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阿呆な僕の物語  作者: いおら
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復讐

 見切り発車の骨休め作品でございます。そこまで長くはなる予定はありませんので暇つぶし程度にどうぞ。

 正直僕は阿呆だ。ただの復讐を誓う男。僕は生まれた時からそうだったのかもしれません。物心ついたとき、僕たち一族は皆殺しに遭いました。幼かった僕はどうにか殺されずに奴隷として働かされるようになりました。でも、僕は誰がどう見てもダメな人間でした。何かをやれば何かを壊す。海から網を引っ張る時は網を引きちぎってしまう。船を漕げばオールを折ってしまう。

 もうだめなのかもしれない。僕はそう思っていました。母親代りの人は僕にパンを至急してくれます。でも、そのパンの中に害虫や毒などの混入物を仕込んであったり、あからさま嫌がらせをしてきます。僕の住んでいる村では牛のお世話は低俗の人間の仕事でもありました。彼女の嫌がらせに対して僕は大きな、すごく大きな恨みを持っていたんです。僕に追い打ちをかけた出来事。これは僕の父親の形見であるナイフを彼女に壊されたことです。僕はこれをきっかけに彼女への復讐を誓いました。

 僕は、世話をしていた牛を魔獣に食わせました。そして、魔獣を牛に化けさせて……僕は何事も無かったように、牛に化けた魔獣を彼女の方へと向かわせます。何の疑いもなく牛に化けた魔獣を彼女は迎え入れました。彼女が獣に近づいた瞬間。僕は獣にかけた変異の魔法を解き彼女を襲わせました。

 無残にも獣達に体を食い千切られて行く彼女を冷ややかな目で見下ろします。彼女は僕に命乞いをしてきました。でも、僕は彼女にこう告げます。

「母さん。貴女はどうせ死ぬんです。そのまま苦痛に打ちひしがれながら死んでいけばいい」

 僕にとって、彼女は憎むべき相手でした。殺す必要があったのか? 僕には分かりませんが、その時、僕はこの人を殺す事でしか自分の憎悪を抑える事はできませんでした。

 彼女は僕に呪いをかけようとしていましたが、そんな余力の残っていない彼女は僕の呪いの返しを受けて息絶えました。

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