設定について
《月の庭制度》とは
ヴァレリオン宗家の本邸に存在する、花嫁候補(陪花)たちの選定・育成制度の通称。
この制度の中では、宗家男子に与えられた称号《星の座》のもと、各主花が数名の侍女=陪花を側に置き、**一席**と呼ばれる筆頭陪花が最終候補とされる。
主花……宗家男子のそばに仕える“象徴的な花”。制度上の正妻候補。
陪花……主花に仕える侍女たち。ここから将来の番が選ばれることもある。
一席……陪花の中でも特に格の高い筆頭。星の座が直接「欲しい」と申し出る対象になる。
陪花となる少女たちは「月の庭」と呼ばれる特別な棟に集められ、外界から隔離された美しい温室と寝所の中で、言葉・ふるまい・毒への耐性などあらゆる資質を磨かれていく。
この制度は美しくも冷酷で、誰が選ばれ、誰が散るのか――
全ては“星”の気まぐれに委ねられている。
《星の座》とは
ヴァレリオン宗家において、陪花(はいか/花嫁候補)を選ぶ権限を持つ七人の男子たちに与えられた称号。
それぞれに星の名を冠し、座の番号が高いほど“若い”または“新しい”ことが多い。
現在の在任者は以下の通り。
天樞……第1位。筆頭の星座。次期大公カミーユが就任中。
天璇……第2位。沈着冷静な常任座。
天機……第3位。記録・制度に強く、冷静な参謀役。
天權……第4位。権威・実務・現場統制。
玉衡……第5位。社交派で座同士の調整役を務める。
開陽……第6位。行動派で若手の急進派に近い。
瑤光……第7位。最新の就任者。物腰は柔らかいが押しが強い。
陪花制度の中では、これら「星の座」が番を選ぶ“王子”であり、選ばれる“姫”たち(主花・陪花)は、その制度の中で生きている。