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カチュアの罪の償い方!

自宅に帰宅してからエリーと2人で夕飯を食べる。


「だいぶ背が伸びたわねぇ・・・」


「そりゃ縮まないさ」


「可愛げがなくなったわねぇ・・・それは元からか」


「エリーねぇは雰囲気変わったね。好きな人でもできた?」


「っ!するどいわね・・・あ・・・どうせ聞いたんでしょ?」


「さぁね・・・で、いつ食事に行くんだい?」


「え?食事?・・・そんな事言ってたの?」


「最初に俺が誘われてエリーも呼んでほしいって・・・」


「へぇーあのひとがねぇ・・・しばらく忙しいって言ったのに」


「ゴレアンさんは知ってるの?」


「言えるわけないじゃない!!」


「それもそうか・・・」



話が噛みあっているがエリーの好きな人がガザルではないと知るのにはもうしばらくの月日が必要になる事は今は知らない。


-----------------------------


それから数日たったある日


「リョーーウ!あんたにお客だよ!!」


ん?俺に客なんて・・・だれだ?



「よぅ!」


金髪の髪を後ろで束ね、すらっとした美人がそこにいた


「カチュアさん!!どうしてここに?」


「ガザルからここにいると聞いてな・・・挨拶にきた」


「いや・・・そうじゃなくて卒業式は!?」


「母から手紙が来てリョウと話し合ったことを聞いた。内容読んでさ・・・卒業取り消し上等で出てきちゃった」


「いや・・・でてきちゃった・・・じゃなくて・・」


「手紙にさ・・・母から絶縁だと・・・情けない、親子の縁を切る。二度と顔だすなって言われてさ・・・」


「・・・」


「リョウには・・・悪いと思ってる。100銀貨の借金はしばらく返せそうもない。尊敬している母に裏切られた気分でな・・・すこしつらい」


「借用書はもう破棄しました。俺には裁く権利も何もないんです」


「いや・・・お前が真相に気づかなかったら、罪を隠し持ったまま後ろめたく生きていくことになったんだ。気づかせてくれて感謝してる」


「・・・なにかその言い方だと・・・自首するみたいな・・」


「もちろんだ。これから学園に自首してくる。犯罪奴隷と言ってもあたしは剣奴隷になる。なにすぐ出てくるさ!」


犯罪を犯して奴隷になる場合死刑や特殊刑以外は本人の意思により犯罪奴隷か剣奴隷かを選べる。

犯罪奴隷は奴隷明けまでの期間が決まっておりその期間を満たすと解放である。性別、年齢、能力、ルックス、期間で査定され国の許可が出ている店などに売られる。


一般の奴隷商から買う奴隷は20年固定でありそれ以上の奴隷強制は重罪である。


対して剣奴隷は罪に応じて金額が決まりその半値で国から許可が出ている剣闘会に売られる。剣闘会に登録された剣奴隷は罪に応じた金額を剣闘の賞金で償却し満額で解放となる。剣闘士は奴隷以外にもいるがショーとして魔物や魔獣と戦わせたり賭け試合があったり国民の娯楽なのだ。


犯罪奴隷は無闇に傷つけると罰金や犯罪奴隷の没収などがあるが剣奴隷は仮に死んでもお咎めなしである。

強い剣奴隷は解放後スカウトし、弱い剣奴隷は見世物としてショーの材料である。

剣奴隷に対して解放前に解放後の契約を書かせたり強制させるのは違法であり、厳しい罰則が下る。


腕があれば短期間で出てくる事も可能な分命の危険性もある。

まさにハイリスクハイリターンだ


ちなみにどちらの奴隷を選んでも犯罪で得た以外の財産は差し押さえられない。貴族や平民は爵位や職業ギルドからの追放などがあるので犯罪奴隷明けの人生が悲惨なのは目に見えてるが。





「剣奴隷なんて・・・そんな!自首なんて・・そこまでしなくても!」


「見ていただけとはいえ殺人は殺人だ。卒業後に自首すると母には手紙で書いてた。5人を殺し報酬も得ている。これまで黙っていた分も含めると犯罪奴隷なら10年程度では出てこれない・・・」


「でも剣奴隷になって死んじゃったら!!」


「人の命を奪って黙っていた罪だ。まぁ簡単には死なんがな。この後学園に行って罪を告白する。しばらく会えんが・・・元気でな」


「・・・はい」



-----------------------------



(あーまずいまずいまずい。想定外だ!)


そう言えばカチュアは俺がセキロムとガロンを手にかけた事は知らない。

うすうす勘付いているかもしれないが証拠はない。


しかしパラル達を殺ったのがセキロム、ガロン、カチュアの3人でそのうち2名が行方不明、一人が自首となれば間違いなくセキロムとガロンの行方不明の原因も浮かぶ。


ルーアの件で無理して奪った100銀貨相当。ちょっと調べればすぐにパラルとラウリーの魔法剣だとばれる。


しかもすでにダンジョンのエサになっている。

あれ以降ダンジョンには入ってないのであの日ダンジョンに落としたというしかない。


魔法剣を2本偶然落として生存した・・・何ともできた話だ。

壊したにしろ掘れば砕いて燃やしたとはいえ金属は残る。

売ったなんて論外だ・・・。



情報が不確定な以上できる事は少ない。カチュアが自首する以上公爵家もハンガー家も無事では済まない・・・

あれ?これって俺騙された?

最大の恩恵があるのは・・・間違いなく母娘の縁を切ってたギャリンだ・・・。



(だから裏切られた気分か・・・)


もう一度ギャリンと話さなければいけないようだ。

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