表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/112

魔法の真髄に迫る!


飛竜王国の事に関して学園の図書館で調べて分かった事。それは"謎"だった。

調べれば調べるほどわからなくなる。


まず国の大きさに対して、国力というか武力の大きさが異常だ。

飛竜の繁殖法と使役法を唯一持ってるとはいえ、大陸最小規模の国ながら最大に近い戦力を持っている。


同盟や友好国はなく、国というより金で雇われて動く戦争傭兵屋と言った方がしっくりくる。


戦争に勝つためには、まず飛竜王国を雇え。とまで書いてある本もあった。


そして大きな謎は飛竜はどこから来たのか?そして王族はホントに存在するのか?そういった謎に関する本が多いが、望む回答は得られなかった。


飛竜の鱗は非常に硬く、矢や普通の魔法程度はほとんど通じない。

強力なブレスを吐く個体も多く、戦場では千どころか万に匹敵する。

しかも使役主が死ぬとその場で暴れ、討伐までかなりの被害が出るという厄介者。小さい国ならば、飛竜騎兵1騎で充分だと言われる。



ルアが飛竜騎士だという裏付けをする証拠は見つからなかった。学園長に名前を出しても、やはり知らないという答えだった。



しかし奴は戦争を"買った"と言った。エギラム以外の出身である可能性が高い。この国の者であれだけ強く異質なら学園長が知っているだろうし、売られた喧嘩を買った的な意味で言ったのかもしれない。


しかしエギラムに勝つつもりか?という質問に対してありえないという答えを出してきた。考えれば考えるほどわからない。


カナンの人間なのか、飛竜王国の人間なのか、はたまたまったく別の国人間なのか……。




ついでと言ってはなんだが神武帝国についても調べてみた。

歴史の勉強の時にも学んだが、神武帝国はこの大陸でもっとも古くから存在し、唯一大陸制覇を成し遂げた事のある国である。幾度もの反乱を経ながら分裂、独立、併合などを繰り返し、群雄割拠の時代になったが元の国そのものは残っている。しかし飛竜王国と同じく領土は非常に狭い。


しかしペルードと共に完全中立国家として存在している。

過去、その栄光の名を得るために侵略した国がいくつかあったが、その国の名は現在国として残っていない。

すべて滅ぼされている。


この神武帝国は"ある物"を輸出してその輸出のみで国を支え、大陸でも有数の資産を誇る。この輸出品の為に他の国は神武帝国に攻めるどころか、逆らう事すら困難だ。侵略して奪い取れるものでもなく、しかし非常に強力な武器だ。



神武帝国の輸出品。それは情報だ。

大陸中のありとあらゆる情報がここで買えるという。

とある国の王族の隠し子、王族の食事のメニューに国の軍備の規模、軍事演習のスケジュール。ありとあらゆる情報を売っている。


それを可能にするのが、神武帝国の諜報部とロストテクノロジーの数々。

かつて大陸を制覇したこの国は、現在の文明以前の文明の跡地を見つけ、かつての文明のもっとも栄えていた場所を国の首都とした。


現在その首都こそが、神武帝国のわずかな領土そのものである。

有名な冒険者曰く、大陸中の国が一斉に襲いかかってもあの街は落とせないらしい。



冷静に考えてみれば、ダンジョンのワープ機能等も、どう考えても今の文明では複製どころか解析すらできない。

魔宝石などについても謎が多いままだ。



飛竜王国と神武帝国は国そのものが第二級特異点に認定されており、国民である事が証明できれば、手出しをする者はいないと言われる国だが、金を積んで望んでも、手に入る地位ではない。


どちらの国も国民としての資格がある者は幼い頃から非常に厳しい訓練を受け、耐え生き残れた者からさらに才能のあるものにだけ与えられる物であるらしい。

国外に逃亡した元準国民(国民だが、証明証はない)がそんな内情を語る本もあった。






-----------------------------



「ふぅ……」



本を閉じると一息つく。

図書館にある歴史の本を片っ端から漁り読みして得た情報としては、満足のいくものではなかった。しかし無駄だとは思わない。いつか必ず役に立つはずだ。






次は魔法関係の本だ。

正直魔力操作も自己流で、魔法に関しては学園長に教わっただけである。

高位魔術が使えたせいで調子に乗っていたが、あまり魔法関係に関して詳しく調べたことがなかった。



本来もっとも自分が必要としている知識だったにも関わらず、入学時にちょっと褒められただけで自分が"できる奴"だと思い込んでいた。


考えてみれば俺は生活魔法を少しアレンジした物と無属性の魔弾しか使えないのだ。いくら強いとはいえ20代前半の敵に通じず、あっさり負けたのだ。しかも中隊長になってからは訓練は疎かになっていた。


今日の残りの時間は徹底的に魔術関係の本を読み漁り、魔術の極意に迫ってやる!!




気が付くと夜明けだった。

この世界に生まれてから一番集中した時間だった。

高等魔術のすゝめという本を読み始めて30分ほどして学園長に怒鳴り込みに行こうと心に決めた。

しかしその本を読み終えた時に自分の今までの無知さに恥じ、調べなかった自分が悪いと反省した。



国などによって呼び方が変わるが、魔法の行使の方法は主に3つ。

体内魔力を使った生活魔法。

体外魔力を使った精霊魔法。

両方を使った高位魔法。


むしろ生活魔法もある意味精霊魔法であるらしい。


単一の魔力を用いて発動するのが精霊魔法。2種類以上混ぜるのが高位魔法らしい。

しかも"高位"といいながら威力は精霊魔法の方が上で、単に扱いが難しいから"高位"と付いてるだけらしい。



そもそもすべての生き物は体外魔力を一度体内に受け入れ、それを体内魔力に変換する。この変換の際に体内魔力の質が変わるらしい。


人間の体内魔力の質はほとんどの人間がいい質ではなく、魔術の効果が距離にい比例してガタ落ちする。

そこで体外魔力を混ぜ合わせ、効果を落として威力をあげたのが高位魔術である。



取り入れた体外魔力の質をいい体内魔力に変換するか、体外魔力を使った魔法の習得に乗り出すべきだと判断した。


体外魔力の行使は非常に簡単だった。

魔宝石に体外魔力を吸わせ、設定しているキーワードやキーアクションを行うと発動する。

魔宝石には元々古代語でプログラムのようなものが組んでおき、それにしたがって魔術が展開される。

しかし魔宝石に体外魔力を十分な量溜めるにはそれなりに時間がかかり、1発あたりもかなりの体外魔力を使うので、あまり常用化されない。

冒険者などが切り札にいくつか持つ程度である。




「そういえば学園長との講義でも、魔宝石がどうたらとかやったな……」



たしかダンジョンに潜る際に、体外魔力を溜めて持ち込む方法として学んだ。あれ?体外魔力を体内魔力に変換してるのってこの魔宝石じゃね?


新たな仮説が1つ生まれた。

魔宝石は大きさが大きいほど価値があり、多くの体外魔力を溜めこめる。

さらに色が濃いほど質が良くなり、威力が上がる。


唯一特殊な方法で作られる融合魔宝石は小さいながら非常に多くの魔力を溜めこめ、他の魔宝石と違い複数の魔法を同時発動できる。

しかしその精製法は秘匿されている。






「あれ?融合魔宝石ってどこかで聞いたな……どこだっけ?」

重要な事は学園長がほとんど言ってるんですよね!

なまじ前世の記憶がある分"高位"とか"高等"=強いみたいなイメージがあるようです。殲滅級の魔術師の魔法より単一魔力のドラゴンのブレスの方が火力は圧倒的に上で(恐ろしや



融合魔宝石は前にちらっと出てきましたね。

苦渋の決断でセキロムの親父が言っていた奴ですね。

学園時代にセキロム君が無茶していた原因です。

良質の魔宝石を落とす魔物を同時に倒すことで融合し特殊な魔宝石になります。


ダンジョン外で生き物を倒した際にも魔宝石出ますが、ダンジョンの魔物と違って解体が必要なあげく、対して大きくありません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ