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気づいたらプチ成金!

修正加筆済み 2018/01/08


戦利品を持ち帰り、魔法剣2本を丁寧に棚にしまうと残りのゴミを持って寮の裏に行く。

なかなかいい装備だが自分で使うのは反吐が出る、作り直してもあいつが使っていたと思うと、愛して使えない。

誰かに売り払っていつかあいつの手に戻るのはもっといやだ。

物に罪はないがこれもまた運命だ。悪くもないのに殴られる、壊される、奪われる、殺される…はどこの世界でもあるのだ。


土の生活魔法で穴を掘ると、ゴミを投げ入れ無属性高位魔術で粉々にする。

最後に火で焼き払ってから埋め戻す。

俺はこの世界で後何回燃やして埋めるんだろう……


(あ…生き埋めもいいな……)


そんなことを思いながら次の作戦にうつる。


指笛を吹きヒヨコを呼ぶ、左腕に乗るヒヨコに魔力を注ぎながらお願い事をする。


「イイヨ。ダカラ、ニク、ゴハン、カマッテアソンデ」


その日一日、ヒヨコと遊ぶ、万が一ルーアが裏切れば……

不幸・・が重なれば……俺だって命は危ないのだ。





-----------------------------





翌日、昼頃に学園からの呼び出しで向かうと、もうルーナの借用書が届いたようだ。


借用書はハンガー家から70万借りていたという借用書と俺から70万借りているという借用書が2通あった。


ハンガー家の借用書を見ると金額の上に一覧のように何かが書いてある。


○年山の月○日生活費の貸し付けとして10万エギラム

○年山の月○日返済として3万エギラム

○年空の月○日学費の貸し付けとして40万エギラム


通帳のように増えたり減ったりしているようだ。

同席しているセキロムは忌々しそうな顔をしながら、返済として70万エギラムと書き込む。すると一番下の数字が0になり借用書は"ポッ"と光り燃えカスのようになった。

そしてルーアが俺から70万借りていると書いてある借用書にサインをすると同じく光った。


「これで執行部の仲裁を終了いたします。弁済の履行を確認したので盗難届はこちらで取り下げておきます。……それからリョウさん」


「はい?」


「お預かりした聖獣がとても元気になりました。早くお引き取り下さい。……食費が予想外にかかりまして……」


「あ……すみません。」


そういって銀貨1枚を渡すと拒否された。


「執行部の落ち度もありました、今回は……その予想外に食費がかかりましたが、こちらの責任とさせて下さい。ただし早急に引き取って下さい」


「すみません、この後すぐに行きます」


「用は済んだだろう!!僕は行く!!おい、貴様!僕の装備を売れ、いくらだ、払ってやるよ!!!」


「それじゃ失礼します。ルーアさんはこの借金についてちょっとゆっくり話そう。……来てくれるね?」


ルーアは短くうなずく。


セキロムを完全に無視し、犬を迎えに行く……決してわざとおいてきたわけではない。忘れていたのだ……いや割とマジで。


軽い昼食をとりながら食堂で作戦会議をする。

どこかでコソコソ隠れるより、堂々としてたほうが案外うまくいく。

食事がメインな食堂などでは他の会話などほとんど耳に入らない。

仲間との親睦は大事なのだ。昼飯ぐらい奢ってやろう。セキロムの身ぐるみを剥いだ時、所持金で4銀貨もあったしな!金に罪はない、誰が持っていた物だろうが金は金だ。


食事をとりながら作戦会議をする。


「まず俺はこの食後、魔法剣を持ってダンジョンに潜る。日程は1日で目標階数は5階だ」


「だ、大丈夫なの?」


「あぁ秘策がある。問題ない、大事なのはルーアだ、いいか?できるだけ遅くならない夜ぎりぎり……そうだな…日没を目安にセキロムに接触しろ、もしかした2、3発殴られるかもしれないが我慢してくれ」


「な、慣れてるから平気。それでどうすればいいの?」


「あの後俺に[俺の物になったんだからダンジョンについてこい]と言われた…と言え」


「そ、それでどうしたらいいの?」


「私はは断った。命の危険性がある場合は強制できないからな。結局あいつは魔法剣2本とセキロムの装備を持って一人で入った。と言え、日程と目標階数も必ず伝えろ」


「わ、わかった」


「それとほぼ間違いなくガロンを連れてくるはずだ。ルーアも5階なら来れるんだろ?」


「一人は怖いけどガロンがいれば何とかなる。でも……カチュアが斥候役だから…」


「カチュアは呼ばせるな、絶対にだ。いざとなったら匂いを覚えてるから跡を追えるとでも言って3人で来い」


「でもセキロムがダンジョンに行かなかったら?」


「そこは問題ない……問題は夜中に来る事が最優先、セキロム、ガロン、ルーアで来ることが大事だ」


「わ、わかった」


「いいか?夜中に入ってこなかった場合、4階に降りる前の階段を1段飛ばして降りろいいな?」


「な、なんで?」


「いいからそうしろ。3人で入った場合は、匂いを追いかけてる振りして、真っ直ぐ進め。5階で止まらず行けるところまで行け…いいな?」


「う、うん」


「もう一度確認する……」


-----------------------------



お互い把握ミスが無いように細かいところまで打ち合わせる。しかしこーゆー時はたいていその場の機転が大事になるのだが。


「二人をダンジョンでどうするの?」


「……知らなくていいことだ……と言いたいが、仲間だもんな、教るよ。謝罪させるんだよ。それだけさ」


「それだけの為にダンジョンに?」


「あぁそうさ、脅しがないと素直に謝れないらしいからな。ガロンにも闘技祭で殺されかけたしな。一言謝ってもらわないと…」


「なるほどね~、わかった。」


「万が一何かあったらルーアはセキロムを抑え込んでくれ、俺はガロンを抑え込む」


「わかった。でもセキロムは消費媒体持ってるよ?即発動されたらまずいかも……」


「そこは何とかする。じゃ…後でな……」


「うん」






席を離れると寮に向かって歩き出す。この先は神のぞ知るのだ。

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