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フォースセクシー:ささいな補足とおまけ

かるい補足と「D○ZNとY○UTUBEとウ○イレでしかサッカーを知らない俺が異世界で女子エルフ代表チームの監督に就任した訳だが エルフ・オア・ナッシング~アローズの再興~」も読んで頂いている方向けのおまけです。

「わーイ! ユーキチ凄い、良くやったネ!」

 セクシーパラディンの手によって覇霊寺の宝物庫にジュールリメの杯が戻され、タッキは子供の様に手を叩いて喜んだ。

「まさか地獄まで行って取り戻してくるなんてネ!」

「まあまあ勝算はありましたので」

 彼の師であり父の教え子でもあるイグア院のモンク、タッキの賞賛をユーキチと呼ばれたセクシーパラディンは事も無げに流した。

「サキュバスを味方にしてサッカードウをしたら、ってコト?」

「ええ。父との雑談で話題になったんです。『一番サッカーが上手い悪魔って何だろう?』って。父は足コキ……失礼、神聖なる寺院でそれはいけませんね。足で男のタマ……股間を踏み慣れているサキュバスが、もっとも足技に長けた悪魔ではないか? と言っていました。当時は冗談だと思っていましたが、考えれば理にかなっているな、と」

 男の睾丸はデリケートな物体で、足で扱うには最新の注意を要する。その技術を全員が持っているサキュバスは、いわば小野伸二のエンジェルタッチ標準装備の存在と言えるかもしれなかった。

 いや天使ではなく悪魔ではあるが。


 宝物庫の鍵を閉め階段を少し先に下りつつ、ユーキチはそう説明した。タッキの入れ墨と筋肉に包まれた身体は小柄で、段差があるくらいの方が話しやすい。

「そうだとしても女の子たちに気に入られテ、サッカードウを教えテ、普通できないヨー。やっぱりお父さんの血?」

「どうですかね? 悪魔たちはセクシーパラディンがどうとか言ってましたが」

 父の武勇伝については様々なエルフたちから聞いている。地球から単身、異世界転移し低迷するエルフ代表チームを立て直したとかどうとか。

 だが彼にとってそれはどうでもよく、ただ父が尊敬に値する人間であること、母にとって善き夫である事だけが重要であった。

「セクシーパラディン? そんな流派ウチにはなかったよネ? まあ何にせよ……あっ! ママさんダ!」

 タッキはユーキチの言葉に首を傾げていたが、遠方に彼の母のエルフを見つけた声を上げた。

「あ、本当だ! タッキ師、失礼します!」

 ユーキチはそう言って一礼すると、急いで寺の入り口の方へ駆け出した。


 その顔は久しぶりに母に会う少年のそれで、セクシーさというものは欠片も無かった。母の前に至っては、セクシーパラディンも一人の息子にしか過ぎないのである。


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