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第八話

看守用の椅子のほかは辛気臭い囚人の寝顔しかない状況に嫌気がさしてきた二人は瞼が重くなってきた。

そこでエドは気晴らしにアデライドの顔でも見ることにした。エドは教祖に話していた通りシスコンの気がある。


アデライドを見ていると変な気分になりそうだったので、うとうとしていてこちらに気づいていない彼女からは数秒程度で目をそらした。

とここで、二人の眠気を覚ましてくれる珍客が地下牢に現れた。

いつもエドの世話をしてくれているメイドのトップたるメイド長であった。


「サンドラか。どうした?」


中々に熟した色気を放つ三十代後半くらいのメイド長サンドラは、片手に大き目の果物かごを下げて参上。

そしてデキる女としての確かな存在感をさっそく放ち始めた。


「殿下、こちらは軽食です。アデライドさんの分もあります。夜通しの任務には必要かと思いまして、差し出がましいようですが参りました」


「助かる。しかしサンドラ、よくここの場所がわかったな」


「では失礼致します」


サンドラは用を果たすと一瞬で牢内から立ち去った。あっけにとられるエド。

手癖の悪いアデライドはすでにかごの中からフルーツサンドイッチを取り出して頬張りながら言った。


「そもそも私たちの仕事のことも何であそこまで知ってるのでしょうね」


「副長たちが教えたのではないだろう。サンドラはうちに住み込みで接点がない。

それより食べよう。いずれ二人で食事でもと思っていた」


「意外とそういうお上手なこと言えるんですね」


「姉相手だと格好がつかないが……」


乾杯の飲み物がないので格好はつかないが、とりあえず二人はサンドイッチ同士をぶつけて乾杯のまねごとをした。

そして言うまでもない事だが、この世界にサンドイッチという食べ物は存在しない。

サンドラが作ってきたのは小麦を水で練った生地を糖分を分解して二酸化炭素を排出するバクテリアが膨らませることによって、ほどよい弾力を得たもの、つまりパンにフルーツを挟んだもの。

それと、塩コショウを振ったローストビーフと刻んだ生の青い野菜類、それにゆで卵のスライスを挟んだおいしいごはんである。

これをサンドイッチと呼ぶほか、筆者には良い案がないのでこのままいくこととしよう。


「明日……」


「はい」


「交代して休んだら、尋問を開始する。ご苦労だったな」


「夜はまだまだ長いですよ団長。二時間寝てていいですよ、私、起きてますから」


「なら起きたら、今度は卿が寝ていろ」


「嫌だと言ってもそうする気なんでしょう」


エドは許しを得たので、お言葉に甘えて冷たい牢の壁に頭を預け、目を閉じた。

食事をとった後は眠たくなるということもあり、エドは一瞬のうちに夢の中に落ちた。

目を覚ますと空はすでに白み、仄明るい光線が東に向いて取り付けられた鉄格子の隙間から斜めに差し込んでいた。

そして隣にはアデライドが、空の果物かごを挟んで座っていた。


「アデライド、私はもう起きた。眠った方がいいのでは?」


「いえ。それより団長。私はフレデリカの身体検査をした方がいいかもしれません。

何しろあの教祖の手下であった女ですから子供とはいえ油断なりません。もう少し寝ててください」


「ん、ああ……」


エドはアデライドが立ち上がり、牢のカギを開けてフレデリカのところへにじり寄っていくのを薄目を開けて覗く。

手足の拘束を解き、アデライドは次に上半身を剥いてフレデリカを裸にした。

エドは多少興味もあったが薄目で見ていてももしバレたら事なので、アデライドに断ってしばらく牢の外に出ていくことにした。


牢の外へ出ると、ちょうどいいところにキミッヒがかばんを手に提げてこちらに歩いてきた。

そういえば夜明けとともに交代をする約束であった。エドはキミッヒが大声を上げなくても会話できる程度に近づいてくるまで待ってこう言った。


「少し待てキミッヒ。ご苦労だが、中でアデライドが女の身体検査をしている」


「そうでしたか。ではもういいよと教えてくれるまでここで待っていましょうか」


「ああ。ところで私は昨晩思ったのだが、卿はフレデリカに惚れたのか?」


「決してそういうわけでは……」


キミッヒは目をそらした。そしてエドはため息をつく。


「コンラートのようになってもらっても困る。あの女は魔女だ。コンラートとて、普段はもう少しマシな人間であっただろう。

何かの術で操られている可能性もある。卿に一人で番をさせるのは少し不安だな」


「御心配には及びませんよ。僕は医者です。女性の裸にみだりに興奮しないよう訓練されてますから」


「だからと言って入ろうとするな。何考えているんだ」


といった問答を繰り返しているうちにアデライドが牢に続く扉から顔を出した。


「あらちょうどよかった。身体検査は終了です。キミッヒさん、あとは頼んだ!」


「ええ」


キミッヒがアデライドと入れ違いで牢に入ってからしばらく歩き、例の袋小路になっている壁に取り付けられた鉄扉を過ぎて、集積所まで来てからようやくアデライドが身体検査の結果を話し出した。


「団長。結論から申し上げますけど……」


「姉上なのだから敬語はやめてくれないか」


「どういう風の吹き回しですか? 急に距離を詰めてきて……嬉しいですけど」


エドは恥ずかしいので感情をこめず、真顔でこう言った。


「今はオフだ。仕事は関係ない、アデライド。だから私を団長と呼ぶには及ばないと言っているのだ」


「そうでしたか。ひとまず送りますね。あ、じゃなかった。エド、送るね。

この果物かごも返さないといけなし。確か……エーデルヴァイスの離宮だったっけ」


「ああ。ふと今思ったのだがアデライドは普段どこで生活しているのだ?

軍属ではあるだろうが、所属も特殊な死神騎士団、生まれも特殊なうえ魔術師の修行もしているのだろう」


「特殊な死神騎士団だからね。恐らく全員帝都に大きな家を持ってる良家の子弟だから、実家から通ってるんじゃないかな?

私もマリダルズヴァンネの離宮に住んで通ってるの」


「マリダルズヴァンネというとおじいさまがおられるところか。会ったことはないが、おじいさまはお元気か?」


おじいさまというと無論初代皇帝である。九十近い老体で、もはや生きているほうが奇跡に近い。


「寝たきりなの。私も見たことは……ところで例の身体検査の話だけど」


「うむ。私から話を逸らして悪かった」


「フレデリカ本人は魔法を使えないようだった。しかし何らかの術式を教祖にかけられていた。

あの術式はとても複雑で私も初めてのケースよ。師匠であれば何とかなるかもしれないんだけど……」


「フレデリカに術式がかかっている? またよくわからない用語が出てきたな」


「私もやったことはないんだけど魔法は文字に書き起こすことでも発動できる。

教祖はそれをフレデリカに、ふつうは見えない魔力の文字で書きこんだということみたい。

フレデリカ本人に魔術の才能はほとんどなかったわ。あれは何なのか……性格的に、フレデリカを守る術式というのはありうる?」


「教祖はフレデリカのことは大切にしているようだった。その可能性は高いな。

つまりこういうことか。もしそうだったら、下手に触ると反撃を食らう可能性があると」


「世界最強の魔術師の込めた魔力による反撃を、ね。だから私は知る限り最も高度な魔法使い、つまり師匠を呼ぶ。

忙しい方だし今すぐとはいかないけど、まあなるべく早く協力をとりつけるわ」


「よろしく頼む。送るのはここまででよい。また辛気臭い牢屋の中で会おう」


アデライドは疲れた顔ではありながら、嬉しそうに言った。


「はい」


「敬語はいいと言っただろう。ではさらばだ」


エドはそこから歩いて数分のところにある生家、エーデルヴァイスの離宮に到着すると、恐らく三階の窓からエドの歩いてくる姿をメイドが前もって発見していたのだろう。

メイドたち総出で出迎えを受けた。そしてエドはその中でも最も前列にいるメイド長のサンドラにバスケットを手渡す。


「美味であった。気遣い感謝する」


「光栄の極みです、殿下」


「だが解せんな。何故あの場所に?」


「知り合いが教えてくれましたので」


事務的な態度を崩さないサンドラにエドは諦念のようなものを覚えて不貞腐れ、まともな食事もとらずに寝てしまった。

次に起きたときは、朝方に寝たのにもう日が暮れ始めた夕方であった。

ベッドでぐずぐずしている間に鐘がなり、時刻が夕方十八時であることを知らせる。

偶数の時刻にしか鐘は鳴らないのと外の暗さから判断して、十六時でもなければ二十時でもない十八時とわかったのである。


このエーデルヴァイスの離宮は何しろ初代皇帝の娘で、かつ二代目皇帝の皇妃であった女性とその子供らのために初代が建設を命じた豪華絢爛な宮殿だ。

が、エドは皇妃とは血がつながらない。その上母親は極秘である。というわけで宮廷にはエドがここに住むことをよく思わない人もいる。

とはいえマリダルズヴァンネの離宮にいる初代皇帝はかなり昔から病気などで屋内にこもりがちで、エドに関して否定の言葉も肯定の言葉もかけたことがない。

そのため宮廷の人間も表立ってエドに何か言ったり、したりすることはいまだかつて無かった。

メイドたちも従順そのものである。エドが三階の寝室で起きて一階に下りてくると、階段前の曲がり角を曲がってくるサンドラと鉢合わせした。


サンドラはちょうど料理を運んでいる途中だったらしくこう言った。


「これを運んだら起こしに上がろうかと。夕食はちゃんと召し上がって頂きますよ、殿下」


「ご苦労である。もちろん夕食は食べる。ところでサンドラ。この家にはメイドを除くと住人は何人いる?」


「陛下は滅多にお越しになりませんし、皇女殿下もご結婚なされ今は。

ですからエド殿下のみになりますね。寂しいのですか?」


「そんなことは言っていない。メイドはお前も含めて十人もいるし、手は空いてるだろうと言っている。

やはり団員がわずか六名だと不便も多い。連絡員が必要なのだ。メイドの中から誰かひとり融通してはくれまいか、サンドラ」


「連絡員ですか。文字の読み書きが出来る子がいいでしょうね。では食事の際にでも」


「わかった。よろしく頼む」


エドは一階のダイニングに向かった。無駄に大きなテーブルは来客のためにダイニングの中央に設置されている。

しかしもはやここに団体の来客はまず来ない。エドに未来も権力もないと宮廷の皆は知っているからだ。

だがエドは別に寂しくも何ともなかった。メイドたちはエドと一緒にこのテーブルで食事を囲む。

対等に話をしてくれるわけでも友達になれるわけでもないが、それでも広い部屋に誰もいないよりはずっとマシだった。


と、そんなエドたちが食事をしているところでメイド長が言った。


「私からお知らせがあります」


最も年長のメイド長の言葉には当然メイドたちも耳を澄まし、食事の手も止まる。サンドラは続ける。


「馬に乗れて文字の読み書きもできる。そんな高い教育を受けた子を殿下は所望です。

ですからガブリエラ、あなたが適任だと私は考えます」


この作品の女はサラ以外全員名前が長いという法則である。ガブリエラと名を呼ばれた十八歳くらいのメイドはエドの横で食事をしていたが、衝撃の告知を受けて危うく口に含んでいたスープを吹くところであった。


「噓でしょメイド長! 私がそんな大役……!」


「ちょっと待て」


エドはサンドラにまっすぐ面と向かって言った。


「馬に乗れるなど教育が行き届いている女。私はお前のつもりで言っていたのだサンドラ。お前ではだめか?」


「私はメイド長としてこの子たちを統率していく義務がありますから」


「やれやれ……年頃の女をいつも侍らせているのは心証が悪いので嫌だったのだがな。

もういい。ほかにもあてはあるのだ。では私は仕事があるので出かけてくる」


エドは食事を済ませていたので、すぐに席を立って出ていき、馬を走らせた。

馬は、エドの団長就任以来一度も誰も入ったことのない、死神騎士団の団長室へと向かった。

処刑という職務を行う関係上、これも牢屋のすぐ近くに存在し、ほかの兵団などとは全く別になっている。


団長室は埃っぽく、ほとんど使われていないことをそれ自体が如実に物語っていた。

壁際には書類が所狭しと積まれている。その全ては処刑対象の資料や処刑したことの記録などの細々した実に誰にとってもどうでもいいものである。

エドはここにやってくるとマリダルズヴァンネの離宮にいる例のアデライドの師匠に向けて感謝のお手紙を書いた。

もちろん誰かに届けさせるのではなく今度会ったときに直接手渡すのである。

その次に手掛けたのはキミッヒへの手紙である。彼の兄弟が宮廷の高級役人であると聞いている。

そこで兄弟の誰かを連絡要員として死神騎士団で雇えないかという相談の手紙だ。


これを書き終えるとエドは資料にいくらか目を通し、死神騎士団の伝統を学んだ。

伝統といっても大したことではない。エドは形から入るタイプなので騎士団の伝統が知りたかっただけで、表面をなぞる程度である。

騎士団の伝統によればキミッヒ家だけは昔から死亡を判定し、囚人を刑の執行までは絶対に死なせないための医者として一つのワクを持っている。

そして処刑人は一人、最も腕の立つものが選ばれる。

団長以下はその予備であり、処刑される者を引っ張って処刑台に乗せたり、死体を処理したりする穢れた役目だ。

団長はそういった泥を被る穢れた仕事を率先して引き受ける。それが伝統だとエドは学び、すぐにまた馬とともに地下牢への入り口に向かった。


中に入ってみるとキミッヒが一人でウトウトしながら座って番をしているところであったので、エドは彼の肩にそっと手を置いた。


「うぁっ! これは団長、いや寝てませんよ!」


「心配するな。そういう話ではない。これを受け取れ」


エドは例の手紙をキミッヒに手渡した。


「私は交代について特に指示は出していないのだが、あれからどうなった?」


「もちろん夜明けからずっと僕が。別に交代は必要ないんですがね」


「交代はさせる。日付が変わるころには帰ってくれ。私が引き継ぐ」


「は、はい」


「帰ったら空いてる人間に連絡して朝には交代するように伝えてくれ。それに手紙を読むのも忘れるな」


「わかりました。しかし団長、日が変わるにはまだまだ時間がありますよ、それまでどうされるので?」


「そうだな。では父上にお目通りを願っておこう。直属の部下が直属の上司に仕事の進捗状況を報告するのは当然のことだ」


「わかりました。お気をつけて」


「ああ」


エドはキミッヒをおいて出ていき、すぐに馬にまたがって厩舎へ向かった。

皇族の馬を一括管理する厩舎には一流の調教師もおり、中には所狭しと毛並みや体つきの立派な実に美しい馬たちが密集している。

どの馬をとっても品評会などで賞を取りそうな馬たちだ。もちろん皇帝の馬もいる。

その馬は今エドが乗っている馬の父親だが、まあその話は長いわりにさほど重要ではないのでカットしよう。

エドは帝国随一の調教師に馬を預け、その後は徒歩にて以前に紹介した例の”謁見の間”に向かった。


謁見の間にいるキミッヒの兄に話をすると、とりあえず一度は皇帝に取り次いでくれる。

その後皇帝が来てくれるかは運次第であるが、実の息子のエドの指名である。

皇帝はどこで何をしていたのかはエドにもわからぬが、ともかく一時間もしないうちに時間をとって謁見の間にやってきてくれた。

当然エドはその一時間、一歩たりとも謁見の間からは外に出ずにじっと待機していた。


皇帝が奥にある居住地から出てきてエドの遥か頭上の玉座に座ると、少し間をおいてこう声をかけた。


「エドよ。何か仕事に進展があったのだな。この余に報告があるというからには……」


「は、陛下。邪教の教祖に金を送るため金持ちどもを色気でたぶらかしていた魔女を、部下が捕らえました。

現在は死刑囚用の地下牢に収容し、尋問の準備を行っている次第でございます」


「そうか。進捗は?」


「まだ始まっておりません。教祖が魔女に施した術式は難解で、アデライドにもまだ全貌が掴めていないとのことです」


「左様か」


エドは皇帝の反応を見て、こう言った。


「陛下。教祖が魔術師であるということをほとんど確信してこの任務に私を送り出されたのですね」


「無論だ。魔術師というものが本当に存在するとなれば民心は揺れ動き、秩序が乱れ、ひいては国家の危機となる。

そのことは言うまでもなく貴様も理解しているはずだな。心して任務を続行せよ」


エドは何か反論しようと思ったが、それはやめておいた。皇帝はこの任務のためにアデライドを用意していたのだ。

少なくとも二年前から。もちろんエドを助けるために。エドは反論の代わりにこう言った。


「その魔女ですが……本人は教祖の教えにも興味はないと言っています。

情報を吐けば命は助けると約束しています。陛下のご裁可を頂きたい」


皇帝は実に興味なさそうに頭をぽりぽりと掻きながら答えた。


「情報を吐くならその娘の罪は問わぬ、好きにせよ。では余は今から行くところがあるのでな」


皇帝は玉座から立ち上がって奥へと消えていった。皇帝は極めて苛烈で、そして有能かつ異常に勤勉な独裁者として諸外国にも有名だ。

恐らく内務大臣兼大蔵大臣のシャハトとでも会談する気であろう。エドは皇帝が姿を消すまでひざまずいて赤いじゅうたんを睨んでいたが、やがて立ち上がって自分も外へ出た。


外へ出たところ、謁見の間に用があるのであろう馬車とエドは鉢合わせた。

もしやと思い注視してみると、やはりそこから降りてきたのは大臣のオットー・シャハトと、その息子で死神騎士団メンバーのエミル・シャハトだった。

当然降りてきた親子はエドにとっくに気づいており、丁重に挨拶してくる。


「これはこれは団長、御父上とお話をされてきたのですか?」


「うむ。大臣殿もこんばんは。息子さんとは今初めて話しました」


大臣と皇帝は蜜月で、何やら良からぬことをいつも二人で企んでいるような男たちだ。

大臣は別れ際、エドにこう言い残した。


「皇子殿下。相当に働きづめでおられるとか。そんな殿下のお休み奪うことになって恐縮なのですが、食事会の日程を今から陛下と相談するところでして」


「決まり次第お知らせください。シャハト殿のお誘いであればいつでも」


エドはそう言って大臣と別れ、謁見の間からそれほど離れていないマリダルズヴァンネの離宮にその足で向かった。

もちろんここに師匠と呼ばれる女とアデライドがいる。アポなしだが、エドは特に気にせずに離宮に足を運び、玄関をノックした。

このエリア、アウステルリッツの丘は皇族居住区であるが、一度中に入ってしまえばセキュリティは甘い。


エドのノックに応えて出てきたのはアデライド。用事を察し、彼女は打ち解けた様子で言った。

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