秘密の地下室
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実加と奈月は薄暗い地下へと降りていった。階段を降りしたにつくと長い廊下が現れた。それを歩いていくと冷たい岩壁の続く奥に鉄格子のはまった牢屋がいくつも見えた。奈月はゾクッとして実加にしがみつき
「まさかここって拷問したりする所なのかな」
と実加に言うと
「そうね、ここに閉じ込められた人達は皆殺されたんだと思う。あれなんか痛そう」
と言い指を指す方を見ると何本もの長く太い釘が出ている板があった。その言葉に奈月が
「あれ押し付けたら絶対に痛いって、私は嫌だからね痛いのも死ぬのも死体とかみるのも。ああヤッパリ戻った方がいいのかも」
と言うと実加が
「大丈夫、今はまだ血の匂いはしないから」
と言った。
血の匂い?実加さんたら何を言ってるの
と奈月が不思議に思っていると
「ほら、あれを見て」
と実加が言った。奈月がその方を見ると石で作られた台がある。
2人は側によって見た。その台の周囲には溝が掘ってある。
「多分、昔はここに人をのせ首筋とかから流れる血をこの溝に伝わらせてあそこに集めてたんだわ」
と実加指を指した方を見ると小さな池のような物がある。
「実加さん血を集めるってどう言うこと?」
と奈月が聞くと実加はハッとして
「そうねそれはきっと儀式のようなものなんじゃなないかと思うんだけど、ほら海外で神や…ううん悪魔に生け贄を捧げていた国があったでしょ」
と言った。その言葉に奈月は思い出し
「うんうんあったあった、なるほどそれかぁって、悪魔?悪魔なの?」
「あっそれは…どうかな」
と言い歩き出した実加に奈月は震えながら
「ちょっと置いてかないで、だから悪魔なの?ねぇ実加さん悪魔がここにいるの?ねぇ」
突然、実加が立ち止まった。そして
「少し静かに、誰かに見つかったら大変よ。それにまだ奥に何かあるみたいだし」
と言い指差した。2人が恐る恐る入っていくと壁にチェーンや斧やサーベルが飾ってあり棺桶のようなものも立て掛けてある。
これって棺桶?
と奈月が近寄りさわるとギーと音がして扉が開いた。
「奈月さん危ない」
実加があわてて奈月に駆け寄り腕を引っ張った。
中から先のとがった棒が何本も飛び出てきた。
「ごっごめん」
と奈月が震えながら言うと実加が
「不用意にさわらない方がいいわ、何があるか分からないんだから」
と言い奈月の肩をさすった。奈月は頷きながら
「うん、ありがとう実加さん」
と深いため息をついた。落ち着きを取り戻した奈月と実加はさらに奥に向かって進んでいった。
シーンと静まり返った中に二人の足音だけが響いていた。
ふと目の前に今までの牢屋とは違う扉が見えた。
二人が慎重に扉を明けて入って行くとそこには白い台が二台あった。
「ねえあそこの台は新しい物みたいだよ行ってみようか」
と言って奈月が近寄っていくのを
「まって奈月さん」
と言い、あわてて実加がついて行った。先に台を見ていた奈月が
「ヤッパリ最近のものだよ、何かこれって手術台っぽくない?」
と言うので実加はまわりを見渡してその台を見た。サイドテーブルには色々な用具がおいてある。
点滴用具だわ、こんなにたくさんの手術器具や機材をどこの病院から持ってきたの?
と思っていると奈月が
「これってお医者さんのやつだよね?でもこの家にお医者さんっていないような…なんの為なんだろう」
そんな奈月に実加が
「奈月さん戻ろう、今すぐに」
「え?」
「いいから早く」
と言い走り出した。奈月が訳も分からずに追いかけていると
「もうすぐ奴らが来るから」
奴ら?うわぁ
少し濡れているところで奈月が滑りこけた。
「大丈夫?」
「痛たたた何とか大丈夫、ん?なにこれ」
奈月の手になにかが触った。実加が不思議そうに
「どうしたの?」
と聞くと、それを手に取った奈月は
何だろうこれ…写真みたいだけど
「ううん何でもないい」
と言い立ち上がった。実加はほっとして
「急いで」
と言い階段に向かった。奈月は写真をポケットに入れ
なんだか分かんないけど、とりあえず持って帰るか
急いで美加の後をついていった。その奥で低く声が響く
「ここを見つけたようだな、どうするか…」