お掃除ちーと
「ゴレアンさんこんにちはー」
「こんにちはー」
祭りの期間中は、ゴレアンさんの冒険者宿で露店の手伝いである。
「待ってたよ。エリーは料理の手伝い、坊主は宿の部屋の掃除。なくなって困るものはおいてくなとは言ってあるが、客の物に手を出すんじゃないよ!」
「はい!」
(万が一にも何かあると困る部屋の掃除を任されるとは信用されてるのかな?)
「それと……ゴレアンさんすみません。実は昨日鍋をなくしてしまって、代わりに家の鍋を持ってきました。ごめんなさい」
「嘘はよくないね坊主。スリ集団のガキに盗られたんだろ?同じスラムでも盗り合いになるんだね。ただ鍋をなくしたのは坊主の責任だ、その分今日しっかりと働いてくれりゃいいよ。鍋より働き手の方が大事だからね」
「ごめんなさい。ありがとうございます。精一杯がんばります」
「昨日みたいに特別に給料2倍にはできないが、今日は祭りだ。露店のあまり物で肉も出るだろうから、今日は気を付けて帰りな」
「頑張ります!!」
やさしいババアである。お持ち帰り分もあると副音声が言っている。これは頑張らねば。
この宿は、冒険者の寮+無許可冒険者の宿である。
自然と長期宿泊が多くなり、ほとんどアパート感覚である。
鍵は内側から掛ける鍵しかなく、貴重品の管理は各自で行う。
食堂の掃除からはじめ、廊下などの共用部、掃除希望依頼を出してる部屋の清掃が今日の仕事。
共用部の掃除をして思ったことがある。
「昨日も思ったが、ほこりってか、砂がひどい」
この国は欧米スタイルで、ベット以外は土足である。
神経質な人でも自分の部屋でスリッパに履き替える程度である。
(まぁうちに比べたら衛生環境うんぬんは言えないけど……)
街の北側の山脈から流れる地下水を使い、生活水路はできているがトイレは汲み取り式で肥料に、生活汚水程度は生活魔法で綺麗にして再利用なので、うちの地下水路は下水とはいえクリーンである。
たまに魚もいるしね!
風呂という概念はあるが、生活魔法の火で沸かせる量は少ないので、もっぱら高等魔法が許可されてる特権階級の娯楽である。
一部大商人は奴隷を大量に使い、生活魔法で風呂を沸かすが、コンロレベルの火で風呂を毎日沸かすとはさすが金持ちである。
俺も気合を入れれば一人用の風呂くらい生活魔法で沸かせるが、それだけでくたくたになる。
一般人は桶に水かお湯を入れ身体を拭く程度である。
ママンも俺もなれたもので、家のすぐ横の地下水路で水浴びするのが日課である。
ママンは俺が魔法を使えるのを知っているが、成長段階での魔力の枯渇は死ぬ場合もあるのであまり使わないようにとよく怒る。なのでママンの前ではあまり魔法は使わない。
お掃除は床に水をかけて砂を泥にして、水魔法で綺麗にして脱水作戦である。
(これなんてお掃除ちーと?)
箒で掃いたり、モップでごしごししたり、雑巾の水拭きなんて現代っ子の俺にはやってられないのである。
生活魔法を使う人は、生活魔法のススメにある決まったものしか使わない事が多く、俺のような使いかたをする人は見たことがない。
お客さんの部屋も物を壊したり傷つけたりしないように注意しながら、とっとと終わらせる。
この世界も24時間という時間の区切りまわっている。
宿の時計を見るとちょうど12時に掃除が終わった。
「ゴレアンさーんお掃除終わりました。」
「ずいぶんと早いねぇ。昨日の掃除後を見たからわかるが、坊主掃除が得意なのかい?」
「生活魔法が使えるのです!」
「なるほどね。ずいぶん早く終わったから小遣いをやる。1時間ほど休憩がてらに祭りを見ておいで」
そういって銅貨を1枚くれた
「ゴレアンさんこんなに……いいんですか?」
(昨日の給料に比べるとびっくりだな。祭りで財布のひもが緩んでるのか?)
「宿の掃除には坊主一人じゃ夜までかかると思ってたんだ。休憩後にまたこき使うからその分も入ってんだよ。折角の祭りなんだから好きに使っておいで、何買ったかちゃんと報告しにおいで。使い切れなかったら休憩後に没収するからね!」
せっかくの臨時収入を使い切れと宣告された。
「ありがとうございます。行ってきます!」
「あぁ坊主うちの露店に寄って行きな。あたしから休憩もらったと言えば飯くらい出してくれるから」
これは僥倖!
「いってきます!!!」
人生最大のいってきますを発動し俺は駆け出した。
「こんにちはー」
冒険者宿の露店に顔を出すと、昨日のおっさん連中が肉を焼いていた
(にく!にく!これは勝てる!)
肉体も精神も肉を求めて何かを凌駕している。
「おぅぼーずどうした?こっちの手伝いに回されたか?」
「宿の掃除が終わってゴレアンさんから休憩をもらってきました。ここでご飯をもらっておいでと」
「あのケチババアが休憩?珍しいこともあるんだな」
このおっさんとゴレアンさんの関係は不明だが、ケチババアという単語がゴレアンさんの耳に入ったらこのおっさんの身が危ないって事までは理解できた。
「せっかくだから失敗品じゃなくて商品をやるよ、どうせ売れ残りも出るだろうしな」
この露店は出張居酒屋の雰囲気で、オープンテラスのような形で昼間っからあちこちのテーブルで酔っ払いが出現していた。
串にさして焼いた肉や魚や野菜、普段は見れない肉入りスープ、つまみものになっている干し肉おいしいそうな匂いで充満していた。
「ほらよ、ぼーず」
渡されたのは、大きな葉っぱに大きめのパンと塩焼きの肉がこんもりである。
「うわぁ……ありがとうおにーさん!」
「休憩終わったらこっちの手伝いに来るかもしれないからその時はよろしくな」
「はい!」
夢中で肉を口に放り込む
(やべぇぇ!くされうまいぞ。なんだこれ)
臭味とクセがある肉だったが、肉というだけですでに感動のレベルを突っ切っていた。
そこでふと思い出す。
(ママンに持ち帰りたい……)
不可能ではないが家まで帰るとここから15分はかかる。
普段でそれなのに、この人ごみを抜けて家までとなると往復1時間はかかる。
さらにママンも仕事に出てるため家にいる可能性はほぼない。
帰りにはお土産があるのだ。
(お土産……。お土産……。なにか忘れているような……あ!)
思い出した。昨日間抜けにも鍋を奪われた後、エリーに運んでもらいしかもその後エリーはゴレアンのところへ謝りに行ってるのだ。
詳しくはわからないが、エリーも無傷ですんだかどうかが俺には分からないのだ。前もここでもあの手のやつらは傷が目立たないように暴力をふるうのが得意だ。
俺は銅貨1枚をもらったのだ、これで何か買って食べればいいのだ
そう決めるとかじったパンの端を風魔法で切り落とし、パンの横に切れ目を入れ肉を挟み込んだ。
入りきらない肉は切り落としたパンと一緒にもぐもぐすると、肉はさみパンをそのまま大きな葉っぱでくるみ銅貨の使い道を探して、潜伏を使いながら街の流れに飛び込んだ。
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昨日のように間抜けな事にならないように、範囲探知を使いながら祭りを歩く。
潜伏は気配が薄くなるようなもので確実に消えるわけではない。
しかし、よっぽど注意しなければ気づかれない。
範囲探知はなんとなくで敵意を持ってる相手を感知できる。
イライラしてる衛兵や飢えた野良犬などがどの距離のどの方角かわかる程度。
どのくらいの距離まで探知できるかは謎だが、かなりの殺意であれば相当遠くでもわかる。
殺意とは別に魔力の高い生き物も検知できる。以前見世物小屋にいた飼いならされた魔獣もかなりの距離から魔力の高い生物として識別できた。
祭りの露店はフリマみたいな店から骨董品、食べ物や、的当て、くじ引きと種類は前の世界と似たようなものだった。
【くじ引き屋!一等賞金10000エギラム!一回100エギラム】
(そういえばくそ神の祝福で運をあげてもらったんだよな……)
しかしはずれが何もなしである以上、こんなギャンブルはしない。
そもそも一等が入ってる可能性が低いのだ。初日で一等出されたらくじ引き屋もやってられないしな。
(どうせ最終日に身内に一等ひかせて終わるんだろ?)
前の世界で、控除率という魔法を聞いたことがある3歳児は、くじ引きに興味はわかない。
(食べ物もいいんだけど、普段から昼は食べてないから絶対に必要なわけじゃない。夕飯が普段より豪勢だから、何か残るものを買おう)
フリマなどで見ていると不思議な事に気づいた。
商品を視るとそれがなんなのかわかるのだ。
たとえばコップを見ると
【木製のコップ】
なんとなくだがこれくらいの金額で売れそうだなぁってのもわかる。
ついてる値札はこの籠に入ってる物どれでも1個1エギラムとある。
祭りだし中古のコップの価値はこの程度か。
普段で新品の木のコップを買うと30エギラムだと思うと安いと言えば安い
(これが鑑定効果なのか……)
しばらく歩くと面白い店を見つけた。
【夢のたまご屋どれでもたまご1個100エギラム】
「おにーさんここは何を売ってるの?」
「お?ボースここはな不思議なたまご屋さんだ。当たり外れがあるが、当たりを引いたらすごいものが当たるぞ!」
この世界にはダンジョンがある。
そのダンジョンには不思議とたまごが沸くらしい。
そのたまごは、ダンジョンの瘴気を吸い成長し魔物が生まれる。
吸った瘴気の濃さで魔物に違いが出てくる。
たまごは瘴気を吸うほどに黒くなる。
沸きたてのたまごに魔力吸収阻害の魔法をかけて持ち帰り、外で孵化させると雌鶏か人が使役できる聖獣と言われるペットになる。
発見すぐのたまごでないと魔獣が生まれてしまうのと、外で孵化させるとほとんどが鶏になってしまうためあまり価値はない。
ただそうして生まれた鶏はとても丈夫な雌鶏になり、いい値段で売れる。
聖獣が生まれたら、売るだけで最低でも10万エギラムはするとの事。
「その不思議のたまごは何も生まれない事もあるの?」
「そうだなボーズ。吸収する魔力が余りにも少ないと腐ってしまうこともある。何も生まれないからと文句は言ってこないでくれな。どれでも100エギラムとはあるが、ダンジョンたまご以外にも鶏のたまごや他のたまごも混じってるからダンジョンたまごは当たりだな」
(ふむ……なるほど……60個近くあるたまごのうち、おっさんが言ってるダンジョンたまごというのはわずか4個だった)
「おにーさん。もし僕がたまごを買って何か生まれたら買い取ってくれたりするの?」
「なかなか賢いボーズだな。普段は肉屋だが買い取ってやるぞ。何か生まれたら持って来い」
「わーい。じゃぁ買います!」
真剣に選ぶふりをして卵を3つ選んだダンジョンたまご2つに鶏のたまご1つである
「おにーさん!この3つで迷うんだけどどれがオススメですか?」
猫かぶり首かしげ質問を炸裂させる。
おっさんは少し迷った顔でダンジョンたまごを選ぶと……
「これがオススメだな。これにするか?」
(来た!これで勝てる)
「それじゃ、おにーさんが決めたそのたまご買うので、何かおまけください」
「まいったなボーズ、どこの商人の子供だい?」
もちろん鶏のたまごをオススメされたら「じゃ、これは除いて……っと」の流れでダンジョンたまごを買ってさようならだった。
生まれたものもここには売りに来ない。
「一緒に売ってるたまごホルダーが欲しいのですが、100エギラムしかないのです!」
ウエストポーチのように腰につけて、たまごを持ち歩けるそのホルダーの値段は300エギラム
「ボースそりゃちょっと無理だ。わるいが」
「代わりに僕お手伝いしてるお店があるので、そこでお手伝いしてる間ずっとたまごホルダーにたまごをセットしてお客さんに宣伝します。ゴレアンさんのところなのでお肉とたまごの宣伝もしてきます!」
「っ!ゴレアンさんのところの坊ちゃんかい。こりゃ一本取られた。俺は肉屋のバーツってんだ。ゴレアンさんにはお世話になってるからな。祭りだし仕方ねぇ。いいよどれでも1個持って行きな」
「ありがとうございます!」
「まさかゴレアンさんの坊ちゃんとはな……坊ちゃんいくつだい?」
「3歳です」
「これで3歳とは驚きものだね。将来が楽しみだよコンチクショー」
なにか盛大な勘違いをされてる気もするが、そこは華麗にスルーして子供用のたまごホルダーを装備し、買ったばかりのたまごをセットする。とりあえず手をかざし魔力を送ってみる。
(おぉー吸い込まれてく。これで行けるか?)
鶏が生まれても丈夫な雌鶏である。売り払って差額で儲かる。
(聖獣なんて生まれたらスラムからおさらばできちゃうわ!)
呑気な事を考えながら宿に戻って、ゴレアンさんに報告する。
どうやら銅貨の使い道は試されてたようだが、バーツさんの所でたまごを買ったと言ったら呆れられた。
しかしゴレアンさんの名前をだして、宣伝を理由におまけでポーチにも使えるたまごホルダーをもらった事には驚いてた。
たまごは18~24日くらいで孵化するらしいので、それまで余った魔力を注ぎ込み期待することにしよう。
それから露店の手伝いを任され、内緒でエリーにお昼ごはんを届け、無事仕事は終わった。
祭りの期間は3日間1、2日目は夜遅くまで騒がしい。
夕飯を食べると、持ってきた鍋にお土産をいっぱい貰った。
「坊主、その鍋はウチの鍋なんだからね!明日もちゃんと持ってくるんだよ!坊主がお土産を持って帰る鍋がなくなると困るんだからね!」
カンナムで怖くてケチと噂の女将は意外とツンデレなのかもしれない。
お土産を持って帰ると、ママンとエリーと一緒に女の子グループの保育園に行った。
お祭りでそれぞれ色んな収入があるので持ち寄って食事会だ。
基本的に自分の食い扶持は自分で稼ぐ。
保育園に預けてる人は、面倒を見てる子の分も分も含めて稼いでくる。
稼いで来れなければ子供が奴隷商に売られるだけ。
稼ぎがいいときは同じグループの仲間と分け合ったりもするがみんな日々の生活でギリギリだ。
しかしこのお祭りの期間は違う。どこも人手不足であまり物もたくさん出る
他のグループもスリや窃盗で懐が温かくあまり突っかかってこない。
人が多い時期だからこそ衛兵に見つかって剣奴隷送りも多い時期ではあるが……
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3日間の祭りは終わった。
露店の給仕係は大変おいしい仕事でした。
祭りの雰囲気で懐があったかくなっている酔っ払いからお小遣いをもらい、あまり物のおつまみを貰って持ち帰ると、グループでの食糧持ち帰りぶっちぎり一位だった。
お小遣いは合計で349エギラム貰った。
女の子グループに持ち帰って山分け対象に入れるのもいいが、貯金も大事。
持ち歩くには危険だし、隠しておくのも考えたがここは預金することにした。
祭りが終わった次の日はおやすみにしようというエリーの意見で、休みになったので銀行に来た。
そう、この世界には銀行があるのだ。
正確には両替商。しかもこの両替商(今後銀行と呼ぶ)は国を超える力を持つ。
莫大な資金も持った銀行は国を揺るがす力を持つ。国ごとに決まった貨幣がありその貨幣の為替も行っているのだ。さじ加減ひとつで国の貨幣なんてただのゴミになる。ある一定以上の貨幣は貴金属としての価値が残るが元の価値ほどではない。エギラム銀貨もたいして大きくもなく、純度もあやしいものだ。
そしてこの銀行はなんと口座の開設がカンナムの支店だと100エギラムとサインだけで誰でも作れる。
開設手数料は国や街によって違うが首都以外ではほぼ無料である。
しかしこの銀行はこれまたひどい商売である。管理手数料と謳い預金額の10パーが毎年引かれる。預金額が多くなるほどに手数料は下がる。
個人で複数の口座を持つことは可能だが、上記の理由で複数持つ人はあまりいない。
「こんにちはー。口座を買いにに来ました!」
「あら。小っちゃいボーヤいらっしゃい。今日はおひとりですか?」
「はい!お小遣いを貯める口座を買いに来ました。」
「ふふ、講座は銅貨1枚とお名前が書けないと売れないの。大丈夫かしら?」
「はい!大丈夫です。」
「はい、じゃぁこちらにお名前と年齢と職業……はいらないわね。最後ここにサインって言う自分のマークかお名前を書いてね。」
「はい!」
(名前は……リョウで3歳……職業は書かなくていいらしいからサインは【涼】でいいな……よし)
「できました!」
「はいはいそれじゃえーっと……あら?このサインは同じのを何度もかけないとダメだけど大丈夫?」
「大丈夫です!」
この世界の紙は現代に比べれば荒い紙だが、サインの識別にも対して問題はない。
「それじゃ、登録料の100エギラムと預金額をここに載せてください」
銀色のプレートに全財産の349エギラムを置くと紙と一緒に奥に持って行かれる。
戻ってきたプレートにはいくつかの指輪が乗っかっている。
「これがあなたの口座記録用の指輪よ。指にはめて気に入ったのを1つ選んでね」
(気に入るも何もデザインも何もないじゃん)
シンプルなシルバーの指輪のうち左手の人差し指にあうサイズの指輪を選んだ。
「これにします!」
「はいわかりました。じゃぁこちらの紙にもう一度サインを書いてください。これからお金を出すときは指輪とサインが必要になります。預けるときは指輪だけで大丈夫ですよ。」
「はい!」
サインをもう一度書くと残った指輪のプレートと共に渡す。
「毎年空の日の1日目に預金額から計算したいくらかが引かれます。指輪はなくすと再発行に1000エギラムかかりますご注意ください」
他にも細かい説明をされたが、適当にうんうん答えて聞いていた。
ちなみにこの世界の月は4つ空、海、川、山である。
それぞれが90日の1年360日である。
1年ごとに5日づつ季節がずれるんじゃね?と思ったが、ここが異世界という事を思い出して考えるのをやめた。考えてもわからないことは忘れるのが一番である。
なお空の月から春夏秋冬の順番で新年は空の月1日である。
この日に世界の人は1つ歳をとる。生まれた時は0歳。空の月1日で1歳である。誕生日を祝うのはお偉い王侯貴族様くらい。他はみんな新年と共に祝うだけ。
余談だが俺の誕生日は空の月12日である。別にプレゼントとかはいらない。
断じていらないが念のためもう一度言っておく。
俺の誕生日は空の月12日である。別にプレゼントとかはいらない。
念力とか超能力で異世界チートできる物とか送ってもらっても嬉しくないが迷惑ではない。大事な事なので2度言っておいた。
余談おわる
「ありがとうございました」
預金額が249エギラムの指輪をポケットに入れ帰宅する。
サインと併用でないと使用不可である以上、指輪の盗難なんてほとんど意味がないのだ。それでも再発行に1000エギラムかかるので奪われて900エギラム寄越せ!などという小悪党もいるので、基本は指に付けず隠して持ち歩くことにする。スラムの子供は100エギラムで3食食べられるのだ。大金である。
復活、復帰の為に読み返してたら、誤字脱字、修正箇所が多くて泣く
各話修正加筆なう