3,アンケート②
迷いに迷った結果、書き終えることができたが、どれもこれも根拠があるものとは思えない文章が出来上がってしまったなと祥生は思った。
1問目。
Q,動物園は必要だと思いますか?
という問いに対し、祥生は「はい。」と答えた。
2問目。
Q,上の回答でそう答えた理由を教えてください。
これには「五感体験をして動物について学ぶことのできる施設だから。」と答えた。
実際、動物園がなければ、その動物の生息地に出向くしかない。
今の時代、動物のことについて学ぶことは大事だと学校でも習っている。
3問目。
Q,人間が動物を支配することをどう思いますか?
この問が1番難しいものだった。
どう答えたら良いものなのか全く考えつかない。
とりあえず、「あまり手を出すべきではなかったのかもしれない。」
と、曖昧な答えを書いて紙を机の上に伏せた。
悠太の方はまだ悩んでいるかのようだった。
勉強に対して真面目なやつじゃないから、文章を書くにも時間がかかるのは当たり前なのかもしれない。
5分ぐらいあと、ようやく書き終わったようで、ゆうたは紙を机の上に伏せた。
祥生は「やっと終わったか。」と呆れた表情を見せる。
彼は文章を書くのが苦手という訳でもなかったのだ。
そう、履歴書だって、添削もだいたい1回でOKを貰えるぐらいには文章力に長けている。
その祥生が悩む程の質問。
悠太が短い時間で書けるはずもない。
それでも、せっかち気味に祥生がなってしまったのは研修先であるという補正がかかってしまっていたせいであろう。
悠太も時々、横目で祥生の「急げ」という目配せに気づいてはいたと思う。
その度、「お前とは違うんだよ。」という返しの目配せが飛んできた。
2人が紙を伏せたことで、長谷川が動いた。
2人の机から紙を回収した。
「中身を確認いたしますので、もう少々お時間を。
自由に話したり、スマホを触っていただいて大丈夫ですので。」
そう言うと、2枚の紙に目を通し始めた。
祥生は悠太と話しながら、長谷川の表情を伺っていたが、目はやはり死んでいるかのようだ。
表情1つ動かさずにアンケートを見つめる様は、自分たちの意見に関心を示していないかのようで少し嫌気がする。
そっちが実施してきたアンケートだろと、祥生は心の中で囁いた。




