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アンノウンとの決着!



ヒヨコは賢い、今の状況はわかっているはずだ。

魔力操作で喉に魔力を集め、防御力を少しでも上げる。




「戦争を買ったってどういう事だ?一人でエギラムに勝つつもりか?」

少しでも気を逸らしたい。




「まさか、僕に限ってそんなことはありえないさ」





ヒヨコが急降下してくる。

風魔法の刃を3つ飛ばしてくる。






(馬鹿!!俺まで真っ二つ!!!)




「おっと、援軍がかい?あ、やばいあれ体内魔力だけか」




俺の魔弾とは違い、弾くこともせずそのまま避ける。

突きつけられた剣を離されたので、慌てて俺も避ける。





「へぇ……精霊魔法が使える聖獣か、とんでもない隠し玉を持ってるもんだね」



ヒヨコに向けて俺の魔弾に似た魔法を使うが、ヒヨコはすべて回避する。



(こいつもしかして……)



付加の無いナイフに風魔法を纏わせ投擲する。

ルアはそれを回避した。



ビンゴだ!高位魔術はどんな追尾性があるかわからないから"叩き落とした"んだ。物質や生活魔力だけならこいつは防げない。


からくりはわからないが体外魔力の混じる高位魔術だからこそ、こいつは"何か"ができるんだ。



右手に土魔法で砂を作り出すと、水流操作と同じ感覚で高速で回転させる。

さすがに精密なコントロールが必要で、右手だけで精一杯だ。


高速でぶつかる水や砂で、硬い物を削って加工する話は聞いたことがある。

どこまで硬い物を削れるか不明だが、人間程度なら余裕だろう。



「うわぁ、恐ろしい魔法を持ってるねぇ、じゃあ僕も」



軽い口調で、周囲に魔弾に似た物を展開させていく。

数はすでに30を超えた。




「君が懐に入る前に確実に仕留める事が出来る、ゲームセットかな?」




そう言いながらも1、2発づつヒヨコに向かって威嚇で撃ち、近寄らせないい。

新たに出る数からしてまだまだ余裕はありそうだ。




「っ!!」

(化け物め!!)



とりあえずこの場から逃げる事を考えないといけない、しかしこの数の高位魔術を避ける方法も防御する方法も思いつかない。




「安心しなよ、今君を殺すつもりはない、元々様子を見に来ただけなんだ。君らの部下も話を聞こうと思っただけなのに、逃げるし、抵抗するからやむなく殺しちゃっただけさ。まぁ才能の欠片もなかったしね」




「お、お前!!」




「君は別だよ、リョウ君。ぞくぞくするほどの魔法のセンス、妙な体術、それに精霊魔法を使える聖獣に飛竜の聖獣。今が限界だとは思わない、君はもっと、もっと成長する。君にも大事な人がいるだろう?3年以内に僕らはまた必ず戦うことになる。それまでに今以上に強くなっておきなよ、僕もそろそろ本業に戻らないといけないからさ」




「お前、何者だ!?」



「僕はルア・バレンタイン。戦争を買ったなんて言ったけど、ただの騎士さ。君も魔術師だからと言って身体の鍛錬を怠らない方がいい。次に会えるときは楽しい殺し合いができる事を期待してるよ」




「このまま逃がすわけにはいかない」



真っ先に逃げたいのだが、相手が逃げようとするとなぜか阻止しようとしてしまう俺はバカなのか!?



「大丈夫、僕はこのままこの国から出るよ。次に来るときは君と戦える時だ」




会話の隙を見てヒヨコが接近してくる。

ルアの周囲の魔弾を風魔法の刃で相殺し、突っ込んできた。



「動物は好きなんだけど仕方ないよね」



そう言って5mほどの距離まで突っ込んできたヒヨコに向かって、剣を振る。

何かの魔力を感じた瞬間、当たるはずの無い距離でヒヨコが斬られ、血まみれになり落ちた。




「うわぁぁぁぁっぁぁ!!」



思わずパニックになり、そのままルアに突っ込んだ。



「次に会う時までにどれだけ成長してるか楽しみだよ」



――その言葉を最後に気を失った。












-----------------------------



目が覚めるとアルフォンの宿舎のベットの上だった。

中隊長になったアルベルトの部屋だ。



「あ、起きた!!大丈夫?リョウ!!?」



目の前にいるのはジュリアだ。



「あれ、なんで俺ここにいるんだ?」




「ちょっと待ってて、軽い食事とアルベルトを呼んでくる」



すぐに持ってこられたスープを飲みながらアルベルトに事情を話す。





「無茶しやがって!猛禽班が決死でも止められない相手を一人でどうにかしようなんて無茶すぎる!!」




猛禽班どころか小隊相手でもなんとかなると思っているが、そんなおごりがこの結果だ。




「すまない」




「……今カチュアとアニマがそれぞれ小隊を率いて哨戒に出てる、俺とまるちゃんは戦時待機だ」




「俺はどうやってここまで?」




「……血まみれのヒヨコが飛んできて、倒れてるお前の所まで案内してくれたコンドル3からの報告から今日が3日目だ」




「3日も気を失ってたのか、道理で腹が減るわけだ……」




「無茶をするのも大概にしろ!!今お前に何かあればどうなるかわかっているだろ!!?」




「ほんとにすまなかった。戦った相手は恐らくもうロミスカにはいない、いるんだったらこの3日で何かが起きてるだろう。哨戒を中止して通常に戻していい」




「色々わけありのようだな」




相手が風魔法おそらくで空を飛べる事や、高位魔術を叩き落とした事などは黙っていた。そしておそらくエギラムの戦争に関わっていることも。




「しばらく調べものや個人行動が多くなるから、アルベルトに中隊長兼、大隊長の代理権限をつけておく。このままだとまずい気がする」




「まずい気?」




「戦ってわかったが、相手はおそらく一人で大隊程度なら苦も無く殲滅する。そんな奴がどこの誰かもわからず国中を自由に動いてるんだ。鍛える事も大事だけどまずは相手を知らないと……」




「わかった、こっちで他にすることはあるか?」




「訓練内容に魔力操作の訓練を入れてくれ、レイに講師を任せてみてくれ、学年1年目で魔力操作ができるようになった子だ。いい講師になるかもしれない」




「わかった、魔力操作の訓練を全隊員に受けさせよう」




「俺も鍛えなおさないとな……」




「それもいいがあまり隊長の仕事投げ出すなよ?」



「努力はしてみるよ。そう言えばヒヨコは?無事か?」





「それが……実は……」










リアル都合により連休中は更新遅れ気味です。すみません。

その分平日寝ないで頑張ります!


ヒヨコの運命やいかに!?

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