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願いを叶えなさい②

 

 私は伯爵家の双子の妹として生まれた。



 お姉様とは仲がよかったけど、いつも元気なお姉様が羨ましかった。私は生まれつき体が弱く屋敷の中で過ごすしかなかったから。


 お姉様は外の世界のお土産を沢山くれた。

 お花にお菓子、服や髪飾り何でも、、

(でもそれが逆に辛かった)

 私が行けない所にお姉様は行ける、私が出来ないことをお姉様はできる。その事実を突きつけられているようで、妬んだわ。

 いつしか、お姉様も苦しめばいいのにと思うようになった。



 お姉様が街へ出掛けたある日、あの人に出会った

 あの人は突然家を訪ねてきて、お姉様がいるか聞いたわ。

 使用人が返事をする前に、階段から降りてきた私と目が合い私をお姉様の名前で呼んだの。

(あぁ、お姉様を私と同じように苦しめられる)



「お姉様、、、市場にあるリンゴが食べたいの。隣国から仕入れたという真っ赤なリンゴが」


「リンゴ?わかったわ、今日は街へ行く用事があるから買って帰るわね。用事も済ませると夕方頃になるけれど、大丈夫?」


「ありがとう、大丈夫。楽しみに待ってるね。」




 お姉様が留守の日に約束をして、あの人と会うようになったわ。私をお姉様だと思っているけれど、私は彼に惹かれている。


 何回か会っていると、お父様があの人との婚約を進めてくれたの。あの人も了承したと聞いて本当に嬉しかったわ。

 だから、、私はお姉様じゃないと打ち明けることにした。


 私を愛してくれると信じていたから






『君は、ーーーーじゃないんだね』


 けれどあの人は、私を受け入れてはくれなかった。





 呆然としながらお姉様の部屋の前を通ると、扉の隙間から何かがキラリと光っていた。

 中に入ると、机の上には青い石が置いてある。


 とても美しいわ。



 手に取り見いっていると、外から声が聞こえた。

 あの人とお姉様が楽しそうに話している。


「あぁ、またお姉様なのね。またお姉様だけ手に入れてしまう。」



 お姉様も不幸になればいい。あの人と結ばれず、すれ違えばいいのに。




 願うその手には、青い石。




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