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動物研修  作者: アズキ


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1,専門学校

今回、この作品を書くことに関して少し話しておきたいことがありましたので、このような形で場所を作らせてもらいました。


今作品に関しましては、実際に動物の専門学校に通う私自身が感じたこと、想像したことを小説にするといった形になっております。


動物園側がかなり、過激なことや、非人道的なことをするシーンもいくつかあります。


ですが、実際の動物園で今のご時世、そんなことをしているところはないはずです。


ですので、あくまでもフィクションとして作品を楽しんでいただけると幸いです。


動物の専門学校に通っているのに、動物園を否定するかのような作品を書くのは自分でもどうかと思ってはいるのですが、思いついたものを作品にするのが自分のやり方なので、貫いていきたいと思います。


あくまでもこの作品は人間が動物に及ぼす不幸を描くために作った作品です。


全てが悪いというわけではありません。


どのように動物、自然と向き合っていくかが大事になってきます。


環境問題とかもそうですね。


以下を踏まえた上での閲覧をよろしくお願いいたします。


批判覚悟で書いたみたいなところもありますね。


なかなかアプリで、「はしがき」をすることもないと思うのですが、注意喚起的な意味合いも込めてなので、チラッと覗いてやってください。

1,専門学校


席に座りながらスマホを眺める。

もう少しで授業が始まる。

授業が退屈という訳でもないが、共通して授業はめんどくさいものなのだと小川祥生おがわしょうきは思った。


この動物専門学校に来てから2年目、既に2年生となった今、決まった進路もなく、残りの1年をダラダラと過ごす未来が見えているような気がしてならなかった。


周りの机には他の生徒が次々座っていく。

座ったあとは、ゲームやら、日常の話で盛り上がっているようだ。

始まるまであと5分程度だというのに、ご飯を食べているやつもいる。


今から始まるのは3限目。

2限終わりにはしっかりと50分の休み時間があるのに、その時間の大半は友達とのゲームや話に使ってしまう。

その分、飯を食べるのが遅くなってしまうのだ。

だとしても、流石に遅すぎやしないか、そんなことを思いながら席でスマホを眺める。


「ダルい」「帰りたい」「2限終わったら終わりでよくね?」

周りからよく聞こえてくるのはこんな会話だ。

学生であるうちの宿命とでも言えるだろうか。


好き好んで学校に行って、授業を受けるやつなんて聞いたことがない。

例え、そう言っているやつがいたとしても、大抵は嘘だと思っている。

本当は家に帰って、ゲームしたり、自分の時間を過ごしたいと思っているに違いない。


今日は3限で授業が終わる。

この授業を乗り切れば、あとは家に帰るだけ。

それに、3限の授業はそれほど退屈な訳じゃない。

講師の先生がかなり面白く、教室で笑いが起きることは日常茶飯事だった。


何よりも、動物園の動画を見せながら、飼育の仕方や昔の古いアナウンサーを面白いぐらいにディスるのだ。

そのディスる内容も事実に元ずいていることなのでさらに面白い。

そりゃ、笑いが起きるのも当然。

だが、それだけでなく、しっかりとした知識を自分たちに与えてくれる。


小川はこの先生が少し気に入っていた。

というよりも、そこまで嫌っている人はいないのではないだろうか。

嫌っている人がいるとしたらそれは業界の人だと思った。


時間になり、先生が教室へ入ってくる。

普通なら、ザワザワした教室が、シーンと静まり返るのを想像するだろうが、ここでは違う。

先生が入ってきたとしても、一向にザワザワとした空間は終わりを告げないのだ。


唯一終わりを告げるのは先生の号令の合図。


「始めよう。」


そう言うと、クラスの号令係が「規律、例。」と号令をかける。

その瞬間に一気に静けさが教室内を包む。

授業が始まった合図だ。


いつもどうり授業は進んでいく。

今日は座学だけで、動画を見ることはないが、それでもやはり先生の毒舌は衰えることを知らないらしい。

それが遺憾無く発揮された時、教室の中には笑いが産まれる。


ノートを取るのは少々面倒ではあるものの、気にならないぐらいには先生の話が面白いのだ。

あっという間に90分という時間がすぎ、3限目の授業が終了した。


今日は金曜日、やっと学校の1週間が終わるのだ。

もちろん、授業が終わって1番最初にすることといえば、スマホを見ることだ。

だいたいクラスの9割がそうする。


そうして、スマホを見た時、学校からメールが届いていた。

先月ぐらいに申し込んだ研修についてのメールだ。

通ったらしい。

明後日の日曜日から研修がスタートするということで、研修先からもメールが来ており、必要事項が書いてある。


持ち物、宿は向こうにあるらしく、それは助かる内容だった。

ただ1つ、『初日は親と必ず来てください。』とそう書いてあったのだ。


なんでなのかと疑問に思っていたが、行く時は親に送ってもらうと決めていたのでそこまで気にはならなかった。


「お!お前も研修通ったか。」


「てことは、お前も通ったってことでいいんだな?」


「お前もって言ったろ?これで一緒に行けるな。」


急に後ろから話しかけてきた彼の名は黒田悠太くろだゆうた。

パーマのかかった髪の毛に、バンドTシャツ、ダボッとしたズボン、いかにもチャラそうというイメージが似合う。

彼も小川と同じで研修に行くのだ。

研修に行くところは、動物の研究をしているという施設らしく、学校に研修の募集がかかったのも初めてとの事だった。


気になったので、小川と黒田は応募してみたところ、見事行けることになったのだ。


「親も同伴ってことらしいけど、まぁ送ってもらうしいいか。」


「元々、2人とも親に送ってもらう予定だったろ?黒田に関しては、忘れ物とかしそうで、そっちの方が心配だよ。」


「まぁ、忘れたらお前から借りればいいかなって。」


「貸せるものにも限度ってもんがあんだよ。」


「まぁまぁ、そうカッカせずに。な?」


コイツの脳天気な正確には困るとこもあるが、一緒にいて嫌な奴と言う訳じゃない。

元はといえば、この研修に応募したのも黒田の提案だった。

黒田とならまだいいかと了承したが、今まで一緒に研修や実習に行ったことないやつと行く時嫌な部分が垣間見えそうで怖い部分の方が大きい。


なるべく、関係が壊れないようにと願うばかりだ。


クラスの中は1件仲が良さそうに見えるが、実は裏では悪口のオンパレードということを小川は知っていた。

自分はなるべく、それに参加しない、標的にならないようにしているつもりだったのだ。

しかし、おそらくどこかでは何かしら言われているに決まっている。


悪口を言わなければ人間は生きてはいけない。

まれに、本当に悪口を言わない善人がいるが、本当にごく僅かだ。

別に友達が多ければいいとかそんなことは思ったことはない。

数が少ないだけ友達というのは価値のあるもの。

かと言って黒田だけが自分の友達というのも少し癪に障りそうになるが、まぁそうなってしまった時は腹を括るか、そんな気持ちだった。


この歳になると人の嫌な部分なんて嫌ってほど見てくる。

もう20歳。大人なんだ。

我慢というものも身につけなければならない。

実際、今の世間では我慢できる人の方が少ないだろうが。

なんだかんだすぐに炎上したり、教室からの叱りを教育委員会に訴えたり、馬鹿馬鹿しい。


「いつまで教室にいんだよ。帰んねぇのか?」


少し嫌な考え事をしてしまっていたな。

今の瞬間だけは黒田に感謝をするべきだなと小川は思った。

家に帰ったら、準備と親に同伴のことを伝えなければならない。


研修に行くのは初めてなので少し緊張している。

だが、まぁ黒田が、知っている人が一緒なら大丈夫だろう。

どんなことをするのか少しワクワクもしていた。


外に出ると、放飼場ほうしじょうで動物たちが出迎えてくれていた。

外の部分は黒い柵で覆われている。

動物たちを外に出すためのスペースだ。

そこには鳥や兎などが出ている。


外からでも一般のお客が見れるようになっているのだ。

毎日毎日同じことを繰り返す生活をしているのかと思うと、気が狂うのではないのかと、入学した頃から思ってはいた。


1年の頃、飼育当番を順番に行っている際も動物たちが退屈しないような飼い方を考えていたものだ。

今となっては当番を新しい1年生に譲り、飼育室に入ることもほぼ無くなってしまっていた。


授業で環境エンリッチメントという、動物たちの本来の生態を引き出したり、退屈しないための設備を考えたりしてはいるものの、実践は中々やらない。

そもそも、自分たちの提案など、大抵は先生に却下されるのが目に見えている。


先生といえど、人間。

えこひいきすることも少なくは無い。

飼育室だって、そう言った先生に気にいられた人物が主導権を握る。

そういった環境が嫌なのもあって、今では堕落しきっていると言えるだろう。


それでも実習や研修に行く気があるのだから、まだマシな方だろう。

今回は黒田に誘われただけだったが…


「お前たちは俺たちみたいに変に細かい悩みがなくていいな。」


ボソッとそう呟いて、最寄り駅へと向かった。


この時、小川も黒田もただ純粋に研修に期待と不安を抱く学生ニンゲンだったのだ。

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― 新着の感想 ―
自身も動物がテーマの話を書いており、物語の導入に惹かれお気に入り登録、ブクマさせていただきました。 先の展開を楽しみにしています!
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