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セキロム君お仕置きタイム!

修正加筆済み 2018/01/08

「さて…いくか…」



誰もいない寮の部屋でつぶやくと2本の魔法剣を大事に腰に下げ、準備を整え、部屋を出る。誰もいないとは言ったが犬2匹ならいる。

ジークハルトと遊んでるうちの犬が、もしかしてジークハルトを食っちゃわないかと心配になり、餌を多めにおいていく。なんかジークハルトも食ってるが、まぁいいだろう。お前が食いすぎて犬がはらへったら君が餌になるだけさ。


不謹慎な笑みのままダンジョンに入る。

予定道理ソロで一日、目標5階層までだ。


闘技祭の結果と前回潜ってるという事で、何も言われることなく入れる。

今潜ってるダンジョンPTを確認しておいたが、幸いな事に現在10階層以下の目標設定PTはいなかった。幸先がいい。


逸る気持ちを抑え3階まで滑るように行く、2階行き魔法陣もすぐ見つかり、飛ばされた場所は3階への階段までを知ってる場所だった。


可能な限り周囲索敵と潜伏で魔物を避け、時間がかかっても遭遇しないように4階への階段を目指す。


4階の階段に着くと合格証が置かれているのを見てパラルの無骨な優しさを思い出し、少し胸が苦しくなる。

(これから俺がやろうとしてることは、きっと彼らが望まないことだ…)


階段が見える位置に来ると潜伏を使い、ひたすら待つ。

目の前を通る魔物はこちらには気づかない。


あとは夜中になり俺の救助・・PTが来るのを待つだけだ……








薄汚い魂を持った救助・・PTを……

-----------------------------





時計がないので時間はわからないが、腹のすき具合的にもう22時は過ぎているだろう。


周囲索敵に今日何度目かの人間反応がきた……

3人だ。こんな遅い時間に3階に降りてくるのは救助・・PTしかいない


先に入っていたPTと後から入ってきたPTはすべて数え、3階が目標だったPT以外はすべて俺の前を通って帰っている。


もうこの先、4階以降に生きてる人間はいないのだ。


目の前を通るセキロムとガロンに襲い掛かりたくなる衝動を抑え、ルーアの階段1歩めを注視する。


ルーアは一段飛ばさなかった。つまり奴らは救助・・PTとして入っている。



救助PTはその特性上、緊急事態を要する可能性があるため、ダンジョンの申請は不要である。夜になると第0寮の周囲の見回りはいるが、ダンジョンの入り口を監視する者はいない。

夜中になると入口からだけでなくダンジョンの周囲でも魔物が湧くからである。目撃情報によるといきなり黒いたまごが湧き、魔物が生まれるらしい。


むしろ昼間の入り口の管理は、入場管理より出てくる魔物の討伐の方が大事なのだ。






潜伏のままゆっくりと跡をつける。何度も下層に行ってるからかルーアは迷うことなく最短距離で階段に進む。


途中何度かトラップを引くが、持ち前の素早さで避けていた。

出てくる魔物はルーアとガロンが倒し、2,3匹出ると消費媒体のようなものを使い、セキロムが殲滅していく。


5階の階段を降りさらにルーア達は進む。

魔法でしか倒しにくい魔物が出てきて、セキロムの出番が増えると、とうとう文句をいいはじめた。


「お前の鼻は確かか!?もう5階は通り過ぎたぞ!!」


「でも階段の先に匂いがあった…間違いなくこの階には来てるよ」


「っち!もういい先に進むぞ、とっとと追え!」


俺は罠も敵も排除してくれているPTの後をついて行くだけである。


進むときは前衛にルーア、中衛にセキロム、後衛にガロンである。

戦闘が始まるとガロンが前に出て、セキロムは魔物によっては魔法を使う。


そしてとうとう俺は行動に出た。

スティールを意識するとどこに何があるのかがなんとなくわかる。

お目当ての物は3個。セキロムしか持っていないようだ。


ばれないように慎重に後ろからスティールを使い、すべて俺のポーチにしまいこむ。他にも計画の進行に邪魔なものを探したが、1つを除いて無いようだ。


最後の一つはまだ持っててもらわないと困る。


そのままPTはサクサク進み、10階に降り、11階の階段を見つけた時。


「ルーアいい加減にしろ!!基礎教育のガキがこんな階まで一人で来るか!!!」


「でも、でも匂いは階段の先だよ!?」


「セキロム先輩、あいつ闘技祭でも高等魔術使ってたし、今はあの魔法剣も先輩の装備も持ってるんですよね?……運が良ければ…」


「くっそ!!!これ以上はお前らとじゃきつい。ここで待ち伏せする!ルーナ!匂いが近づいたら教えろ!飯を作れ!!!」



その瞬間、潜伏のままガロンを追い越し、セキロムからスティールした結界球を落として割る。

隣にいるセキロムにスティールして消費媒体を盗るとそのまま蹴り飛ばす。


左手に羽を持つと無属性の弾丸を作りだし、ガロンを壁際まで吹き飛ばす。

ガロンに駆け寄り武器を奪い縛り上げる。


ポカーンとしてるルーアにも縄を投げ、縛り上げる。


「な、なんだお前どこから…どう言う事だ。ルーア説明しろ!!これをほどけ僕を誰だ―――」



―――縛られて芋虫状態のセキロムに顔面サッカーボールキックをする。


「うるさい黙れ」


「こんなことをして……ただですむと思うなよ!!」


更に蹴りを加える


「うるさい黙れ」


「た、助けてください……なん――」


しゃべる限り蹴る


「うるさい黙れ」


「……」


黙ってても蹴る


「黙ってんなよ、何か言う事はないのか?」


「ぼ、ぼひゅは……」


オマケで蹴っておく


「何言ってんのかわかんねーや。よし、次行ってみよう」


「お、俺頼まれただけなんだ…ちょっとついてこいって…だから…その…」


やはり、蹴りから始める


「誰がしゃべっていいと言った?」


「……」



「黙る前に言う事があるだろ?」


「ご、ごべんなざい」鼻血まみれてでガロンが謝る


会心の一撃を入れる。


「何に対して謝ってんのかわかんねーわ」


奪った消費媒体を使い、無属性魔法で弾丸を作り腹にぶつける。

(威力は増すけど操作が大変だな……しかも体外魔力と違ってちょっとコツがいるな…)


「ルーア、セキラムを抱えて俺の後についてこれるか?」


「だ、大丈夫だけどそしたらあたし、戦えないよ?」


「ついてくるだけでいい、罠には気をつけろよ?」


全身金属鎧フルプレートを外し、軽くなったガロンを左肩に背負うと、右手に消費媒体の入った水筒を持ち下に向かい歩き出す。



11階の階段は目の前だ、あと階段2つで13階だ。

自分に気合を入れ歩き出す。ガロンはなかなか大きいが、身体強化を使っているので楽に運べる。その分攻撃魔術に使える量が減るので、魔物を避け、できるだけ安全な道を進む。途中3度ほど魔物と戦闘になったが、消費媒体の無属性弾丸無双で決着。







1時間ほどの道のりで、13階へたどり着いた……

-----------------------------



2個目の結界球を使うとガロンを床に投げ落とす。

ルーアもセキラムを降ろす。


「…起きろ」

そういって生活魔法で作り上げた水を頭からかける。


「ひ、ひぃ許してくれ…か、金なら払う…」


「いくつか質問する。正直にすべて答えれば命だけは助けてやる。いいな?」


「ひゃ、ひゃい」


「1つ、この魔法剣はどこで手に入れた?」


「ひ、ひろったんだ…ダンジョンで!」


「嘘をつくな。俺はこの剣の本当の持ち主を知っている…」


「ひ、ひろったんだ!、パラル達が全滅した次の日に…ダンジョンで!」


「へー?拾った…ね…。ダンジョンで人が死ぬと衣服を残して後は消えるって知ってるよな?…はい、嘘ふたつ」


ボキ、ボキ!……指を2本折る。


「指は10本しかないから残りの回数には気を付けてね。希望すれば目とか耳もカウントしてあげるよ。さぁ続き行ってみよー。あの魔法剣はどうしたの?」


「し、死んだパラル達から奪ったんだ……ダンジョンでは死んだ人間のものは見つけた者の正当な取り分だ!!」


「なるほど…奪ったのね…でも学園には魔物が多すぎて逃げたって言ってなかった?」


「それは…噂だ。学園には魔物は殲滅したと報告している!」


「一応筋は…通るね。俺は嘘かどうか判別する方法はない。でも死んだ人たちは、俺を助けてくれた大事な人なんだ……その分の罰は受けてね」


ドガァン!


無属性魔法の弾丸で無事だった左腕を叩き潰す。もう使い物にならないだろう。


2本の剣を床に突き刺すと目を閉じ、5人の冥福を祈る。

レンとエスメダとガイの遺品は見つからなかったけどごめんね。


「セキラム!必死に謝れ!心の底から謝れ。心がこもっていれば許してやる」


「ご、ごめんなさい」


ボキン


「嘘はよくないねぇ嘘は…。お前の必死ってそんなものなの?指残り2本だよ?」


「ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!」


セキラムは泣きながら、血まみれになりながら額を地面にこすりつけ、謝る。


(パラル、ラウリー、レン、エスメダ、ガイ……こんなところで許してやってもいいかな……?)


「わかった……もういいよ。本気で謝ってるのはよくわかったよ」


「ボ、ぼんどがぁ!?」


「ただ、ダンジョンに漂うロキスウェルとクロウェルの亡霊が謝ってほしいと……よっ!」


ボキンボキン!残る指2本も容赦なく折る。


「ごべんなざい!!ごべんなざい!!!ほんとにごべんなざい!!」


「よかったね指が10本で。9本とかだったら死んでたね!」


「…う!……うぅっ!」


「そいえばどうでもいい話なんだけどさ…」


「っ!…!!?」


「クロウェルとロキスウェルが死んだ日…お前たちの集めた魔物に俺、3階で襲われて死にかけたんだよね…」


「っ!!、ごべんっ」


バズンッ!!
















「ごめんね!指がもうないんだ」


一瞬固まったセキラムは自分の胸を見る。

致命傷というにはあまりにも大きい穴が開いていた。

そのまま前のめりに倒れると、そのまま動かなくなった。


「よし!じゃー次、行ってみよう!」

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