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第0寮に入寮!新たな生活!

修正加筆済み 2018/01/08

第0寮の建物に着くと暑苦しいおっさんの出迎えを受けた。


「よく来たなひよっこ!ここは栄えある幸運の寮第0寮だ!歓迎する」


「「は、はぁ……」」


「声が小さい!挨拶!!」


「「よ、よろしくお願いします!」」


「それでいい!俺は第0寮の寮監!常勤講師のバメロス・クリケットだ!担当講義は基礎体術と剣術だ。強くなりたかったら俺の講義を受けろ!いいな!」


「「は、はい!」」


「いい返事だ。それぞれ各自の部屋に行き荷物を整理しろ!17時に食堂で歓迎会と、この寮のルールを説明する。部屋は各部屋3名だが棚とベットは早い者勝ちだ。外は危ない、勝手に出て死んでも責任はとらん。以上!」


「「はい!」」


学園から支給された荷物を抱えたままちらりとジンを見る


「……早い者勝ちだとよ…文句はないよな?ジン」


「いいけど……僕結構脚には自信あるよ?」


「じゃぁ…いくぞ?……よーい……」

そこまでいいかけ走り始める。


「あ!ずるいよリョウ!待ってよ~!!」


この世は弱肉強食である。友だとはいえ簡単に信じてはいけない。


-----------------------------


「はぁはぁ……ずるいよリョウ」


「俺が話してるうちに走り出せばよかったんだよ。こっちのベットは頂きだな!」


8畳ほどの部屋の両端に2段ベットと普通のベットがある。

もちろん普通のベットを頂いた。

もう一人のルームメイトはまだのようだ。早いもの勝ちだと言っていたので構わないだろ。あまりうるさいようだったら3人でじゃんけんでもすればいい。


部屋には時計があるので17時までジンと荷物整理をしながら楽しくおしゃべりをしていた。そろそろ食堂へ行こうか……とジンと話していると…


ガチャ


「ん?貴様らがこの偉大なるオレ様と同室の者か?」


すでに嫌な予感がする。


「オレ様は偉大なるフォブスリーン伯爵家の長男。アルベルト・フォン・フォブスリーンである。偉大なるオレ様と同じ部屋になったことを感謝するがいい」


「へ?」


「失礼だな貴様達、こちらが名乗ったのだから貴様らも名乗れ!」


「ぼ、僕はジン。苗字はありません。よろしくお願いします貴族様」


「うむ…平民か……よいオレ様を呼ぶときはルームメイトとして特別にアルベルト様と呼ぶことを許可しよう!貴様の名前は?」


「あ~、俺はリョウ。同じく苗字はない。よろしくなアルベルト」


「貴様も平民か…しかしオレ様を呼ぶときは様をつけろ様を」


「ここは学園だろ?生徒である以上みんな平等って聞いたぜ?」


「リ、リョウ……」


「たとえ学園でも貴族と平民の隔絶した差は埋まらん。謝れ。今なら世間知らずという事で許そう」


「自分が悪くないのに謝るなってのが死んだばっちゃんの遺言でね。悪いけど無理だ!…ってか17時に遅れる、ジン行こうぜ。アルベルトも急がないと遅れるぞ」


そう言い残しジンと共に部屋を出る。


「だ、大丈夫かなぁ?リョウ貴族様を怒らせちゃいけないよってお母さんに言われてるんだ…」


「怒らせたのは俺だろ?ジンは平気さ。あーゆー奴らは下手に出ると調子に乗るんだ。最初にガツンと言っとかないとこの一年がつらいぜ?」


第0寮は2年次に上がる際、他の寮への移籍が可能である。

逆に他の寮生は第0寮にのみ移籍が可能である。


基礎教育2年次及び高等教育の第0寮生は魔物を倒して金を稼ぐ貧乏学生と言われるが、その反面魔物を倒して生活していける屈強な部分もあり学園では恐れられている。


食堂に着くと少し遅れてアルベルトもやってきた。

こっちを見るとあからさまに睨み付け、離れた席に座った。



「諸君!!今年も才能あふれる少年がこの第0寮に入寮した!今年こそ闘技祭、ジュビリー祭両方勝つぞぉぉぉぉ!!!」



「「「「「おぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」


「それではかんぱぁぁぁぁい!!!」


「「「「「かんぱーーーい!!」」」」」


この世界では15歳から飲酒が可能だがもちろんお茶である。


「飯が食い終わった新入生は順番に呼ぶ。呼ばれた奴は寮監室まで来ること!」


「「「はい」」」


「声が小さい!!もう一度!」


「「「「「はい!!!」」」」」


「まずは…リョウお前からだ……喰うの早いな」


「特技です」


「まぁいい、ついてこい」


部屋に入ると寮監は机をごそごそして、封筒と一冊のノートそして指輪を渡してきた。


「封筒には今年のお前の持ち込み金が入ってる。ここで確認してくれ。後で足りないとか言われても俺は知らん」


中を見ると確かにエギラム銀貨が10枚入っている。


「大丈夫です」


「このノートは今年学園で開かれる講義の一覧だ。明後日朝までに俺に提出しろ。わからないことはそこらにいる奴でもとっ捕まえて聞け」


「はい」


「それとその指輪だが…これは第0寮生にのみ無料で配布される。他の寮生は3000エギラム出して購入する物なのだが…うちは特別措置だな。なくすと再発行に3000エギラムかかる」


「なんの指輪ですか?これ」


「この指輪は特殊な魔法がかかっていて、魔物を倒すと発生する瘴気をある程度吸収する。ダンジョンなどに漂ってる瘴気はダメだ。あくまで倒した魔物のそばにいると指輪に吸収される」


「瘴気を吸収してどうするんですか?」


「吸い取った瘴気によって学園から報奨金が出る。まぁ基礎教育のお前らはダンジョンからあふれ出た魔物の討伐くらいだが朝、寮を出たら目の前に魔物がいたって事もあるからな、がっはっは…あっそれとこの指輪はそれぞれの魔力波形を読み取っている。他の奴の指輪を付けても瘴気は吸えないし、換金時他の奴の指輪は換金不可だ。換金は学園の事務室に行けばいつでも換金可能だ!」


(わらいごとじゃねーよ…)


「まぁそんなことが無いように我々講師も巡回はしてるがな、何事も完璧じゃない。慣れるまではルームメイトと仲良くやるんだな!」


「あ~ルームメイトが貴族で偉そうなんですけど、どうしたらいいですか?」


「がっはっは!自分で何とかしろ。ここは平等だ。貴族にも肩入れせんが平民に味方もしない」


「はぁ、わかりました…」


「話は以上だ!食堂に戻り飯を食い終わってる奴を呼んでくれ。消灯は21時だが魔力灯に自分で魔力を注ぐならかまわん!夜中は冗談じゃなく魔物が危険だ、死にたくなければ外には出ないように」


「わ、わかりました。失礼します。」


どうやらとんでもない寮に来てしまったようだ……


食堂に戻ると食事を終えていたジンに声をかけ、寮監が呼んでいると告げる。


席に座りと指輪をはめ、講義のリストを眺めていると上級性がいろいろアドバイスをくれる。


「おうひよっこ迷ってるなら武術系の講義を1つはとることをオススメするぜ!!」


「何でですか?」


「この寮の上級生たちはみんな何かしらの武術系の講義を受けてるから先輩に可愛がってもらいやすい。海の月の半ばにある闘技祭は基礎教育生は武術講義の講師からじゃないと参加申請できないんだぜ」


「闘技祭?…ですか」


「そうだ。学年ごとに生徒1:1で戦うガチンコ勝負だ。燃えなきゃ漢じゃねぇ!!高等教育からは高位魔術が習えるから魔法部門と総合部門に分かれるがな。毎年1年の闘技祭参加者は少ないんだ。優勝だって狙えるぜ?」


「な…なるほど…」


「ちなみに第0寮生は圧倒的に剣術講義を受けてる奴が多いな。なにせ寮監の受け持ちだしな」


「検討してみます」


「ところでお前アルバイトしないか?」


「アルバイトですか?」


「魔物討伐PTの端っこにいる仕事。別に何もしなくていいよ。吸った瘴気の換金額の半分を俺らに払うだけ。身の危険はないし、いい稼ぎになるぜ?」


「…それも検討しておきます。」


「慎重なのはいいこったがあまり慎重すぎるとおいしい話も逃がしちまうぜ。俺は高等2年のギリアンだ。何かあったらよろしくな。え~っと……」


「リョウです。何かあった時はよろしくお願いしますギリアン先輩」


「いい名前だな…よろしく」


そういうとギリアンは他の新入生をスカウトする為に去って行った。


アルバイトにしても何にしても身の危険が少しでもある以上、まずは武器が欲しい。学園貸与の武器はあるのだがナイフ以外の武器の使い方はわからない。


下手に使って癖がつくのも嫌だし、せっかくまともに使えるようになったナイフをあきらめるのも惜しい。あのチートナイフは偉大なのだ。


この学園は治外法権のため、学園内であれば鍛冶講義の生徒や受講済みの生徒に武具の作成依頼は可能である。素材もダンジョンにかなりあり、貸与にないナイフの作成も可能だが、学園から持ち出しの際は国の審査を受け材料、品質に応じた税金がかかる。

高等教育卒業生は2点までの非課税が認められている。

過去にダンジョン深くで見つけた魔宝石を使った杖や瘴気を吸って固くなった魔鉄と魔宝石を使った魔法剣なども作られている。


夢はひろがりんぐなのだ。


まずはナイフに関係する武術の講義を探す。

…ぜんぜん見当たらない。

その中で唯一見つかったのがこれだ。

機体撃きたいげき近接総合格闘術。ショートソードやナイフを用いた対人用格闘術。】講義は4日に一度の2時間受講料は年間で5万エギラム。前年度合格者0。前年度不合格者0。


(機体撃ってなんだ?飛行機でもぶつけんのか?)


今年新設のの講義ではない為去年は受講者が0だったのか……

しかも武術の講義で5万エギラムというのはべらぼうに高い。

10日に1度の休みや長期休暇をカウントすると授業日数は多くても300日。4日に一度というのは75回の講義であるという事。1回2時間だから150時間で5万エギラム


(1時間当たり333エギラムか…そう考えると悪くないな)


他にナイフを使った武術がないのでこれに仮決定した。

講義は一度仮決定し体験講義に出る。その上で生徒と講師が合意した場合、受講料を払い正式にその講義の生徒になる。


普通の講義は常に人員募集状態であり、体験講義も頻繁に開催されるが、人気の講義は空の月に2、3度体験講義を行い、あとは募集もしない。

持ち込み金の半分はきついが稼ぐ方法が無いわけじゃないし、体験してみてダメそうなら他のを探そうと決めた。


(学園長の特別授業で1つは確定だし、後いくつか適当に探してみるか…)






ぱらぱらと冊子をめくると気になる講義を見つけた。

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