角ひよこ爆裂誕生!
入園式のの後ダンジョンへ潜り2往復して、計8個のたまごを持ち帰った。
とりあえず1600エギラムは貸しである。返却できなければ掃除当番などで少しづつ返却してもらおう。友達とはいえその辺は甘くしてはいけないのだ。
しかし3日もしないうちに6個のたまごが売れ、棚に祀ってあるたまご代も含めて2600エギラムを受け取った。それからたまごを拾ってはジンに納品する。
もしかしたらこの空の月でジンはぷちせれぶに進化するかもしれない。
狩ったら金額をドロップしそうな名前である。
魔力阻害袋のたまごは聖獣が生まれるとしても、瘴気を吸わせてるのは危ない。
聖獣やヒヨコは殻を徐々に割って生まれるが魔物は[ポンッ]という軽い音と共にいきなり成長した状態で生まれる。
戦闘中いきなりポーチからから魔物は非常に困る。
ポーチが壊れ、結界球が落ちて割れ…魔物に囲まれる。
本来魔物のたまごは24時間程度で孵化するのだが、検証の為にやっているので一般例は通じない。事故の可能性は怖い。
そして22日…とうとうたまごのコツコツアタックがはじまった。
1番目のたまごだ。コツコツするという事は魔物ではない。
しかし念のためにと地下1階で孵化を見守る。
とうとうくちばしが殻を突き破った…
「お?鳥系か?」
軽い音と主にたまごの殻がはじけ飛ぶ…
――ひよこだ…
どこからどう見ても立派なひよこだ…
でもこいつただのひよこじゃない…だって"角"があるんですもん!
見た目でやや確信したが一応視てみる
【ニワトリ(魔獣)0歳】
やっぱ魔獣ですね。普通の生まれ方じゃないしひよこに角なんでないですもんね。
昔得た知識では魔獣は普通の獣に魔力的要因が絡んで変化すると魔獣になるとあった。
おそらく普通のひよこが生まれてくるはずが瘴気のせいか何の因果か魔獣になったのだろう。
(たまたまひよこだった可能性もあるからもう1,2個は同じ方法で孵化させてみるか…)
とりあえず間違って駆除されないようにビーストテイマーの講師の元に行く
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「すみませーん」
「久しぶりだな、なんだ?聖獣でも売りに来たか?」
「それもいいのですが魔獣って買い取ってもらえます?」
「幼生体なら買い取るが・・・学園内で魔獣が子を産んだのか?」
「あーまぁそんな感じです。見てもらえますか?」
そういって角ひよこを出す。
「こ、これは……ひよこ…だよな?」
「ひよこですね…」
「買い取ってもいいが売れるかわからんぞ?体験講義から空の月が終わるまでの委託なら餌代自分持ちの70パーセントが持ち主の取り分。あたしに直接売るなら…ニワトリだしな……1000エギラム位…だな」
「…とりあえず1000エギラムでいいです。もし売れたら教えてください。またもってくるかもしれません」
「まだいるのか?」
「いるというかなんというか・・・ダンジョンたまごから生まれたんですよコイツ」
「っ!!なんだと?それは本当か?」
「たまごを持ち歩きながらダンジョンに入ってたんですけどまずいですかね?」
「知ってる者は少ないが一度ダンジョンから出したたまごを再びダンジョンに持ち込むと稀にとてつもない魔物が生まれる事がある。たまごの持ち主がほぼ生きてないから正確な情報は少ないが非常に危険な行為だ!!」
「ほんとですか!!ダンジョン前で持ち物検査を受けた時危ないとは言われましたが、そこまでの事は言われませんでした…」
「噂程度の話だからな…しかし実際に入口近くに見たこともない異常な魔物が1匹だけ出現した事は何度かあるぞ」
「き、気を付けます」
「国も実験をしているが、実験の結果はすべてたまごは腐るという話だったが…」
「貴重な情報ありがとうございます…」
死にたくないので瘴気をたまごに吸収させるのは自重しよう。
相棒クラスの魔物がいきなり成長段階で現れ、敵意むき出しだと即人生終了もあり得る。
(とりあえず瘴気作戦は中断だな…)
瘴気作戦が中断になったので図書室で聖獣関係の本を漁る。
聖獣に子供はできるのか?その他の情報が必要なのだ。
調べた結果面白データが見つかった。聖獣はもともとの種族と異性とであれば子供を作る事ができ、♂でも♀でも大丈夫らしい。
ただし聖獣同士では種族が同じでも子供ができた記録はないらしい。
聖獣養殖の為にかなりの金額をかけて実験した時代もあったらしいがその成果はあまりよろしくなかった。
生まれた子供は聖獣になる事はいまだ一回も確認されておらず、子供が覚醒に成功した事例はない。しかし元の種族より長寿命で病気にもなりにくく、非常に丈夫らしい。
(ヒヨコに奥さんができて、子供が生まれて、ヒヨコが許可を出せばあげられるのか…)
聖獣が出てくる勇者の物語ではダンジョンの深くで銀のたまごを見つけ持ち帰り、勇者PTの魔術師が孵化させると真っ赤なドラゴンが生まれ、勇者が世界を救うのを助けたとある。まぁ眉唾物だ。
実際伝説のたまごだ…と銀色のたまごが売りに出されることは王国でも何度もあるし、学園のダンジョンの40階以降では銀色のたまごの目撃例もある。
深くまで潜るPTは無駄な物はあまり持たないので魔力阻害袋もないし、仮に魔力阻害魔法が使えても魔力を温存するのが当たり前だ。
正式な記録にある限り銀色のたまごからはなにかが生まれたことは一度もない。
(これは・・狙ってみる価値があるな!)
有名な聖獣が紹介されている本を見ると、○年間伝令役を務めた聖獣や、空から偵察をして戦争の勝利に貢献した聖獣。魔法を使いダンジョンで活躍した聖獣などかなりの数の聖獣が載っている。魔法を使うのは一般的だが攻撃相当の魔法を使う魔獣はかなり貴重で最低でも100銀貨以上である。しかし鳥系はダンジョンでの活動がなかなか難しいので一部の種類以外はほとんど偵察か伝令役である。
ダンジョンの潜り方なども調べたが1人で潜るのに適した情報を載せている本はなかった。ダンジョンの内容に関しても去年講義で習った事ばっかりだった。
冒険譚的な物を見ても信憑性に欠ける話が多くあまり役に立たなかった。
しかし40階層には大きな壁があり、これ以降先に進むには人数よりもPTのバランスと強さとあった。
40階以降は即死級の罠があったり転送系の罠まで出てくる。
さらに敵もいきなり強くなるらしい。
世界各地にダンジョンは複数あり、最大の深さの物は100階層の廃墟が確認されている。どこも全体の残り2割から急に厳しくなるため、学園のダンジョンは50階と言う噂である。
何にしてもとりあえず目指すのは30階!可能なら学生記録に挑戦したい!
ダンジョンにかかわる本よりもサバイバル関係の本の方が実に有効だった…
実際伝説のたまごだ…と銀色のたまごが売りに出されることは王国でも何度もあるし、30階以降では
の30階以降を
学園のダンジョンの40階以降では
に変更させていただきました。設定変更申し訳ありません。




