EP4 地下の牢獄
[1] ―― 牢獄にて ――
俺の質問を聞くなり、突如、遠慮なく笑い始めたコイツラは、それと同時に珍獣を見るような眼で俺を見ていた。
まぁ俺自身も2人を珍獣のように見ているから仕方ない。おあいこだ。
基本的な部分での認識が違うようだから、こうなるのは当たり前だろう。
それに俺が逆の立場だったら、同じように笑っていただろうし。
ちと、質問の仕方が不味かったか……。
だが、笑い者にされるというのは、あまり気分がいいものでもない。
特に、こいつ等の笑い方は俺を馬鹿にしてる感じだし。
なので、ちょっとだけムカッときた俺は、少し眉をひそめて憮然とした表情をした。
するとそんな俺を見たトカゲ野郎は、ニヤニヤしながら口を開いたのだった。
「スマンスマン。悪気はないんだが、珍しい質問だったんでな」
俺は溜息を一度吐く。
それから幾分、声のトーンを落として、もう一度同じ質問をした。
「フゥ……ところで、もう一度聞きますけど。此処は何処のどういう施設なんですか?」
今度は耳長野郎が答えた。
「……本当に知らないようだな。まぁいい。ここはイシェンドラの地・第二の守護国 アストワール。そして此処はアストワール全域を治めるグラムドア女王の居城、アストランド城だ」
俺は今の説明を聞き、「ハァ?」と首を傾げた。
聞きなれない単語が沢山出てきたから当然だ。
俺は何言ってんのかさっぱり分からんので、もう一度聞いてみた。
「いしぇんど……と、あすと…わーる? 何ですか、それ?」
だが今度は2人が「ハァ?」と、怪訝な表情になる。
するとトカゲ野郎が、壁に寄り掛かかる体を起こして俺に言った。
「お前は何を言ってるんだ? イシェンドラの地とその六つの守護国の名は、此処に住む者なら知らない奴はいない。お前は一体、どこから来たのだ? 服装も妙な格好をしているし」
「どこって……日本という国からですけど。それとこの服は、俺の普段着みたいなもんです」
「……」
2人は俺の言葉を聞くなり、互いに顔を見合わせて首を傾げると沈黙する。
俺は今の反応を見て、非常に嫌な予感が過ぎった。
それは、想定していた最悪の事態が脳裏に過ぎったからである
なぜならば、これまでの不思議な出来事を説明できる現象が1つだけ存在するのだ。
いや、実は薄々そうではないかとも思っていた。
だってトカゲ人間やエルフみたいな奴なんて見た事ないし。寧ろ、その可能性の方が高い。
だが『そんな事あるわけない』という俺自身の現代常識が、その答えを抑え込んでいたのである。要するに考えたくなかったのだ。
しかし、もうそんな事は言っていられない。
俺は覚悟を決めると、確認の意味を込めて一つの質問をする事にした。
「では、もう一つだけお聞きします。アメリカ・ロシア・チャイナ・フランス・イギリス……いや、ユナイテッド キングダムでもいいです。この五つの国名をどれか一つでもいいので、知っているか、もしくは聞いた事がありますか?」
ここが現代の地球ならば、余程の発展途上国でもない限り、今言った五つの常任理事国は知っているか、もしくは聞いたことくらいはあるだろうと思う。
何と言っても、大量の核兵器保有国であり、その気になれば力で世界を動かせられる国々だからだ。
質問者の俺は2人の表情をジッと見守る。
2人は腕を組んで目を閉じると無言になった。
一応、俺の質問を真面目に考えてくれているようだ。が、しかし……悩んでいる時点で結果は明白。俺は既に諦めかけていた。
少しの間、静かな時が過ぎてゆく。
暫くすると、耳長野郎がまず口を開いた。
「……すまないが、お前の言った国はどれも聞いたことが無いな。何処にある国なのだ?」
はい、終わった。
少しは淡い希望を抱いて期待していたが、無残にも打ち砕いてくれた。
この返答を聞く限り、今の俺の状況はタイムトラベルか、もしくは地球ではない何処かの世界。はたまたその両方か。
どちらにせよ、現在、俺が住む世界とは異なる世界である可能性が高いのだ。
そう考えると共に、俺は一気に元気がなくなった。
「いや、知らないならいいです……」
ションボリと肩を落とし、やや力なく返事する。
そして俺は、牢の石床に腰を落として胡坐をかくと、大きくため息を吐いたのである。
ここが異世界ならば、帰りたくても帰る方法が分からないからだ。
あまりな展開に涙も出てきそうである。
するとそこで、トカゲさんが落胆する俺の前に腰を下ろし、優しげな口調で話しかけてきた。
「私の名はイローシ・グラド・ガラヌスという。イローシと呼んでくれ。見ての通り、ガラヌス族の者だ。まぁ色々と複雑な事情があるようだが。良かったら、名前を教えてくれないか? こんな場所ではあるが、せっかく知り合ったのだしな」
コイツの名前はイローシと言うらしい。
藤岡弘の声とそっくりなので、遠慮なくヒロシと呼んでやろう。
まぁそれはさておき。
確かに、知り合った所は最悪な場所だが、今の俺が情報を得られるのは目の前の2人。
名乗り合って損はないと思い、俺も名前を告げる事にした。
「俺の名前は南川崇輔っていいます。南川が家の名で、崇輔が自身の名前です。ですので、ソースケとでも呼んでください。ところでガラヌス族の者って言いましたが、ガラヌス族って何ですか?」
するとまたもや2人はポカンとするのである。
今度は耳長さんが口を開いた。
「ガラヌス族というのはイローシの種族名だ。もしかして、この地の種族の事は何も知らないのか?」
俺は申し訳なさそうに無言で頭を下げた。
耳長さんは続ける。
「それに、イシェンドラの地の事も知らんようだしな。まぁいい。私も名乗っておこう。私の名はニーダ・アウナス・フェーネス。親しい者はニーダと呼んでいる。フェーネス族の者だ。それと覚えておくがいい。この地では名乗り合う場合、自分の名と一族の名の最後に、種族の名を付けるのが常だからな。幾つかの種族があるので、そういう慣習なのだ。種族違いの同姓同名の場合もあるのでな。こうすれば相手も、どの種族の者の名前か憶えやすい」
なんか知らんが、意外な事実を知った。
という事は俺の場合、崇輔・南川・人間って言わないといけないのだろうか。
とりあえず聞いてみた。
「じゃあ自分の場合、ソースケ・ミナミカワの後に種族名を言うのが、此処では常識なのですか?」
ヒロシは頷くと言った。
「ああ、そうだ。お前の場合は、ソースケ・ミナミカワ・アシェラとなるな」
「ア、ア、アシェラ?」
聞きなれない単語を聞いたので、思わずドモりながら口に出してしまった。
するとニーダが苦笑いを浮かべて言った。
「まさか、自分の種族名も知らないとは。ソースケの種族は、ここではアシェラ族と呼ばれている。これは忘れるなよ。他の者に今の話を言ったら、笑われるだけだからな」
「そ、そうなんですか……は、ハハッ」
俺の現代常識はハッキリ言って、あまり役に立たないかもしれない。
そして俺はこれから嫌というほど、それを経験するのだろう。……憂鬱だ。
[2] ――1時間後――
あれから俺は、2人に色々とこの地の説明を一から受けた。
それで分かった事だが。
まず、ここはディナスリア大陸と呼ばれている所らしい。
航空写真とかで確認したわけじゃないから俺には分からないが、2人の話を聞く限りでは、かなり大きな大陸だと言っていた。
そしてそのディナスリア大陸の南部に、イシェンドラの地という聖地の意味合いが強い地域があるそうなのだ。
何故聖地なのか分からないが、2人が言うには、聖者スーシャルという人が行った最後の奇跡があるとかなんとか言っていた。まぁよく分からんので、また後で聞いてみよう。
で、このイシェンドラの地の周囲には、この地の守護を司る六つの国があり、それらをイシェンドラの地の守護国と呼ぶそうなのである。
というわけで、さっきニーダが言っていたイシェンドラの地・第二の守護国アストワールというのは文字通りの意味なのだった。
俺はこの説明を受けた後、守護国という言葉が疑問に思ったので「守護国といいますが、何かから守っているんですか?」と尋ねてみた。
すると、2人は暗い表情になり、ヒロシはこう言ったのである。
「守護国の外はかなり混沌としている。イシェンドラから遠く離れた大陸の中心に、死境サーティヌスという地域があるのだが、そこから生み出される【死の使い】と呼ばれる悍ましい化け物がイシェンドラの地に入ってこないよう、防壁の役目を守護国は帯びているのだよ」
俺は死の使いという表現に委縮したが、何がどうなっているのかよく分からない。
その化け物を見たことが無いので、何とも言えないのだ。
「ヒロシ、死の使いってどんな化け物なんだ?」
「普通の武器や魔精の術法では全く通用しない化け物だ。色んな種類のモノがいるが、共通しているのはそこだな。それらは特殊な製法で作られた高位の武具を使わないと退ける事すら難しい。要するに出会った者達は多くの場合、命を刈り取られる事になる最悪の化け物なのさ。だから死の使いと呼んでいるのさ」
ヒロシの説明を聞き終えた俺は無言になった。
それと同時に、何で俺はこんな所にいるんだろうと、泣きたくなってきたのである。
因みにヒロシが言った魔精の術法というのは、簡単に言えばゲームにでてくる魔法みたいなモノのようだ。
ヒロシやニーダの説明を聞いて、俺はそう解釈したのである。
2時間程前の俺なら「何を言ってるんだ、お前は?」と某格闘家の様に凄みしながら一笑に付したと思う。
だが、今はファンタジーな出来事しか体験してないので、簡単に受け入れてしまったのだ。
どうやら俺自身、現代人としての感覚がマヒしてきているみたいだ。
まぁそれはともかく、はっきり言って最低な世界である。
現代の日本に住む俺は、こんな指輪物語みたいなファンタジー世界で生活するなんて事は、真っ平ごめんだからだ。
何としてでも帰る方法を見つけなければいけない。
今までの説明を整理しながら、俺はそんな事を考えていると、ニーダは目を閉じて静かに言うのだった。
「死の使いは、年々、勢力を広げている。ディナスリア大陸の幾つかの地域は、もう生命が生きていける環境では無くなっていると聞いた。スーシャルの奇跡が施された幾つかの国々も脅威にさらされ、中には滅んだ国もある。そして近年は、聖者スーシャルに仕えた六人の王が建国したこの守護国にも、奴等の魔の手が伸び始めているのだ。勿論、このアストワールも例外ではない。……何かが起き始めているのかもしれんな」
ニーダが話し終えた後、俺達3人は暫く沈黙した。
重苦しい雰囲気だ。
実際、俺自身の気分もかなり重い。
早く日本に帰りたい。俺が一体何をしたっていうんだ。何で俺がこんな目に……。
そうやって頭を抱えて俯き、自分の境遇を嘆いていると、ヒロシが俺に問いかけてきた。
「ところでソースケ。お前は一体何をしてここに投獄されたんだ? 今までのお前を見てると、悪さするような奴に見えないが」
俺は俯いていた顔をハッと上げると言った。
「そ、それだよ。実は俺、気付いたら、この城にある大きな石碑の前に、いつの間にかいたんだよ。そしたら突然、金色の鎧を着て竜に跨ったオッサンに、凄い剣幕で怒られて拉致されたんだ。それでこの有様さ。一体、俺が何をしたっていうんだよックソッ」
思い出せば出すほど、あっという間の出来事だった。
竜の存在に圧倒されていたのもあるが、次から次へと起きる信じられない展開に付いて行けずに、反論する余裕もなかったのだ。
しかし、今、その余裕が多少は生まれているので、思い返すなりムカつき始めたのだった。
だが俺の言葉を聞いたニーダは眉根を寄せ、怪訝な表情で言った。
「石碑の前だと……。まさか、聖者スーシャルの石碑がある城の中庭か?」
そういえば、あのオッサンはそんなような事を言って気がする。
「金色の鎧着たオッサンが、スーシャルがどうのこうのと言ってたから、多分、そこだと思う」
ヒロシとニーダは顔を見合わせる。
ニーダは言った。
「スーシャルの石碑のある場所は聖域だ。この城の権力者でも濫りに入る事は許されない。どうしてそんな所にいたのだ?」
「それが分からないんだって。あの場所にいる前、俺は日本の西修寺という寺にいたんだ。それが、いつの間にかあんな所にいたんだから、わけわかんねぇよ」
俺の言葉に2人は困った表情で沈黙する。
恐らく、このままこの話題を話していても答えは出ないだろう。
2人の反応を見れば、それは明白だ。
しかし、俺はとっとと日本に帰りたい。何とかして帰る方法を見つけなければ……。
と考えていたその時。
俺は2人が身につける銀色の鎧に、たまたま目が行った。
そしてさっき疑問に思った事を口にしたのだった。
「ところで話は変わるんだけどさ。ヒロシとニーダが身に付けているその鎧って、俺が連行されてきた兵士達と同じ紋章が彫ってあるけど、あいつ等と何か関係あるのか?」
2人はその質問に溜息を吐く。
そしてヒロシが、やや気怠い口調で言った。
「……ああ、そうだ。俺達もついこの間までは、あの兵士達と同じく、この城の兵士だった。だが、国賊扱いされてこの様だ。今、このアストランド城は色々とゴタゴタしているんでな」
今の話を聞いた俺は、オッサンが女王派がどうのこうのと言ってたのを思い出した。
それの事なのだろうか?
俺は確認することにした。
「そういえば、俺を拉致したオッサンが、女王派と何とか派がどうのこうの言ってたけど、それの事か?」
2人は頷く。
ニーダは言う。
「ああ、それの事だ。今、このアストランドはグラムドア女王派と、今は亡き先王の弟である宰相ハシュナード派とに分かれて揉めるている。いや、揉めていたと言った方が正しいか……。とにかくそういうことだ。しかし……今はもう、宰相ハシュナードの謀反が成功して、グラムドア女王はこの城のどこかに幽閉されてしまっている。ハシュナードがアストランドの全権を握ったということだ。そして我々は女王派ということで、あらぬ汚名を着せられて投獄されているというわけさ」
どうやら2人も複雑な事情を抱えているみたいだ。
世界は違えど、こういった権力の争いが起きるのは共通事項の様である。
知的生物の悲しい性なのかもしれない。
それにしても、俺はつくづくツイてない。
異世界に来ている時点で厄満なのに、よりによってクーデターが勃発している所に来てしまうなんて……ダブル厄満だ。
などと思いながらも、俺は言う。
「ヒロシとニーダも色々と大変だったんだな。ところでその謀反て、やっぱり宰相側の権力欲による争いか?」
ニーダは腕を組んで壁に寄りかかると言った。
「まぁ確かに権力争いではあるが、そう単純な話ではない。この謀反には事情があってな。さっき言った【死の使い】の存在が関係している」
「死の使い……」
俺はその名前があまり好きではないので、気味悪そうに呟いた。
ニーダは頷くと続ける。
「最近になって、このアストワールにも死の使いが現れるようになってな。そして日に日に被害が大きくなる現状に、女王と宰相を含めた城内の者達も慌てだしたのだ。そこで宰相ハシュナード達は、聖者スーシャルがアストランド城の聖廟奥深くに封じたと云われている、守護聖霊アストゥラーナの封印を解くよう女王に進言したのが事の発端だ」
何やらまた新しい単語が出てきたので、俺は問いかける。
「守護聖霊アストゥラーナ? 何それ」
するとヒロシは、横に寝転がって片手で頬杖をつきがら口を開いた。
「そのままの意味さ。この国 アストワールを守る聖霊という事だ。六つの守護国には、それぞれ守護聖霊というものがいるという言い伝えがあるんでな。ま、見た事もないし、本当のところはどうか俺にもわからん。というか、封印を解く方法があること自体が初耳だ。スーシャルの記した古文書にも、封印の解き方など記述されていないそうだからな」
ニーダもヒロシに続いて言う。
「私もイローシと同様、その辺の事はよく分からない。アストゥラーナの事はあくまでも言い伝えにあるだけだ。しかし、女王はハシュナードの進言を受け入れなかった。なぜならば、守護聖霊は守り神ではあるが、絶対に封印を解いてはならぬという言い伝えも古文書にあったからだ。そして、そこで意見の対立があり、それが最終的に宰相ハシュナード派の謀反へとつながったのだ」
ここでヒロシが付け加えるように言う。
「まぁ一応そういう流れではある。が、元々、女王側とハシュナードの間には少なからず溝はあってな。それが下地になった部分もあるんだな」
「フゥン。守護聖霊アストゥラーナねぇ……」
俺は漠然とどんなモノなのだろうかと考えるが、2人に分からんものは俺には分かる筈もない。
だが、俺は今の話に少し違和感を覚えたのである。
暫く脳内でその違和感を整理した俺は、そこから生まれてきた疑問を2人に聞いてみた。
「あのさ。今、ヒロシもニーダも、よく分からないって言ったけど。聖廟に封印されているという、そのアストゥラーナ?の封印を解く方法を、ハシュナードという人達はどうやって知ったんだ?」
質問をした途端。
ヒロシは横になった身体をグイと起こして、俺に向き直る。
そしてやや、怒り気味に言った。
「4年前、このアストランドにやってきたジャミアスという魔精術師が、なんでも、守護聖霊の封印を解く方法を見つけたそうだ。そいつが宰相ハシュナードをそそのかしたのさ。奴は宰相からの信頼も厚いしな。だが……ジャミアスがこのアストランドに来てから、碌な事が無いッ」
ニーダも言う。
「……イローシの言うとおりだ。ジャミアスはこの国に災いをもたらす存在だと私も思っている。ハシュナードはやけに気に入ってるがな……」
ジャミアスというのが何者か知らないが、ヒロシとニーダはそいつがあまり好きではないようだ。
ついさっきこの世界に来た俺が言うのもなんだが、色々とあったんだろう。
まぁそれは兎も角。
今の2人の話を簡単にまとめると。
要するに、死の使いという化け物への恐怖から、このクーデターが勃発したらしいのだ。
悲しい事情だが、その死の使いという存在に、俺はまだ見ていないながらも恐怖する。
どうやら国の存亡に関わるくらいの化け物のようだ。
だが恐ろしいながらも、何処か他人事のように、俺はそれらの話を聞いていた。
なぜなら、帰れさえすれば、こんな化け物との紛争問題などオサラバだからである。
そして今の俺は、2人の話に耳を傾けながらも、実際は別のことを考えていたのだった。
それは『あの石碑の所にもう一度行き、俺が近づいた時に発したあの光に飛び込めば日本に帰れるかもしれない』ということをである。
しかし確証があるわけではない。
だが、俺がここに来る前にいた西修寺での現象と、非常に良く似ているのである。
今のところ、あの石碑が唯一の接点な気がするのだ。
そして、俺が今しなければいけない事は、この牢獄を一刻も早く抜け出して、それを試してみる事である。
というわけで今の俺は、どうやって脱獄しようかという事で頭が一杯なのであった。