6,監禁①
深い闇の中…どこまでも落ちていくような感覚。
これは…夢?
夢とは違う感覚が頭の中を駆け巡っている。
いや、頭の中を駆け巡っていないから暗闇なのだ。
そして、脳のごくごく1部だけが生き残り、夢のような感覚を祥生に与えているのだ。
この感覚は体感にして一瞬だった。
感覚としては大きな瞬きをしたのと変わりない。
けれども、目を開けた時、そこはあの部屋ではなかった。
気がつくと、ベットの上にいたのだ。
天井の色は白い。服も変わっていて、ホテルの中に常備されているものを上下に合わせたような物になっていた。
ここはどこだ?
まだ夢の中にいるのか?
そう祥生は思いたかった。
あの部屋で起きた恐ろしい光景を思い出すと腹の底から吐き気が込み上げてきてしまう。
人が死ぬ瞬間を見たのは初めてだ。
できれば、それも夢であって欲しいと思っていた。
が、この込み上げてくる吐き気は本物だ。
つまり、これは夢ではない。
顔を左に倒してみると、何より先に目に付いたのは、祥生から見て左奥の壁が全てガラスになっていたこと。
そして、人がそこを通っていること。
ガラスに気を取られていたが、部屋は家のワンルームのようになっていたのだ。
人間が生活をする上で必要なものが揃っている。
家具、風呂やトイレまで。
少し快適になった監獄というべきなのだろうか?
今すぐにベットから飛び起きてガラスの先を見に行きたかったが、通りかかる人がいるのを見ると、布団の中に隠れてしまった。
あそこを通る人々は同じ格好をしている。
忘れるわけもない、「あの格好。」だ。
白衣…
長谷川と、この施設に入ってから見た人が来ていたもの。
つまりここは、奴らの研究所の中…
そこで自分たちは観察をされている。
布団の中で祥生は呼吸が乱れてしまうのを必死に押さえようと頑張った。
しかし、動揺は収まらない。
これから何をされてしまうのか?
今は一体どれぐらいの時間が経っているのか?
もし次の日になっていたとしたら、見学をさせられるのだろうか?
気になることが多すぎる。
もう一度、反対のガラスの壁を見てみる。
そうすると、奥に自分の部屋と同じような部屋があることに気がついた。
ベットも同じ。
そして、ベットの上には誰かが寝ている…
あれは、悠太…なのか?




