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雪国の道路除雪事情

作者: 奥森 類

 雪が降らない地域の方、降るけど積もらない地域の方、そして降るし積もるしさっさと春になってもう雪かきから開放してくれという地域の方、こんにちは。

 1~2センチ積もって首都圏の交通が麻痺! のようなニュースは今冬はまだ見ていない気がしますが、麻痺したからと言って雪国民の多くは見下したりはしてないですよ。

 雪国は多少積もったくらいでは問題ないように行政が頑張ってくれているので、年に1~2回降雪するだけなら準備するのは時間と金の無駄ってちゃんと分かってます。地域によってその地域の事情があるのです。



 私は北の大地の都市部の、とある地域に住んでいます。

 学校の先生に教わったのか何かのニュースで観たのか失念しましたが、この規模の都市でこの規模の降雪のある地域というのはここだけだよ! と言われました。事実かどうかは知りませんし、特に調べる気もありませんが。

 そんな地域で日夜行われる除雪について今回少し語ってみます。

 ただし一市民目線ですので、正確な頻度・名称・基準等は分かりませんので、その辺りは適当に紹介する感じです。

 これからの時期、北国への転勤辞令が出る方もいらっしゃるかと思いますので、「ふぁー、こんな感じで除雪が入るのね」とふんわり受け取っていただくと嬉しいですね。



 余談ですが積もらない地域民の方、積もった時に多分転びがちだと思います。

 よく言われる「ペンギン歩き」をすることで転倒をある程度回避できますよ。いまいちイメージできない人は「太ももで歩く、靴は地面と平行にして余計な力は入れない」感じで歩くといいかな。

 あと横断歩道を歩く際は白い部分は踏まないようにしましょう。あそこはツルツルゾーンです。

 北国は白い塗装にホタテの殻を混ぜて滑りにくくしている所もあるそうですが、どんなに工夫したって滑る時は滑るんです。

 もし雪が積もったら試してみてください。




 さて本題。「除雪」についてです。

 除雪は主に2種類あります。


 ① 各家庭で行う除雪

 ② 行政が行う除雪


 おそらく非雪国民の方でも①の各家庭の除雪はなんとなく想像できるでしょうから、今回は②の行政が行う除雪についてお話しします。




 行政がしてくれるのは、「道路」と「歩道」です。

 雪が降ったぞ! となった時にまず除雪してくれるのは国道・道道からでしょうか。とにかく大きい道から重機を使ってゾリゾリと元気良く歩道側に雪を除けて行ってくれます。これは昼夜関係なくある程度積もったら出動するようです。

 運転中の自分の車線でこの除雪が行われていても、必ず誘導員さんがいます。

 慌てず徐行しながら誘導員さんの指示に従えば大丈夫です。

 狭い道の場合は、交差点で誘導員さんが「今通れないから迂回してー!」と合図を出してくることもあるので、どこまで通行止めかなぁと目視してから迂回しましょう。よくあることです。


 この時にいわゆる「雪山」が道路と歩道の間に積みあがります。



 そして人が外を歩かなくなる頃、多分22時くらいから歩道の除雪が始まります。

 私の地域は「小型除雪車」がじわじわと走っています(雪を飲み込んで吐き出す感じの重機です)。

 これも誘導員さんとワンセットで動いているので、歩行中にこの車が居れば誘導員さんと目を合わせて「どうすればいい…?」と上目遣いで心で語りかけると、「こっちを通ってくれればええんやで」と優しく誘導棒で導いてくれます。

 見ず知らずの人と言葉を交わさず心を通じ合える、なんだかちょっとロマンチックな気分になれますよ。


 こうして先ほどの車道の除雪と反対に、車道側に雪を排出します。歩道と車道の間ですね。

 そう、雪山は育っていくのです。

 しかも、住宅地であればその雪山に各ご家庭の玄関先や、小型除雪車が除雪していない部分の雪が積み重なるのです。


 道路・歩道・各家庭からの邪魔な雪が積み重なってしまう。

 道路によっては積雪10センチだとしても1ターンで30センチ以上雪山が高くなることもあるでしょう。

 積雪は1回では済みません、何度も何度もあいつは襲ってくるのです。

 天気予報ではくもりだった癖に、いざ1日終わってみると知らん顔で雪が10センチ以上積もってることもあるのです。

 雪が降る度に各家庭での雪かきの難易度が上がっていくのが、これだけでよくご理解頂けるかと思います。




 これだけ除雪を頑張ってくれているのに、なぜか道路に雪が少しずつ重なっていき、挙句の果てに恐ろしいほどの深さを持つ「雪のわだち」ができあがることもあります。

 折を見て(これに関しては本当に基準がどうなっているのかよく分からない)、別の重機がゴリゴリゴリとわだちを含めた雪を表面から剥がして雪山に合流させてくれることもあります。


 雪のわだちの何が怖いって、素直にハマれば車のお腹がわだちの間の固~い雪でゾゾゾゾと、大根をおろす音を生理的に嫌悪を抱ける音程にして、しかも振動も伝えて運転者を間接攻撃してくることですかね。

 この状態になる度に、私は「あっあっ削れるっ!! やっばーい!」と奇声を発しながら…しかも目をむき出して笑顔で叫んでしまうものです。

 精神的にヤバイ。


 普段の除雪作業も、もちろん平身低頭で謝意を伝えて祈りを捧げたいとは思ってますが、車のお腹ゾゾゾゾ攻撃を受けた後のわだち解消除雪に関しては、言葉もなくただただヘヴン状態になれます。




 さて、ただ雪山を積み上げるだけではいずれは道路・歩道・各家庭全てが限界が来る時が来ます。

 もう積み上げられねぇよ!!

 いくらデッカイドウは道路広め・歩道広めって言ったってスペースは限られている……3車線の道路は当たり前のように2車線になる。そして1車線の道路の道路なんて対向車分と合わせて「完全に単線道路」状態になることなんてザラです。

 ここで待ちに待ったあれです、地域によっては無いかも知れないサービス、「排雪」の出番です。


 「除雪」は文字通り雪を「空いている(空いているとは限らない)スペースに寄せる」ことに対し、

 「排雪」は「雪山を削って別のところに持って行ってやるぜ!!」という男前なサービスなのだ!




 ただし、この排雪は運転中は難敵である。

 排雪中に道路が色々なもので占拠されてしまうからだ。

 「排雪の重機」、「雪を受け取るダンプ」、「雪を受け取るダンプの控え」×数台…

 多分ですが雪山5メートルくらいに対してダンプ1台くらいなので、控えが何台もあるのは仕方の無いこと。

 しかし1車線の道路でこれが行われていると完全に通行不可能になってしまうので、あれだけ心の広い誘導員さんが割とマジ顔で「もうこっち無理だから!! あっち行って!! こっち無理!!」と存外適当に誘導して来るのです。

 

 そして排雪は割と時間が掛かる。

 排雪しているのが自分の家の前の区画の場合、1時間以上車を自宅に入れられないなんてこともザラにあるのである。


「はぁ~、お昼の弁当も買って来たし家に戻ったら限界来てるし、トイレに行ってスッキリしてから昼飯食うかぁ」

 なんてふんわり考えていたら家に戻れなくて、何もできない上に膀胱も限界、しかも空腹でやばい! なんてことが起こったりする。

 ちなみにこれは私の父の体験談でした。




 とにかく除雪作業・排雪作業をされている業者さんには頭が上がりません。

 天気予報によって待機・出動なのだとは思いますが、本当に生活を支えて頂いていると毎冬実感しております。

 本当にありがとうございます、あなた方なしでは私達は冬を過ごすことなんてできません。

 業者さんがホクホクできる収入を得られて、しかもそんなに積雪しないみたいな都合のいい冬が毎年来ればいいと思います。




 ということで、一市民目線の北国の道路の除雪状況についてでした。

 

 各家庭でどんな除雪をしているのかが気になってご覧になった方はすみません。

 なんだか何を言いたかったのか最終的に良く分からなくなってしまいました。


 非雪国民の方が、これを読んで「ふぁー、もしあっちに引越しになったらこんな感じで除雪入るんだなぁ」という感じで受け取って頂ければそれでいいと思います。




 ここのところデッカイドウは気温が緩んでいますね。

 屋根の雪下ろしの事故が増えていますので、雪下ろしをする方は腰紐つけたり近所の人に「雪下ろしするわー」と声掛けするなどして備えて事故を防いでいただきたいです。

 雪に煩わされる日々もあと少しで終わりです。

 あと半月、大雪が来ないようにみんなで祈りましょう。

久しくまともに文章を書いていなかったので、練習気分で書いてみました。

みなさん、今冬の雪事情はいかがでしたか?

雪国民の方は、命大切に、腰大切に、雪かきしながら春を待ちましょう(腰痛持ち)

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