第1章 星が好き
君は運命というものがあると思いますか?
僕が、付き合うという事に興味が湧いたのは中学校に入ってからだった。
それから、僕が彼女を好きになったのは中学校2年の夏だった。彼女は同じ部活の後輩で、気が強く、背丈が140センチ代の小柄な子だった。
僕と彼女との出会いは、小学校のときで、親同士が知り合いで、同じ地域のスポーツクラブに所属していたからだった。小学校のときは特に何も思わなく、ただのチームメイトというくらいの関係だった。
そして、僕と彼女が再会したのは、彼女が同じ中学校に入学してきたときだった。
初めは、同じ学校にいることも知らず、彼女の初めての恋人は僕と同じクラスの友達だった。
それから、相談に乗ったり、先輩と一緒にからかったりするようになり、そうしている間に手繰り寄せられるように少しずつ好きになっていた。
それから、彼女と友達が別れ、それからも色々な相談にのるようになり、2人っきりで話すことが多くなっていった。そのとき、くらいから当時流行っていた手紙交換をするようになっていた。それで、テストの点数で勝負することになり勝った方が負けた方に1つ言うこと聞いて貰えるというルールで約束をした。 結果は、僕が負け彼女の言うことを1つ叶えることになった。 そして、どんな事を言われるのかと不安になっていると急に、「来週の水曜日、一緒に買い物行こう。」と言われた勿論断る理由もなかった。
僕らの学校は、毎週水曜日は職員会やなんやらで基本的に部活はなく、授業も5時限目までしかなくまさに、普段部活で忙しい学生達が遊び回るためにもうけれたような日だった。
僕は、彼女が好きだった。と気づいたのも最近のことであり、彼女の笑顔を見るたび好きだなとは思うが、想いは伝えられないまま時を過ごしていた。
そして、買い物に行く日僕は今日告白すると心に決め家を出た。
その日は水曜日で、部活がなく、いつもより学校が早く終わる日だった。その日は、朝からなんだか気持ちが落ち着かなくずっと、ソワソワしているまま放課後を迎えた。
終ホームが終わり、階段を下りると、下駄箱で彼女が待っていた。僕は、「遅れてごめん」と言い、2人で街に向かった。
彼女と行ったお店は、アクセサリーや、雑貨が並ぶスペースというお店だった。勿論、男の僕が1人で入ることはない女の子向けの店だった。そして、恋人ができたらこんなの一緒につけたいとか、言いながら色んな商品を見たが買わずに外に出た。
外に出ると、2人で店に来た道がどっちかもわからないほど暗くなっていた。そして、座って話すことになり、公園に向かった。男同士では座って話すことのない真っ暗な海岸に腰をつけ話し始めた。よく考えると、今日これまでほとんど会話という会話がなかったこともあり、2人っきりが始めてというわけでもないのになんだか少し緊張していた。
話していた時の、彼女の顔は願いを叶えたのにどこか、寂しそうで、切なく見えた。そしてそんな顔を見ていると僕の口から言葉が溢れた
「俺、星が好き雲がない日に見える星が、ほんでお前も…」
そういうと彼女は恥ずかしそうに僕を見て、
「私も…」と言った。
僕は、嬉しかったが、その場では緊張の方が大きくまるで心臓が飛び出そうなくらいドキドキしていた。その時の僕は勢いでなんでも言えるような気がして、「月が綺麗」なんて、臭い台詞まではいていて、いい思い出ではあるがなんだかんだでその日のことは黒歴史でもある。
何気なくした告白ではあるが、この言葉が僕の人生で最初の告白だった。




