ワンダーランド
人気アイドル、《ワンダーランド》
白石 ユキ
水川 アクア
騎馬 ケイ
玉森 リン
の四人メンズグループである。
そして…
「よーっし!皆!今日は新メンバーを紹介するぞ!」
この人はワンダーランドマネージャー木下。
木下は四人にそう告げる。
「新メンバー…ですか?」
垂れ目で癒し系のアクアが言う。
「そうさ~っ!
あの大女優、葉村 かりんの息子で~
今人気のメンズモデルの葉村 とうや、ガールズモデルの葉村 みずきの達の末っ子!
この北村プロダクションにひきいれることができたんだよぉー!」
くねくねと身をくねらせて言う木下。
「…別にいいが、能力はあるのか?」
細目でワイルド系のケイが言う。
「もぉっちろおぉん!
生歌聞かせて貰ったけど…
美声よ美声ィィィ!!」
「ふぅん。で、どこにいるんだい?」
優しい顔つきで王子系のリンが言う。
「………わからない…」
「「「はぁぁ!?」」」
「だあってぇ…
いないんですもん!」
ケイ「やる気が無いんじゃ?」
木下「……さぁ?」
木下ががっくりと肩を落とした時…
「すいませんっ!生徒会が長引いてしまって…!」
茶髪の少年が入ってきた。
木下「きやぁぁ!
待ってたのよ~っ!
うふ。
みんな、この子は葉村 かのん。
新メンバーよっ。」
アク「よろしくね…
僕は水川 アクアこと河南 水。」
ケイ「……俺は騎馬 ケイこと紀村 春。」
リン「僕は玉森 リンこと秋田 理央。
よろしくね~。」
「俺が、白石 ユキこと北村 ゆあ。」
この時初めて白石 ユキが口を開いた。
白石 ユキはワンダーランドのリーダー的存在。
黒髪が特徴な神秘系である。
かの「よろしくお願い…します。」
ぺこりと頭を下げるかのん。
木下「じゃぁ…
何系にしようかしらっ。」
水「可愛い系でよくないですか?」
木下「そうねっ!
じゃぁ……
花咲 かんなっていうのにするわ!
かのんちゃん!早速なんだけど…
明日から、寮に住んでもらってもいい?」
かの「ん〜…学校が…」
木下「大丈夫よっ!
学校まで送り迎えするから、」
かの「じゃあお願いします。
明日は休みなので。」
木下「じゃあ…早速だけどお仕事よ!
かんなのソロ曲渡したわよね?」
かの「はい…」
リン(ソロ曲?早くないか?)
木下「じゃぁ…生歌聞かせてあげてっ!」
かの「はい…
♪血塗れ王女は鼻高く
お高くまとっていい感じ?
今夜はまたまた人殺し?
血塗れの上に血を塗るの?
「さぁ歌いなさい死の曲を
悲鳴という名のメロディーを
貴方の血の色何色かしら?
わたしが好きなら教えなさい
自分で自分を切りなさい♪」
王女の虜となったモノ
必ず生き残れはしないんだ
彼女の魅惑に惑わされ
自分の死を迎えるの
あぁ気高い血塗れ王女
今夜は誰を惑わすの……」
かのんが歌い終わる。
木下「やっぱり美声ね!
《血塗れ王女》をうまーく歌えてるわ!」
春(…声のトーンが変わっている。
高い声から低い声まで…
素直にすごいな。)
水「…かのんちゃん、上手いね~っ!」
かの「あ、ありがと……」
水(素直に照れて可愛い…!)
木下「ウフフ…さぁ!CD発売は明後日よぉ!」
「「「「はぁぁぁ!?」」」」
木下「大丈夫よっ!
貴方達は出ないから♡
他の子がやるのだからっ!
もう歌はいれたわよね?かんな?
あーん、楽しみで仕方ないわ!
雑誌にも乗るわよぉ!
猫耳よ!かのんは猫耳ぃぃ!!」
発狂しながら外へ出て行く。
かの(恐いよ…)
若干恐怖を覚えるかのん。
木下が出て行くと…
水「すっごいね!」
水が目を輝かせてこっちへ来た。
かの「ありがとう!」
かのんはにっこりと満面の笑みで言う。
春「てか、ユキ。
どーすんの?」
そんな二人を横目にゆあに話しかける。
ゆあ「…ん?」
春「証のこと。」
春は腕についているブレスレットを見せながら言う。
このブレスレットはワンダーランドのメンバーだけが持つ、所謂ワンダーランドの証なのだ。
ゆあ「……」
顔を少ししかめるゆあ。
それもそのはず、このブレスレットはゆあの手作りだからである。
理央「僕はいいんじゃないかな?
あの子はあの子で才能あるし。
……春も、水があの子に懐いたからって嫌な顔しないの。」
春「なっ…!///」
顔を赤くする春。
春は水の事が好きなのだ。
ゆあ「……」
無言で立ち上がり、部屋から出て行くゆあ。
理央「……クール…なのかなぁ」
そんなゆあの背中を見ながら呟く理央。
水「よしっ!
春!理央!はやく寮行こっ?
かのんちゃんに教えてあげたいのっ。」
にこにこにこっと満面の笑みを浮かべる水。
春「…あ、あぁ。」
そんな水に複雑な表情で言う春。
理央「かのん、行こうか。」
ふわっと王子スマイルで微笑む理央。
そんなこんなで、かのんのアイドル生活がスタートしたのでした♪