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懐かしの再会!

山の月90日の昼過ぎ、とうとうアルベルト達がやってきた。

アルベルトと補佐役のジンと後二人の補佐役。


500人の奴隷は明日の朝にこちらに集まるらしい。



「久しぶりだな、リョウ。いやリョウ大隊長……でいいのか?」



「隊長は明日以降でいいさ。聞いたよ、高等教育中退でいきなり軍属だもんな。大丈夫か?」



「これでも貴族の家に生まれた男だ。覚悟はしている。2年早くなっただけさ!」



「僕もアルベルト様の補佐として、伯爵様が学費を出して下さって、高等教育に進んでたんだ!」



アルベルトの補佐役になったと聞いたときから、そんな気がしてた。




「学園生活を楽しんでる所悪かったな。まぁ俺が呼んだわけじゃないが!」




「リョウのせいとは思っていない。これも貴族の責務だ!ところで俺の仕事ってなんだ?」



「ぼ、僕も自分の仕事が聞きたい!」



「え?普通の一兵卒だけど……」



「先任の補佐役は小隊長だと聞いたが……」

「僕事務作業が……いいな」




「アルベルトが俺かアニマかカチュアに1:1で勝てるなら考えるけど、多分無理だぞ。それにできる人間は班長を経て小隊長、中隊長ってあげれるようにするから、自分で這い上がってきて!」



「……現在の中隊長は?」



「500人は新兵だし、元々の中隊長は今は俺が兼任。これから中隊が後2つはできるから枠は3つだね頑張って!」



「這い上がってやる。お父様の為にも!!」



(その意気だ、アルベルト!さっさと大隊を指揮できるまでになってくれ)




「リョーウ。僕無理だよ、兵隊なんて!裏方の事務とかないの?」




「あるぞあるぞ。今年の報告書のまとめと収支報告のまとめ、来年の訓練スケジュールと新兵の宿舎の振り分け、来月の必要食糧計算に商人とこ――」




「ごめん、やっぱなんでもない!」



ジンは学生の頃計算が苦手だった。たった2年ほどで短所が長所になるわけもないので、余計な仕事が増えないように脅しておく。



「そう言えば残りの2人の補佐の人は?」



「女は荷解きが遅いからな!2人とも補佐というより勝手についてきた感じだ」




「え?女性なの?もしかしてアルベルトの婚約者とか?」




「ば、ばばば馬鹿な事を言うな!ジンの妹と幼馴染だ!ジンの妹は卒業後職がないというので家で女中見習いで雇ったのだが、お父様が兄と一緒が良いと言うので、今回同行となった。炊事、掃除、洗濯として必要な場所はいくらでもあるだろう!」




「幼馴染って……ジュリア?」



「そうだよ!卒業して家の手伝いしてたんだけど、つい僕がアルベルト様の補佐でリョウの所に行くって言ったらさ、くっついてきちゃって……」



「お父様からは2名の補佐の同行を許されたのだが、どうにも不穏な動きが多くてな、妙な腕利きを雇うより学園の知り合いで、身元がはっきりしている者にしようと思ってだな……その、違うぞ変な意味はないんだ!!」




顔が真っ赤なアルベルト。何があったかは知らないがジュリアに惚れているのか?



「人数が増えて食堂の人でも欲しかったところだ。レイちゃんには食堂の手伝い、ジュリアは一兵卒か食堂の手伝いか好きな方を選んでもらおう、とりあえずアルベルトとジンには、新兵と一緒に訓練に参加してもらう。贔屓はできないからそのつもりでよろしく」




「わかっている!」「うわぁ……」




「今日はまだ着任前だし、宴会の最中だから自由にしてていいよ。部屋は明日から宿舎になるけどよろしくね!不要な荷物はまとめて俺の部屋に置いといていいよ。この部屋が多分一番安全だから」



部屋は大隊編成が決まった際に、一番立派な部屋にうつった。

室内に金庫もあり、部屋の鍵も魔力の波動感知式の鍵だ。

窓はないが、セキュリティは一番高い。


「わかった夜までには荷物を運びこむよ。明日からよろしく頼む」



「僕の荷物も少ないけどよろしくね」



「それと中隊メンバーは、全員聖獣を持ってるけど気にしないでね。自分たちの聖獣の管理は自分たちでよろしく。必要な食糧は相談してくれたら、できる分は何とかするよ」




「俺のサラマンダ―はそんなに大食らいではない。大丈夫だ」




アルベルトの肩にはいつぞやのカメレオンが乗っている。



「僕のスピンもそんなに食べないし、平気だよ!」



ジンの膝の上にはビーバーが乗っている。



「ただ、ねぇ……」「うむ、ジンの妹の聖獣が……」



ネコの聖獣のらっくだな。


「妹の聖獣がやたら大きくてさ、ジュリアのキツネはもうそんなに食べないけど、あのネコは……ってかネコじゃない」




「え?」




「大きさが既に妹が乗れるサイズなんだ。未だに食欲旺盛だよ!」



ジンの妹レイは確かに小柄な子だったが、ネコに乗れるほど小さな子だった覚えはない。



「あれはネコと呼べるサイズじゃないのはジンに同意だ」



その時部屋がノックされた。



「開いてます、どうぞ」



「「失礼しまーす」」



2人の女の子の声がしてドアが開いた。予想道理の2名が入ってきた。




「ひさしぶりだね、リョウ!急に退学したと思ったら今度は隊長だもんね!面白そうだからついてきちゃったよ!」



相変わらず元気なジュリアの足元にはふわふわとしてキツネがいる。

「ジュリアは相変わらず元気そうだな」



ちらりとアルベルトを見るとチラチラとジュリアを見ている。

間違いない、一目惚れでもしたな!



「リョウさんお久しぶりです。お元気でしたか?」



かわいらしい声であいさつしながらレイはらっくから降りた。

明らかにネコじゃない。だって虎柄だもん。

久々に鑑定を使って視る。



【虎(聖獣)1歳】


明らかにサラマンダ―やスピンとは迫力が違う。なんかこうヒヨコと同系統との匂いがする。



「ず、すいぶん大きくなったね……」



「そうですか?身長があまり伸びなくて悩んでいるのですが……」




いや、君じゃなくて隣にいるネコの皮をかぶった密林の王者の話だよ!!

聖獣はある条件を満たすと戦闘能力が開花します。1つ目はたまごそのものの運、2つ目は定期的に自分の魔力を与える事、3つ目はともに成長する事。


聖獣が主人と認めてから、主人の成長に合わせて聖獣も爆発的に成長します。

3歳から共に生きてるヒヨコはチート君です。

まだ2年ほどですが、聖獣を手に入れてからリョウに言われ、毎日魔力を与える練習をして魔力操作が上達してるレイのらっくも、それなりに危ない子です。


実はジンのたまごは他のたまごと違って、ヒヨコの魔力が混じって生まれた特殊な子なのですが、らっくやヒヨコのように魔力を与えられて育ったわけではないので普通の聖獣です。

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