6,監禁②
暗闇の中に繰り返し映し出されるもの。
自分の父親の頭が撃ち抜かれる場面。
永遠にその場面が頭の中に流れてくるのだ。
これは夢だ。
それはわかる。
周りは暗闇で自分はその闇の中に浮かんでいるような感覚を覚えていたから。
夢というのは、頭の記憶が移動している時に見るもの、悠太が最後に見たものが反映されてしまうのも無理はないだろう。
だが、夢を見てからというもの、起きるのにそう時間はかからなかった。
おそらくは麻酔が切れたことによる夢だったからだと悠太は思った。
目覚めると知らない部屋にいる。
悠太はすぐにベットから飛び降り、部屋の中を確認した。
悠太の部屋も、人が生活するのには不便のないものが揃ったワンルームといったものだ。
起きてすぐだが、悠太の呼吸は乱れ、迷子のような感覚になっている。
ここはどこなのか?
何のためにここに連れてこられたのか?
そう考えている時、片側の壁がガラスであることに気がついた。
しかも、ガラスの先には見覚えのあるやつがこちらに手を振っているのが見える。
恐る恐る、ガラスにが近寄り、向こう側を見た。
手を振る人物は祥生だったのだ。
安心したのと同時に、彼は部屋に1人という寂しさを覚えた。
次の瞬間、悠太はびっくりして腰を抜かしてしまう。
目の前を白衣を着た人たちが通りかかったのだ。
しかも、こちらを見ている。
「お〜い!助けてくれ!閉じ込められたんだ!」
白衣を着ている人が助けてなどくれない。
そんな考えも生まれぬまま、悠太は叫んだ。
しかし、何も答えてはくれない。
微かに聞こえた声は…
「なんか言ってるけど、なんて言っているんだろう?」
白衣を着たうちの1人がそう言ったのが聞こえた。
どういうことだ?
同じ人間なのに、自分の言葉が彼らには伝わっていない?
向こう側を見ると、祥生は自分に向かって話しかけているように見えたが、ガラスとガラスの2枚越しでは聞こえるはずもなく、何を言っているのか分からなかった。
そんな時、どこからともなく声が聞こえてきた。
それもついさっき聞いていた声だ…




