突然「あなたが生贄です」と言われても困る(2)
ちょっとだけ「異空間」っぽいところに行ってしまってた(らしい)さとり。
『これからもっと長くなります。』とイケボに言われて、謎は深まるばかり。
これは多分夢よね。
『このまま寝たら来れます』と言われたのに、うっかり寝てしまった自分が情けない。
しばらくは「絶対寝ない!」と思っていたけど、夕食後にLINE見てTV観てYouTube観たら「もう寝てもいい時間」だと身体が覚えているのよね。
あの『イケボメッセージ』だって、ムシしようと思えばできるし、内容が内容だから関係無いならそれに越した事はない。
頭の隅で色々と天秤にかけながら、現実の生活は至って普通に過ごすことができていて、どこか安心というか、楽しんでいる自分もいた。
で、寝てしまった。
そこは水色の世界だった。
空の青というより水の青。
静かで空気も澄んでいる。
おそるおそる、でもしっかり深呼吸してみた。
生きてる。
夢なんだろうけど、一応生きてるか確認してみた。
『こちらですよ』
うっわ!イケボ!
イケメンかどうか確認したいんだけど、何だか上手くいかない。
『少しずつ慣れてください』
そんな事してたら夜が明けるんじゃない?
と思いながら、そこは無言にした。
あれ?話せるのかな?
『話せますよ』
あっっっ!
そうだ、脳内LINEができるんだった。
『そうですよ』
全部バレバレ
『慣れると調整できるようになります。』
それは嬉しいけど、それまでは脳内丸聞こえってこと?
『はい』
んーーーー
「ここはどこですか?」
『あなたが来るべき所です』
「もう少し具体的にお願いします。」
『場所というより空間でしょうか』
きたきた
いわゆる、よく夜中のアニメでやってる
「異空間」的な?
『まぁそうです』
「で、どのジャンルの異空間ですか?」
ズバリ聞いてみた。
『どのジャンルと言いますと?』
質問してるのに質問で返すのは失礼よ!
『すみません』
「あ、いえ、こちらこそすみません。」
「つまり、タイムワープしてるとか、地図には載ってないけど実は存在する島とかに移動したとか、または次元が違うところに来ちゃったとか?」
『1番近いのは「次元の違うところに来ちゃった」です。』
1番やっかいな感じ。
ここら辺で夢から醒めるといいな、と思っていたら本当に目が覚めた。
夢!夢だったんだ!
ちょっと踊りたくなる程ウキウキした。
あれぐらいの夢なら全然大丈夫だ。
何の実害もないし、なんならイケボ付きだし、
なかなか良いところだったし。
『それは良かったです』
「!!!!」
『初めてですので、極力短時間にしました。
次からだんだん長くなります。』
えーーーーっつ