとこの階層の魔物は倒していられない。

助けを待つにしても40階じゃ深すぎるし、なにせ申請には20階と書いてあるのだ。20階を目標にしてる行方不明者を40階まで探しに来るなんて到底思えない。


何もかもが自分の慢心の結果だ。

小部屋のすぐ外に、周囲探知に引っかかる魔物はいないが、さっきの例もある。魔物は生命反応で引っかからないので魔力の反応で探していた。

つまり生命と魔力以外の物で動いてる物に関しては探知にかからない。

さらに潜伏状態だったのに見つかっている。いきなり予想外の魔物にあって潜伏が解けた可能性もあるが楽観視するよりも最悪のケースを想定していた方がいい。



(残り2割の壁って言ったって、限度があるだろうが、限度が!!)



とりあえず周囲探知をしながら潜伏を使い同時に天井すれすれを飛ぶことにした。


意を決し壁の上を崩そうとした瞬間、聞きなれた音が部屋に響いた。

振り返るとそこには……



――銀色のたまごがあった



思わず身体が動き、たまごを拾うと魔力阻害袋に入れる。

常に腰にかけていたので歩きながら食べる干し肉などの小物入れに兼用していた。


思わぬ拾い物に湧き立つ高揚感を必死に抑え、穴をあけた壁の上から静かに出て慎重に階段を探す。


20分ほどで運よく39階への階段が見つかり、ほっとした瞬間……



背中に鋭い痛みが走る。



「っ!!」



――サソリだ



周囲探知に引っかからないサソリがいた。殺気を感じ周囲探知に引っかかるようになったが、おそらく一瞬気を抜かなければ周囲探知で殺気をを探知し避けられていたかもしれない。ここまで危険な状況で一瞬でも気を抜いた自分をぶっ飛ばしたい。


慌てて階段の方に飛ぶと、サソリの後ろからさらにサソリがぞろぞろと出てくる。高く掲げた尻尾の先から針のようなものを飛ばしてくる。

半数近くがよけれず刺さる。



(これはやばい!)



とっさにポーチから結界球を取り出すと、サソリの先頭集団めがけて投げた。

投擲術で鍛えたコントロールで狙いの場所にあたると、結界が張られ足止めになる。



「いまだ!!」



思わず叫び階段に飛び込む、階段の前にも結界球を落とすと、急いで39階に逃げ、昨日寝るのに使った小部屋に転がり込み、壁を塞ぎ生きてることに感謝した。



魔物は通常階段の前には来ない。

ただ何か追っているときに限り階段の前を通り階段を上る。

外に出てくる魔物は2階の転送陣に触れた際、階段の前に飛ばされるのでそこで外に出る魔物もいれば1階を徘徊する魔物もいる。


昔の研究によれば人為的な何かを起こさない限り、魔物は階段に近寄らないようだ。

サソリ達を結界球で足止めしたが、24時間経たなくてもコアが壊れれば解除されてしまう。あんな奴から逃げ続けて上の階に連れてくるなんて、考えただけでも怖い。なので誰にも壊せない結界球を階段の前に使ってきた。

24時間もあれば平気だと……おもう



ふと魔力祖以外袋のなかのたまごを思い出し覗き込む。

やっぱり気のせいや見間違いでなく銀色のたまごだ、しかもダンジョンたまごより大きい。ソフトボールくらいはある。

ダンジョンたまごと同じように魔力を注ぐが全く入らない。


このまま魔力阻害袋にいれ続けたらどうなるのかな?と思いながらある物語を思い出した。


(そうだ……銀色のたまごを孵化させたのは勇者じゃない……魔術師だ!)


ほぼ確信に近い考えでヒヨコの羽を出し、魔力を混ぜ合わせそのまま注いでみる。



(吸った……)


ものすごい速度で銀色のたまごはヒヨコと俺の融合魔力を吸収した。

とりあえず今までの検証からすると、体外魔力も必要なはずだから最優先で帰ろう。


わくわくする気持ちを抑え、マッピングを確認しながら罠を警戒し地上を目指す。


それから地上に着いたのは丸2日後の日没手前。偶然にも出発から一週間後の日没手前だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ