表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幼馴染の陽向葵はポジティブがすぎる 〜ネガティブ男子がポジティブな美少女幼馴染を振り向かせるラブコメ〜  作者: 十色
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/30

第27話 葵のご褒美【2】

 僕は今、葵家の浴室の中にいる。学校で使う水着を着用して。


 そして考える。湯船に浸かりながら。


 思い返してみたら、そういえば今日、葵のことを無理やり学校を休ませた理由は、一睡もできずにふらふらしていたからだった。


 問題はその理由だ。


『あのまま勢いで憂くんとエッ――』


 頭がぼ-っとしていたせいで、つい言葉に出してしまったんだろう。心の奥底に隠していた想いを。途中で僕が遮ったせいで尻切れトンボになってしまったけど、つまりはそういうことだ。


 求めているんだ。僕との関係を。


(あんなことを言っておきながら、情けないよな……)


『全てを受け止めてあげるから』


 僕は葵に言葉にしてそう伝えた。けど、実際のところはどうだ? ちゃんと受け止めることができているか? いや、できていない。


 そんなことを、何度も何度も自問自答する。


 これまで幾度となく見てきた空間の天井を見上げながら。


 でも、子供の頃にすっかり見慣れているはずなのに、違う世界にでも迷い込んでしまったかのようだった。


「見知らぬ天井、か」


 そう、独り呟く。


 声がお風呂場特有の反響をして、そのままの形でこちらに返ってきた。


「童心に帰りたい、とかじゃないよな……」


 そう呟きながら、僕は湯船から一度外に出た。待っている間に少しのぼせてしまったようだったから。そして浴槽の淵に腰をかけた。


 しかし、そのタイミングで――


「ゆ、憂くん。は、入るからね」


 脱衣所から聞こえてきた葵の声。心なしか、それが少しだけ震えているように感じた。


 が、僕は僕で胸の鼓動が早鐘を打つ。警鐘のようだなと思った。


 そして理解した。


 僕も葵を求めているのだと。


「わ、分かった。大丈夫だよ」


 ガラス張りの扉の向こうから見える葵のシルエット。それを見ただけで、僕の息は荒くなった。


「そ、それじゃ、お邪魔します」


 浴室の扉がガラガラと音を立てて開かれた。


 そこにはスクール水着姿の葵が立っていた。


 葵は僕の水着姿を見て、焦るようにして視線を外す。


 同じく、僕も咄嗟に再度湯船の中にどぼんと浸かり直した。


 スクール水着姿を見て、分かった。


 葵の胸の果実の大きさが。


 元々、制服の上からも、私服の上からも、そして抱き合った時にも感じてはいた。その大きさを。


 しかし、ピッタリと身体に張り付くスクール水着が、その果実の大きさをよりはっきりとさせた。


 それを見ただけで、僕の心臓が波を打つ。そして、一瞬ではあったけど、先程目にした葵の姿を思い出す。鮮明に。


 胸の膨らみだけではなく、腰のくびれも、僕の知っている葵の姿とは全く違っていた。


 心の針が、触れ切れてしまいそうだった。


 きっと、僕はこの後こう思うだろう。


 葵とひとつになりたい、と。



『第27話 葵のご褒美【2】』

 終わり

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ