説明のみのプロローグです
プロローグは面白くないです。スルーしてもらっても構いません。
読まなくても後から少しずつ説明などは加えて行きますが、大前提として予め知っておきたいと言う方はぜひ読んでください。
統一歴。これは史上最悪の戦争となった『邪神戦争』が終結した時に初代勇者と初代魔王が交わした平和条約を記念して作られた暦である。
そして今は統一歴1440年、これまで人間界と魔界は平和条約に則り戦争はなかったが、大きな力を持ったどちらかの貴族などが平和条約に不信感を覚え何度かクーデターやテロなどが起こったが両界が協力して鎮静又は阻止してきた。
条約を結ぶ前は人類が魔族を殺し、魔族が人類を殺し憎み合う関係だったが今では逆に双方が信頼、尊敬さえもしあえる関係になっている。
しかし今は二つの問題に直面している。それは統一歴以前から問題になっていた魔盲、いわゆる魔力無しである。これは魔法が使えるのが当たり前と言う世界において致命的な症状である。それは魔界でも人間界でも同じことで肉親、または実の親からでさえもよく思われない事が多い。
そしてもう一つの問題は邪神が20年以内に復活の兆しを見せたと言う事であった。邪神は封印されている。これは誰もが知っている事実であり誰もが危険視している事でもある。それなら封印から1440年も経った今、邪神の復活が何故問題視されているか。
理由は一つ、今復活されては邪神を封印する術がないからだ。間違ってはいけないのが封印する事自体はできる。封印の方法も初代勇者と初代魔王により確立された方法がある。なら何故?何も問題ではないではないか、そう思う者がいるだろう。しかし出来ないのである。
何故ならその方法とは200年周期に訪れるマジックストーム、魔素の嵐と言う世界中で起る気象現象を利用して行うからである。このマジックストームが起こった時に生じる魔素、また魔力は初代勇者、初代魔王、そして邪神の魔力を全て合わせたとしてもぎりぎり届くか否か、それほどの魔素を帯びた嵐なのである。そして人類と魔族は200年に一度、三日三晩かけて邪神の封印を補強しているのだ。それが行われたのが40年前の事。
しかし39年前、即ち封印の補強が行われた翌年に何故か邪神の力が急激に上昇した事を確認、封印にも亀裂が入りこのままでは60年と保たずに封印が破壊されると言う結論に至った。
次のマジックストームはあと160年後、マジックストームを利用する方法以外で邪神を封印する術を見いだしていない今、世界は邪神戦争以来の危機に立たされている。
邪神復活が分かってから39年、未だに邪神封印の方法の糸口すら見えていない絶望的状況であった。
そんな中で人間界と魔界で二つの命が生まれた。
人間界では魔盲と呼ばれる者が、魔界では神童と呼ばれる者が。
この物語はその二人を中心に世界に名を刻む者達の物語である。