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ヒヨコ爆裂覚醒!

修正加筆済み 2018/01/08

今日はビーストテイマーの体験講義である。

年間を通じて行われ3銀貨がかかるうえに、ダンジョンたまごからの聖獣を狙うか魔獣の子供を学園から買わないと受講ができない。


聖獣はテイマーとの一定以上の信頼性と成長がないと覚醒ができない。

覚醒とは特殊魔法陣による聖獣の意識の呼び起こしらしい。

覚醒して初めて聖獣は聖獣と呼ばれ、簡単な人語を理解するようになり、しゃべる事も可能になるようだ。

しかし覚醒前の聖獣は普通の獣と区別が付きにくく、プロでも判断を誤る事があるらしい。なので学園では聖獣そのものの販売はしていない。

野生で生きる聖獣もいるため、ダンジョンたまご以外からの聖獣も存在するし、聖獣確定できるのはダンジョンたまごだと確定したたまごから孵化を見守って生まれた場合のみである。


一方魔獣は生まれた時点で角があったり羽があったりするので、子供が見ても魔獣だとわかる。幼い頃から人の手で育てられた魔獣は非常に大人しく、育てれば強力な兵器にもなる。


戦争に赴く指揮官クラスの貴族は自らの聖獣か魔獣を使役することを非常に好む。魔獣の子供も安くはないのだが高すぎもしない。病気の無い聖獣と比べ、幼い頃は体が弱く、大きくなると人に勘違いされ討伐されてしまったりもする。


聖獣にしても魔獣にしても金がかかる生き物なのだ。

体験講座に出るのは予算の問題からもほとんどが貴族である。

貴族以外も商人や裕福な平民、学園で荒稼ぎした高等学生だ。


「はーい。全員注目!ビーストテイマーの講義は空の月の間はすべて体験講義だ!海の月までに聖獣、もしくは魔獣を持たない者は受講不可である。聖獣がいい者はそこのたまごを好きなだけ買って行け。1つ1000エギラムだ。すべて学園が保証するダンジョンたまごだ。魔獣がいい者は隣の部屋に行け5000~3万エギラムで売っている。聖獣、魔獣を持ち込んだ者はこちらの部屋に来い。それと持ち込んだ者にあらかじめ言っておくが聖獣と名前を付けた獣であっても私には見抜く術がない!確実に聖獣が欲しければたまごを常に持ち歩け。雌鶏は学園が500エギラムで買い取る。以上!」


ほとんどの生徒がたまごに群がりあっという間に売れていく。

何人かの生徒は隣の部屋に魔獣を見に行った。


聖獣、魔獣持ちの生徒は約50人

半分以上は今年入学の貴族だ。みんなそれぞれ動物の入った檻を必死に運んでいる。何人かは羽の生えた猫を肩に乗せてたり角のある犬を横に連れている。


「まず去年から引き続きの諸君。君たちは受講料を払い海の月からの受講に参加したまえ。以上、解散!」


「「「はい!」」」


20人程度が返事をすると講師に封筒を渡し部屋から出ていく。


「さて新入生。君たちの番だ。魔獣持ちの者はこれから私が出す命令を3つ実行させろ。それができれば受講料1銀貨サービスしよう。ダメなら3銀貨払って海の月から参加するか、受講はあきらめたまえ。では一人づつ行く」


結果は全敗である。全員3銀貨支払うと檻を引きずって部屋を出ていく。

講師は全員に海の月までにそのみっともない檻から出して連れてこいと告げた。


聖獣持ちとして残ったのは俺を含めた5名である。もちろんアルベルトもいる。


「聖獣持ちは聖獣と共にここに入り聖獣に話かけろ。一定以上の信頼と聖獣の成長があれば魔法陣が光り聖獣が人語を理解する。覚醒できれば受講料1銀貨サービスに加え合格判定もやる。講義の参加は自由だが、しっかりとしたビーストテイマーになりたければ参加をオススメする」


コツコツと講師が杖の石突きで床を叩く。すると魔法陣が床に浮かぶ。


色々怖くて視れないが、あんまり聖獣っぽいのはいない。そもそも全員檻の中である。信頼も何もあったもんじゃない。


3人まで撃沈し4人目のアルベルトの番になった。


「ジーックフリぃぃぃトぉぉぉお。っ返事してくれよぉぉ」


「無駄だ!次が最後か…ん?聖獣はどうした?」


「へ、平民が聖獣なんか持ってるわけないさ!オレ様はジークフリートを捨てたりしないぞ!あきらめるんだな!!」


「呼びますから、ちょっと待ってくださいね」


窓を開けると左腕に魔力を集中し、指笛を吹いた。しばらくすると…


「ピュロロロロロ」と乾いた鳴き声をだしながらヒヨコが左腕にとまった。


そのまま魔法陣に入るとヒヨコにつぶやく


「今日の朝飯、何喰った?」


次の瞬間魔法陣が金色に光る。


「ネズミ!」


「お?ワシの聖獣か!鳥類の聖獣はいいぞ。即戦力になる。索敵にも伝令にも使えるからな。……名前はリョウか…受講料1銀貨免除だ。覚醒したので合格判定もだそう。授業にはできるだけ来い。聖獣の扱い方を教えてやる!」


「はい」


「マスター、ハラヘッタ。ゴハン、ヒマカマッテ」


「とりあえず飯は自分で獲ってこいよ」

魔力をいくらか流し込むとヒヨコは嬉しそうに目を細め、飛び立って行った。


「しかしずいぶんと大きいワシだな……生まれて何年になる?」


「3歳の時露店で買ったダンジョンたまごから生まれたので、えーっと7年目ですね」


「7年かそりゃ立派になるわけだ…普段から放し飼いか?」


「えぇ地面に降りるのが嫌いなようで、もっぱら木の上か空にいますよ」


「そうか……久々に立派な聖獣を見て興奮してしまった。譲る気とかは……」


「全くないですね」


「そうか…残念だ……あの立派さなら500万でも買い手は出るだろうに…」


「そんなにするんですか?」


「鳥類の聖獣は人気だからな。ツバメや雀よりも鷹やワシの方が人気は高いな。竜やワシは貴族の紋章にもよく使われるしな」


「な、なるほど…」


「お、おいそこの平民!さっきのワシをオレ様に売れ!金なら父様に頼めば出してくれる!」


「いいよ…これくらいなら」


そういって右手で5を表すパーを見せる。


「500万か…いや5000万か!?」


「5000億だよ。5000億で売ってあげる。どう?買う?」


「きっさまーなめてるのか!?」


「俺の相棒がたった5000億で買えるんだ。お買い得だろう?それに君には立派な聖獣がいるじゃないか……えっとキャメロンだっけ?」


「違う!ジークフリートだ!いつかオレ様のジークフリートで泣きを見せてやる。覚悟しとけよ!」


「どうでもいいけどその犬ちゃんとしつけしろよ?勝手に俺のベットに乗ったりしたら窓から放り出すからな。魔物に食われても知らないぞ?」


「オレ様のジークフリートは強いんだ。魔物なんかに負けるか!!いくぞ!ジークフリート!!」


そういって檻を頑張って抱えて部屋を出ていく。なんともしまりが悪い。


「貴族ってみんなあんな感じね…」


「心中察します……」


受講料の2銀貨を支払うとこの日はもう何もないので、基礎体力の講義に参加する。

この講義は毎日全時間開催されており常勤講師が交代制で担当している。学年ごとに指定される内容をこなすと出席扱いになり年間で必要出席数が足りていれば合格になる。

1年次で合格しても2年次は別な内容になるので毎年受講し合格がもらえる。ほぼすべての生徒が受講している。


今日のノルマを終わらせると出席確認をもらい寮に帰る。


ジンは学園の依頼で駆け回ったり、アルバイトに参加して忙しいようだ。

アルベルトは別な寮の貴族派閥と仲良くやってるようで夕飯頃まで帰らない。俺は寮の近くでヒヨコと遊び、身体強化や生活魔法の練習をし、帰ってたジンと合流し夕飯を食べ眠る。





(こんな楽しい日がずっと続くといいなぁ…)

お気に入り登録、感想ありがとうございます。

嬉しすぎて間違えてパスタにカレーのレトルトをかけてしまいました。

どうしてくれる!!

だけど意外とうまかった

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