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ダンジョンとかソロでも余裕っす!

修正加筆済み 2018/01/08

あのダンジョンに潜った日から寝ても覚めてもダンジョンの事ばかり考える。

魔宝石が出ればかなり稼げるし、学園の外から来ている商人の販売所の鉄や革は高いのだ。

寮の近くにでる魔物は生活魔法でも倒せるし、最近筋力もついてきた。


もらった装備で作ったナイフと篭手もあるし、3階くらいまでなら平気だろう!


そう決めると講義がない日、基礎体力の出席を取り、ダンジョンへ向かう。

ダンジョンに入る際はPTのメンバー、日程、目標階数を書いていく。

基礎教育生が一人で入るので止められたが、指輪の到達階層と教養、生活魔法の授業免除があったため、日程を日没までという条件で許可が出た。


死んだら終わりなのだ、無理するつもりはない。


自分の名前を書き、日没まで、目標階数は3階に設定しダンジョンに潜る。


高位魔法はあれから3個同時に球を出せるようになりより5cmほどの長さの紡錘形になるように練習していた。今は回転を加える練習中である。


地下1階では体外魔力があるので魔物を見つけると高位魔術の練習台にしていった。

数発刺さると霧になり、地味に魔法無双である。

2階への魔法陣を見つけると装備を今一度確認し、深呼吸してから潜伏を使い魔力を流す。



周囲索敵を使い潜伏をしながら安全そうな道を選び便利な棒で怪しい所は突く。できるだけ回り道をしながら魔物は避け、3階に降りる。

何度もソロで潜るシュミレーションをしていたので無理はしない。


隅々まで調べるようにして宝箱を探す、魔物からの素材のドロップが2つと空っぽの宝箱しかなかった。


4階に降りようかどうしようか迷っていると4階に降りる階段から一人のローブを着た生徒が飛び出した。


後を追うように階段から次から次に魔物が湧く、ざっと見ても20以上はいる。しかもどんどん増えてる。

ローブの男は右の通路の方に行く


「おい!ダメだそっちは行き止まりだぞ!!」


思わず反射的に叫んでしまった。


一斉にこちらを見る魔物達。

見たこともない魔物も混じっている。


(やばい!!)


思わず2階の階段めがけて走り出す。この階はすべて探索済みだ。階段への道もマッピングしている。

周囲索敵を使うと後方から追ってくる数えきれない大集団!

最悪な事に前方に魔物が2匹……


(倒せなくはないがこの2匹を倒す間に追い付かれる!!!)


後方の集団に追い付かれたら2秒でミンチは確定である。


(くそがぁぁぁぁぁ)


思わず横の小部屋に転がり込むと潜伏を使い息をひそめる。


(トレインとかやってねぇよマジで!ゲームでもないのにMPKってなんだそれ!!)


トレインとは敵を引き連れ逃げ回る事で、遭遇して狙われたり、逃げてる本人がそこで死ぬことで周りに災厄をもたらすMMOなどでは嫌われる行為である。


MPKとはモンスタープレイヤーキラーといい、トレインや戦闘中いきなり転送で逃げたりして他人にモンスターを押し付けプレイヤーを殺すことである。トレイン同様、非常に嫌われる行為である。


潜伏がばれればミンチ確定。生き残る手段はない。

心臓がバクバク鳴り、汗が止まらない。


今まで潜伏を人にも魔物にも見破られたことはないが"絶対"ではないのだ。


周囲索敵をしていると魔物達は徐々に部屋から離れていく。


(あっぶねー助かった……)


緊張が解け思わず壁に寄り掛かる。




カチッ 




「へ?」



思わず横っ飛びに回避する。今までいた場所の上から大きな石が落ちてくる


ドゴン!!


周囲索敵で散っていた魔物がこの部屋めがけて集まってくる。



「やばいやばいやばいやばい!!!」


風魔法で天井に張り付くか?…いやダメだ。見たことない魔物がいる以上、攻撃が届くやつがいるかもしれない。



「どうするどうするどうするどうする!!!!!」


何かを部屋の入口の向こうの廊下の壁にぶつけてそっちに注意が言った瞬間入口の横で潜伏だこれしかない!


注意がこっちに向いている以上潜伏が無理なら一瞬でもいいから注意を逸らそうとポーチからさっきの魔物の素材を漁る



ふとここで起死回生のアイテムを見つけ出す。

















「金より命だ!バカヤロー!!!!」


そう言い放ちアイテムを叩きつけた。




そう……ダンジョンに潜った際に返却を忘れていた結界球である。

本来3銀貨で購入するのだが、講習などでは貸出制になっており、使用した場合のみ支払うことになっている。もちろん貸出なので講習後は返却である。


返すのをうっかり忘れてポーチに入ったままだったのだ。


張られた結界に魔物が攻撃をしてくる。

絶対に壊れないと聞いてはいたがめちゃめちゃ怖い。

魔物は減るどころかどんどん増えるし、小さい部屋の中央で結界に守られ周りは囲まれている。

24時間以内に助けが来なければ終わりである。


弱いPTが来て巻き込まれたり、救助隊が返り討ちに遭わない事をひたすら祈りながら座り込むしかなかった。



-----------------------------



周囲索敵をしていると範囲内に5人ほどのPTが来た。

体感時間的にはもう夜中だ。

夜中のダンジョンの入場は救助隊以外認められてないのでおそらく救助隊だろう。



ガンガン!


大きな物音がし魔物が何匹か部屋の外に出る。


「おーい!誰かいるか―!!生きてたら返事しろーー!!」


この声はパラルである。間違いない。


「パラルせんぱぁぁいこっちです!!結界球を使ってますが周囲に30ほどの魔物がいます!!見たことがない奴もたくさんいます!!」


「っ!!ラウリー、ダメだやっぱり下層の魔物が混じってやがる!レン範囲魔法いけるか?」


「3分くらいかかるけどいけるよ!」


「ラウリー前線を3分抑え込むぞ。レン!行けるようになったらあの小部屋中心にぶっ放せ!リョウ!絶対に結界球解除すんなよ!骨も残らねぇぞ!!」


「はい!!」


「リョウ君!もう少しだからね!我慢してね」


「ガイとエスメダは前線から漏れた敵を潰してくれ。いくぞ!」


それからはあっという間だった。約3分後に鼓膜が破れるような大爆発が起き、しばらく戦闘の音が続くとラウリーとパラル、そして杖を持った少年とスタイルのいい女性と斧を持った青年が部屋に入ってきた。


「リョウ、もういいぞ結界球を解除して……」


中央の結界球のコアを踏んで割ると結界が解除された。


無言でパラルは無言で近寄るといきなりぶん殴ってきた。


「テメェーは何してんだ!!!一人でダンジョンに潜りやがって!!死にてーのか!!!!?」


「パラル、お説教は後だ、今は時間が惜しい。」


「っち!リョウ!何があった。なんであんな下層の魔物が3階にいてお前が囲まれていた!?」



4階からローブを着た人が出てきた所からできるだけ詳しく説明した。


「エスメダ、レン……頼む」


「…はいよ」「うん……」


エスメダと呼ばれたスタイルのいい女性とローブを羽織った少年が部屋から出るとしばらくして戻ってきた。


「パラル、間違いなくロキスウェルのローブだった。装備品はすでになかったよ。」


「っち!魔物に食われたか…あの数なら仕方ない…リョウ!この階に来たのは一人だったか?間違いないな?」


「一人だった。魔物に追われてて行き止まりの方に逃げるから思わずダメだって叫んじゃって……それで…」


「なるほど……どうする?パラルいったん引き揚げるかい?」


「いや…奴らが生きてる可能性があるなら時間が惜しい。魔物に殺される前に俺がぶっ殺さないと気がすまねぇ」


「でもどーするんだい?あたしはこんなぼうや連れていくのは危険だと思うよ?」


「いや…こう見えてリョウは罠の探知も敵の探知もエスメダ以上だ。少し前にラウリーと3人で5階まで潜ったが罠には一つも引っかからないし、不意打ちも一度もなかった」


「あたしに対するあてつけかい?」


「違うさ、それだけリョウが優秀だって事さ、なにより3階まで基礎教育の1年がソロで来てんだ。大丈夫だろう。おい!リョウ。俺たちが上まで送ってもいいが救助費がかかるぞ?まだこの先にお前がこんなことになった原因のPTがまだ生きてるかもしれないんだ。俺らはそれをぶっ飛ばしに行く。今ならその通りがかりって事で救助費はとらねぇ。どうする?」


「じ、自分で戻れます」


「相変わらず甘いねぇ……パラル」


「だね!」「だねぇ…」「だな!」


「うっせぇ!リョウいいか、戻ったらこのことは黙っておけ。魔物数匹に囲まれて慌てて結界球を使って寝てしまった。起きたら魔物がいなくなったので出てきた。そういっておけ」


「それパラルの昔の出来事じゃないか。」


「うっせぇ!ばらすな!救助費ってのもなかなか馬鹿にならないから。結界球の代金は大丈夫か?」


「なんとか…なります」


「まぁいい。進級までに何とかならないならダンジョンに稼ぎに連れてきてやる。よし!じゃぁ俺たちは馬鹿をぶっ飛ばしに行く。リョウ、寝る前に歯磨けよ」


「はい。ほんとにありがとうございました!!」


「リョウ君、帰ったらお説教の続きだからね!とりあえず無事でよかった。でも未帰還PTの名簿を見てパラルったら血相変えてメンバー集めたんだよ。久々にいいもん見れたよ!」


「うっせぇ!俺の目的はあれだ!糞貴族の救出費目当てだ!こんなやつオマケだオマケ!!」


「それにしちゃぁずいぶんとあたしに2、3階の捜索頑張らせたわよね!」


「うっせぇ!リョウ!てめぇもニヤニヤしてんな!!さっさといけ!!帰ったらぶっとばすかんな!!」


顔を真っ赤にしたパラルとメンバーにお礼を言うと慎重に外に向かっていった。30分ほどで外に出るとダンジョンの受付で帰還報告を書いた。


夜になるとダンジョン前の見張りはいないのだ。

すでに22時を過ぎ夕飯なんてなかった。


保存食の干し肉と固いパンとスープで夕飯を食べると、静かに部屋に戻りベットに潜る。




調子に乗るのはやめよう……高位魔法が使えて潜伏と周囲索敵があるとはいえ俺はまだまだだったのだ……

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