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幕間:真の秩序
サイラスは、激しい二人の戦いを、ただ防壁の上から見守ることしかできなかった。
アトロポス――かつて人類を滅亡寸前まで追いやった災厄。自分が手も足も出なかった存在。完全に無視された屈辱。ギルド長をたった一撃で無残に葬り去った、あの戦慄。
そして――それと対等に……いや、もはや圧倒するほどの戦いを見せるアリウス。認めたくない現実が、息つく暇もなくサイラスの心へ無慈悲に押し寄せる。
(だめだ……そんな……ことは……認められない)
広間から蒼い光が発し、アリウスが災厄へと接近した。だが、とどめを刺そうとはしない。
「やつは、何をしている!? とどめは……」
その時、サイラスの瞳に再び昏い陰が宿った。
「また、それか……。アリウス、貴様は、何度人を虚仮にしたら気が済む。その化け物に慈悲でもかけるつもりか? 不正により得た力に奢り、騎士としての矜持を忘れたか。――ふざけるなッ! おれが……正真正銘の秩序というものを見せてやる」
サイラスは防壁の石材を砕くほどの勢いで踏み切り、眼下の戦場へと躍り出た。
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