プロローグ
「優香里先生さよなら!」
女の子達が明るく声をかけてくれた
「はい、さよなら」 と笑顔で女の子達を見送り
急いで屋上まで向かった
何故屋上に行くの?と聞かれると
実はある生徒に呼び出されているからだ
しかもその生徒は女の子。
でも、なんで屋上なんだろう?
相談とかなら部屋とか借りるのに…
何だか胸騒ぎがする
まさか…!
そう思い運動があまり出来ないくせに階段を上る
足を早く動かす
普段から人がいないため
私はすぐに屋上まで来れた
そして屋上の扉を勢いよく開けた!
『バサァ…』
聞き覚えがない音と共に
私はとんでもないものを〝見てしまった〟
あの生徒の姿はなく
黒い体、大きな羽、鋭い爪と牙
そして…青色の瞳。
「先生、私…〝バケモノ〟なんです」
バケモノがいた。
「あ…あ…。」
あまりにも非現実なことが目の前に起きたせいか
私は腰を抜かして地面へと倒れてしまう
「先生、大丈夫ですか」
そう『バケモノ』らしい低い声と共に
黒くて大きな手?が私の腕を掴み
ゆっくりと私を起こしてくれた
「…。」
まだ落ち着けないせいか『ありがとう』 という
単純な言葉も出ない
すると『バケモノ』 は目を閉じて
ゆっくりと深呼吸をすると
私よりも大きな体がみるみるのうちに
小さくなって
〝あの生徒になった。〟
「あ、あなたは!」
〝あの生徒〟とは私をこの屋上に呼び出した
古川 楓さんだった
「すみません。先生突然なんですが…」
〝私と契約してマスターになってください〟
これがきっかけに。
私(先生)と彼女の
物語のはぐるまが
動いた…。




