なんだか不思議な感じがする
崖下に着くと作業が始まる。
足元は金属のスクラップだらけでかなり歩きにくい。
この中から価値のある物を見つけて、加工から販売まで行う。
「さぁて、今日も宝探しがんばろうね〜」
ライがやる気が無さそうな掛け声をしながらついてきた。
「なんでいつも着いてくるんだ?」
「なんでって…うーん、なんとなく?」
「まぁ、いいけど」
何かと勘の鋭いライ。近くにいてくれて助かることも多々あったため、こちらとしてはありがたい。
「そうえばさー、なんで名前教えてくれないのー?」
「何度も言ってるだろ、名前は無いんだ。好きに呼んでくれ」
そう、ボクには名前が無い。生まれてからの記憶が曖昧で、気が付けばこの町外れにいた。育ての親も居ない。周りの人に助けられながら、なんとかここまで生きて来た。
「じゃあ、私が考えといてあげるよ〜、いつかこう、ピンっ!って来る時があるからさ!」
猫耳と尻尾が楽しそうに動いている。
ライと話をしながらも、次々と金属片を回収していく。
「…ん?なんだあれ」
金属片の山の中から光を放ってるものがあった。
「あの光はお宝!?あれはまさしくお宝だね!?」
ライが目を輝かせて一直線に走って行った。
「ちょ!?ライ!?待てっ!止まれっ!」
ここには様々な物が落ちている。何かの兵器の可能性も…!
「よっしゃとったぁ!」
そんな心配は届かず、追いついた時にはもう掘り出してしまっていた。
「はぁ…ライ、危険なものだったらどうするんだ…もし何かの兵器だったりしたら…」
「心配性だなぁ〜それぐらい分かるよ。危険なものだったら、危険だー!ってなるもん!」
謎すぎる持論にため息しか出ない。
まぁ、勘の鋭いライ固有の感覚なのかもしれないが。
「それで、なんだったんだ?その光ってたのは」
「うーん…危険なものじゃないと思うんだけど、持ってるとなんだか不思議な感じがする」
見た目は十字架で小さな機械のパーツのようだが、中心に小さな緑の石がはめてある。
「不思議な感じ?ちょっと見せてくれないか」
ライから受け取ると身体全体が何かで包まれたような感覚になった。
「うーむ、確かにこれは…不思議な感じ…だな」
そのほかは特に何も無い…かも。
とりあえずライに返しとく。
「まぁ、何かしら価値はありそうだし、持ち帰ってみるか」
「やったー!お宝発見だね!何食べよっかなぁ〜うへへへ」
そんなこんなで今日の作業は終わった。




