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4 1人の女の子 最悪の再会

続きです。よろしくお願いします。

 んはっ!ゲホッゲホッ。ここは。


 目が覚めると視界には真っ青な雲一つない空。

 ザァーザァーと波の音が聞こえる。


 あっつー!って砂か。


 背中が急に熱くなって飛び起きたらどうやら砂浜で横たわっていたみたいだ。


 背中をヒレでさすり辺りを見渡す。


 海だ。


 そこには海に砂浜。ココナッツの木みたいな植物も生えていてまるで南の島。


 あいつの竜巻で飛ばされたんだな〜。

 まぁ結果的に逃げきれたからOK〜!

 俺はこの南の島で自由を満喫するぜ〜!

 ひゃっほーい!


 ジャブン!っと水しぶきを上げて海へと飛び込んだ。


 水中のこの景色にも随分慣れたな。


 サンゴ礁に無限に広がるオーシャンビュー。

 水生の植物にカラフルな魚達にブルーフィッシュ。


 楽しく砂浜近くの海辺で遊んでいると見たことのないやつを発見した。


 お、なんだろ?


 海底で歩いている何かが気になり近くに行ってみると。


 サソリだ。


 赤紫色のサソリが海底を歩いていた。


 こんな生物もいるんだな。

 水生のサソリなんて初めて見た。

 あいつに飛ばされる前には見たこと無かったしこの世界にはまだまだ俺の知らない生き物がいるのかも。


 物珍しさに俺はサソリにちょっかいをかけてみた。


 えいえい。


 ヒレでサソリの頭を叩いてみる。


 すると前足でやめろと言う感じで払い除ける仕草をした。


 その仕草が面白く、もう一度ぽんぽんと再度叩くとヒレにチクッと痛みが走った。


 痛ー!刺されたー!


 見るとサソリのしっぽがヒレに突き刺さっている。


 なんかドクンドクンって中に入ってきてるんですけど!?これって毒!?やばいんじゃないの!?


 急いでステータスを見ると状態:毒になっていた。

 いやー!やめてー!と言うとでも思ったのか?

 こちとらあのクラゲさんに鍛えられたんだぞ!

 こんな毒効かんわ!ふっハッハッハ!

 いや、地味に痛い。

 これって毒流され続けたら毒耐性とか上がるかな?

 今「毒耐性LV2」だから点滴打つ感覚で続ければそのうちにレベルが上がるかも?

 自然治癒もあるからHPが0になることもないし。


 よし!サソリさん!どんどん毒流してくれ!


 名案を思いついたと思った俺はサソリの毒が空になるまで刺されることにした。

 我ながらアホなことしてるっていう自覚はあったが、これもスキルレベルを上げるためだから!

と言い訳をしておく。



 数分後…。



 ご馳走様でした。


 毒の点滴も終わってそのままサソリさんとバイバイしても良かったが経験値も欲しかったので食べることにした。


 サソリさんのおかげで「毒耐性」もレベル3に上がったし、サソリさんの体思った以上に丈夫で「かみつき」のレベルも4に上がった。

 それと「自然治癒」も1つレベルが上がった。

 サソリさんのおかげでスキルが3つも上がったよ! ありがとうサソリさん。

 君の肉は微かにカニの味がしたよ。

 安らかにお眠りください。


 さーて、次は何しようかなー。

 水中でくるくると回りながら次することを考えていると。


 ぼちゃんと何かが水に落ちてきた音が聞こえた。


 おっ、なんだろ?


 すぅーと音のした場所に向かうとゆらゆらとなにかの影が水中を見ている。


 俺は少し離れた所から水面に顔を出して影の正体を確認した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族:人間 年齢:16歳 名前:ローラ LV8

状態:通常

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 人間だ!


 淡く焼けた肌、どこかの部族衣装に身を包んだ女の子。

 ぱっちりとした目。

 ぷるんとした唇。

 うん……可愛い!

 それと…。


 遂に俺は人間と会えたんだー!

 人里目指して数週間!

 遂に俺は辿り着いた!

 人のいる島に!やったねー!イェーイ!


 ワイワイとはしゃいだ後、女の子を観察することにした俺。

 どうやら釣竿を持っているらしく釣りをしに来たのだろうと確信した。


 ここ魚も多いしすぐ釣れると思うよ!

勝手に遠くから応援してあげる俺。


 ちょっと海の中の様子でも見に行ってあげようかな。


 ポチャンと水中に戻り、釣り針の所に行ってみる事にした。


 女の子の釣りポイントまで来てみて俺は驚いた。


 あちゃー。

 もしかして針だけ?これじゃ何も釣れないと思うけど。


 餌も何もついていない状態の釣り針を見てそう思った。


 このままほっといても何も釣れないだろうししゃあなしつけといてやるか。


 俺は近くにいたブルーフィッシュを加えてきて針にぶっ刺した。

 針に刺されたブルーフィッシュは逃れようと暴れるが俺が深めに刺したせいで逃れることが出来ない。


 しばらく待つと女の子が気づいたんだろう。

 クイックイッとブルーフィッシュが巻かれて行った。


 ブルーフィッシュがなんでだよー!って顔をしてるように見えたが俺はそんな彼に敬礼をする。


 さらばブルーフィッシュ。

 女の子のご馳走になってくれ。


 涙目になったブルーフィッシュを見送り俺は女の子を観察できる定位置に戻り様子を伺った。


 丁度女の子がブルーフィッシュを引き上げたところだった。

 今まで釣れたことがなかったんだろう。

 驚いて固まっている。

 今回は俺がアシストしたんだぜ☆

 女の子の前に姿を出すことはできないけどせっかく会ったんだ、初めて会った人間に少しお節介をかけても罰はあたらんだろ。


 女の子は1匹だけで十分だったのかそのままどこかへ消えてしまった。


 はぁーまた来ないかなー。

 一応陸でも呼吸出来るけど俺竜だしな。

 この世界での竜の立ち位置がわからん以上無闇に 人前に出ることは避けた方が良さそう。

 人間の姿ならこんなことしなくてもいいんだけどなー。


 今の自分に不満はないことは無いけど元人間としては不自由だなと感じた瞬間だった。



◇◇◇◇



 あれからしばらく俺はこの辺りを縄張りにして過ごしていた。

 最近だと亀に似たタートルシャークって言う亀と鮫が合体したまんまのやつを倒したり。

 あのジャンボクルムがたまたま近くの海域に来てたから倒して食べたり。

 サソリが3匹くらい群れになっていたから毒点滴3匹分受けて食べたり。

 ……俺最近倒して食べてしかしてないな。


 いいもん。

 そのおかげでステータスが大幅に上がったもん。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族:海竜 (幼体) 名前:無し  LV18

状態:通常


HP:120/120

MP:130/130

SP:140/140


攻撃力:100

防御力:140

魔法力:110

抵抗力:120

速度力:150


 スキル


「水中呼吸LVー」「水中眼LV-」「水泳LV5」「かみつきLV6」「威嚇LV2」「咆哮LV2」「暗視LV3」

「麻痺耐性LV4」「毒耐性LV5」「自然治癒Lv3」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 あの海竜アザムと遜色ないくらいに強くなった。

 スキルもここ最近の戦闘で強くなってるし、ここを住処に選んで良かった。


 てかここに運んでくれたあいつにはまじで感謝だな。


 ここを住処にしたのはあの女の子、ローラがいたのも大きい。


 彼女は毎日海に来ては釣りをしていくのでその度に俺が釣れるようにしていた。


 人っていうのは案外間抜けで1回成功したことを続けてしてしまうことがある。


 ローラもそれに漏れず餌も付いていない釣り針を投げ続けた。


 1回だけと思ってやったことだけど、1回でもやってしまったら最後までって言う言葉もあるしな。


 毎日ローラが来てはブルーフィッシュを付けてあげた。


 まぁ俺もしばらくは移動する気もないしレベルも上げれるこの場所が気に入ってるから別に気にしてない。


 ローラと会うのは嬉しいしな。


 それとここを住処にして数週間。

 俺はあることに気づいた。

 この海辺に来る人間がローラだけということ。

 確かにタートルシャークやサソリが居て危険な場所だと思うけどそいつらを気にしなきゃ魚やブルーフィッシュが大量にいて漁業するにはいい所だと思うんだけどなー。


 ローラもブルーフィッシュを持って帰ってるから食えないことはないだろうし。


 もしかしたらこの辺に住んでる人がローラだけって可能性もあるか。

 それならローラ以外の人を見かけないのにも合点が行く。


 色々気になるけどこの海竜の体じゃ海辺以外の場所を探索できないからもどかしい。

 早く陸でも活動出来る体かスキルが欲しいな。


 そんなことを現在絶賛釣り中のローラを見ながら考えていた。


 今日も平和だな〜。


 この辺りじゃ勝てない相手もいなくなったし、これからのことも考えないといけない。

 第1目標の人里には辿り着いた。

 ローラとのお別れも寂しいけど俺は俺の海竜生があるからな。

 1つの場所に留まらず世界を冒険しようー!のスタンスで行くぜ!


 俺の知らない物がまだまだこの世界にはたくさんあるだろう。

 せっかくなら人間だった頃には出来なかった事をいっぱいしてみたい。

 海竜じゃなきゃ水中で呼吸なんて出来ないしね。

 ていうかステータスもスキルも無いし。


 ていうことで今日で最後。

 最後にローラにブルーフィッシュを渡して俺は別の場所に行こう。

 そう思い水中へ潜ろうとした時ゴゴゴゴっと海が揺れ始めた。


 おうおうおう、なんだよ、これって。


 水上の波で体が揺れる。


 地震か津波を警戒するが特に何も起きていない。

 なんだったんだ。

 そういえばローラは無事か?

 彼女は陸地から釣りをしているし怪我はしないと 思うけど一応確認しておこうとローラの方を見ると。


 デカイ水竜がローラと対面していた。


 なっ、アイツなんでここにいるんだよ!


 ローラと対面しているヤツには見覚えがあった。


 海竜アザム。


 俺をこの場所まで飛ばしたやつだ。


 あれから遭遇することがなかったけどあいつずっと俺を追って来てたのか。

 なんて執念深い奴だよ。

 俺なんか追いかけたって何にもならないだろうに。


 ていうかローラが危ない!


 ローラは突然現れた海竜アザムに驚いて動けないでいる。


 彼女の身長が160cmくらいだとしてアザムの顔とほぼ同じくらい。

 ローラと比べたら圧倒的な差だ。


 ってまた解説してる場合じゃねー!

 ローラ早く逃げろ!そいつは危険だー!


 急いでローラの元に駆けつけようと泳ぐ。

 スキル「水泳LV5」のおかげで水中での移動速度がかなり上がってる。

 これなら間に合うはずだ!


 水しぶきを上げ全速力でローラの元へと進む。


 後もう少しっ!


 後50mで届くという所でアザムが動き出した。


 アイツ何するつもりだ!


 動けないでいるローラの所に顔を近づけてローラを飲み込んだ。


 俺は一瞬硬直した。

 目の前でローラが食べられた。

 彼女とは親しかった訳じゃない。

 一方的に俺が節介を焼いていただけの関係。

 それだけのはずなのになんだ、この胸がザワつく感じ。


 心臓の鼓動が早くなるのを感じる。

 体中の血液がぐるぐると勢いよく回り始め、頭や手足が急速に熱を帯びていくのを感じる。


 その時大気が震える程の竜の咆哮が辺りに鳴り響いた。


ご覧いただきありがとうございます。

良ければ評価お願いします。

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