人生の始まり
僕は何のために生きてるのだろうか。。。
何で神様は僕を生まれさせたのでだろうか。。。
この世に僕は必要だろうか。。。
薄暗い部屋のなか、なにもない部屋の中、ベットでパソコンを開いていた。
僕の名は〇〇。歳は20歳。今年就職が決まり、毎日だらだらとパソコンをつけて、ベットから出ない生活をしていた。友達も少なく、ただ自分は群れるのが嫌いということを自分に言い聞かせていた。本当は一人が寂しいくせに。。。
兄弟は、兄が一人いる。歳は25歳。ぼくとは正反対の性格をしていている。活発的で、人望が厚く、なにかあればすぐ行動に移すタイプだ。現在は、仕事で実家から離れている。親とは連絡を取っているらしいが、僕とは一切関わりがない。
ある日、兄が実家へと帰宅してきた。
「ただいま。」玄関先から兄の言葉が聞こえてきた。
僕はなんで帰ってきたんだと疑問に思っていたとき、「二階にいるんだろ?ちょっと来いよ。」
僕は呼ばれていたが、シカとした。すると、兄のほうから僕の部屋に入ってきた。
「なんだよ。いるんじゃねーか。返事ぐらいしろよ。だから友達いないんだぞ。」
余計なお世話だ。
「おまえ就職決まったんだろ。」
僕は軽く頷いた。
「お祝いに何か買ってやろうか。」
「別にいらないよ。何もいらないから、もう下にいってくれよ」
「そういわずに。せっかく兄貴か帰ってるというのに。ま、いいけど、明日隣町まで買い物行くからな」
兄はそういって部屋を出て行った。
なんだよ。勝手に決めるなよ。
僕は理不尽な兄の言葉を無視して、パソコンの動画を見ながら、ごろごろしていた。
ここはどこだ。
目を覚ますと、僕は真夜中、ビルの屋上に立っていた。
目の前には、高層ビルがズラリと並んでいて、まるで大都会にいるみたいだった。
僕の住んでいるとこは、大田舎だぞと思いながら、辺りを見渡していた。
すると、隣のビルから女性が立っていた。
女性は、明らかにこちらをみて、指をさしてきた。
人見知りな僕でも、さすがにわけがわからなくなって、「ここはどこなんだよ」と女性に大声をあげた。
「・・・・・・。」
女性は何かしゃべっていたが、何も聞こえなかった。
すると、突然、僕がいるビルだけが崩壊しはじめた。
「うわぁーーーー。」
何百メートルあるかわからないぐらい高いところから僕は落ちていった。
女性は、それをみて喋りだした。
「あなたは、何のために使うの?」
「起きろ!」
「はっっ!!!」
僕は兄の言葉で目が覚めた。
「やっぱり。夢だったか。。。」
「なにいってるんだ」
兄が僕の目の前にいた。
「なんでもないよ。」僕は寝ぼけながら言った。
「そうか。ならいくぞ。準備しろ。」
「え?どこにいくんだよ」僕は不思議そうな顔で言った。
「買い物だよ。か・い・も・の」
そうか。そういえば昨日そんなことを言ってたことを思い出した。
嫌々ながらも僕は着替えて支度をした。
「いってきます!」
僕は兄と一緒に家を出た。外に出るのが久しぶりすぎて、太陽が痛く感じた。
そもそも兄貴と二人で出かけるなんて何年ぶりだろうか。
隣町は、バスで一時間ほどで着く場所にあった。
バスに乗ると、兄が僕に話しかけてきた。
「おまえ、なにがほしい?」
「なんでもいいよ」
僕は興味がないような顔で答えた。
そんな顔をみた兄が、その返答を待っていたかのように
「じゃあ、俺が決めるからな!こういうのどうだ。」
兄が僕に腕を出してきた。その腕には、黒く、かなりシンプルな腕時計があった。
「お前も腕時計ほしいだろ。」
兄は嬉しそうな顔で言ってきた。
「じゃあそれでいいよ」
「それでなく、それがだろ」
「それで!!!」
僕はめんどくさそうな顔で言い返した。
しかし、それにしても何にも特徴のない、いや特徴がないことが特徴な腕時計だった。
「兄貴、それどこで買ったんだ?」
「今から行くところだ。ほら、ここで降りるぞ」
兄が降りるといった場所は、都会な場所ではなく、ただの田舎にありそうな商店街のバス停だった。
こんな場所で買ったのかよ。。僕はそう思いながら、兄についていった。
しかし、兄が向かった場所は、その商店街でもなく、離れた場所にある小さな店だった。
「こんな場所にいいの売ってる訳ないじゃん。」兄にそう言うと
「いいから、黙って着いてきな」と真剣な顔で言ってきた。
何だよと思いながら付いていくと、その店の地下に入っていった。
薄暗く、蝙蝠や鼠が出てきそうな場所だった。
「着いたぞ。」兄がそういった場所には、腕時計が何個も並んでいた。
しかし、人気が全然ない。どこで買えばいいのかさえわからない場所だった。
「さあ、選べよ。どれでもいいぞ。」
僕は店の中の時計を見渡した。まあどれでもいいやと思いながら見ていたら、ひとつだけ光って見えた時計があった。それを手にしてみてみると、兄と似たデザインの時計だった。
「これにするよ」と兄に渡すと、やっぱこれにしたかという顔で、受け取った。
「わかった。もう腕につけていいぞ。俺はあっちで会計してくるから」といって兄は奥のほうに進んでいった。商品を持たずに行った兄を止めようとしたが、とめられなかった。
僕が選んだ時計を腕につけてみると、さっきまで光っていた光がなくなり、少し青みがはいった黒の色が見えてきた。
「よく見ると、兄貴のと違うな」
どこが違うのかははっきり言えなかったが,たしかにそう感じた。
「じゃあ、もう帰るぞ。」兄が奥から出てきて、早速店の外へ出て行った。
「まってよ。兄貴!」僕は兄についていった。
「この時計いくらしたの?なんでこんな店しってるの?」と兄に色々聞くが、何も答えてくれなかった。
ただ、僕に一言こういった。
「おまえは何のために使う。。。」
僕は何を言ってるかさっぱりわからなかった。ただ、どこかで聞いたことある言葉だった。
そして僕たちは帰りのバスへ乗った。帰り道は兄と一言も話さずにいた。沈黙が続いて気まずいととおもっていると、橋の上でバスが急ブレーキをかけた。なんだ、なにが起きたのかと思っていると、バスが橋から落ちていった。その橋の高さは20mぐらいの高さで、僕は外を見ながら死ぬことを覚悟した。
「死んだ。。。。。。。。」
僕は目が覚めた。そこはベットの上だった。なんだここはと辺りを見渡しと、ここは病院だった。
「気がつきました?」と看護婦さんが僕に話しかけてきた。
「今、お母さんたち呼んでくるからね」
なんだ。僕は生きてるのか。死んだはずじゃないの。死んだはずだよね。
「ぼくは死んだんじゃないの?」と独り言を言って、テーブルに置かれた新聞を見てみた。
「バス橋から転落。」なんだこれ。ありえないだろ。
「よく無事だったね。橋か落ちて無傷ってほんとあんた運がいいわね」
無傷?無傷ってありえないだろ。。そういや、兄貴は無事なんだろうか。。
「母ちゃん。兄貴は無事なの」と母親に問いかけた。
「兄貴?なにいってるの。お前は一人っ子だろ!!頭おかしくなったか!!」
言ってる意味が理解できなかった。あんたたちも朝まで一緒にいただろ。
僕もさっきまで一緒にいた。そして何より、腕時計を買ってもらった。
ここにあるよ。なのに兄貴はなぜいない。いないことになっているんだ。
これが僕の本当の人生の始まりだった。。。