8点 「オレが主人公」「「「なにっ!!」」」
「よく言った!!じゃあお願いなんだ―――」
「―――あり得ない」
どこからか低い男の声が横やりを刺す
「何があり得ないんだ?」
「センパイこそ何があり得ないんですか?」
「え?今のお前じゃないの?」
「え?センパイじゃないんですか?」
「なんで本人が驚いてんだよ」
「え?」
「え?」
二人は顔を見合わせる
よく考えてみると近くからの声ではなかった
その声の主は二人のどちらでもないことが分かる。つまり、、、
『お前かぁぁぁァァ!!!アマメぇぇぇェェ!!!!』
『うわっ!!ちょっと私あんな声太くないでしょ!!てか私の声は貴方にしか聞こえないって言ったでしょ!』
まさか自分に振られるとは思わなかったのか変な声が漏れる
『喋ったのはあんたの敵!!』
『え?』
アマメはすぐさま方向を修正する
アマメの言葉を聞いてまさかと思いつつ敵の方を見るとこちらを鬼のような形相でこちらを睨みつけていた
鬼のような、、、そうか、、、『鬼』か、、、
「吸血鬼なのに鬼てww」
『真面目にやれ』
『あ、はい』
命につられ保も吸血鬼の方を向くと
「あり得ない!!」
と怒鳴るような声で吸血鬼が喋る
「「しゃ、しゃ、喋ったぁぁぁァァァァ!!!!!!」」
「あり得ない!!どうやって避けたんだ!!なぜ避けれる!!一体どういうことだ!!」
怒鳴りつけるように声をさらに出す
「あ、それは自分も気になってました!!なにしたんすか!?」
二人が聞いてくる
「あーそれは―――」
命が正直に話そうとしていると背筋が凍るような、今にも押しつぶされそうなそんな圧を感じる
『契約のこと話したらコロス』
『oh、、、』
どうやら我らがアマメさんがお怒りのようだ
はて、どうごまかしたものか、、
命は少し考えて口を開く
「、、、、主人公補正です」
「は?」「え?」
二人が変な声で返事をする。
「まぁ?やっぱオレって主人公だから土壇場でこう?その、、、覚醒!!しちゃった、、、的な?」
自分でも苦しいと思う言い訳をする
分かってるんだ!苦しいのは!でもこれくらいしか今のオレにはこれくらいしか思いつかなかったんだ!!
もちろん返答は
「ふざけるのも大概にしろ!!さっさと正直に話、、、」
と吸血鬼が怒鳴りつけている
が、少し遅れて声に被せるように
「流石です!!センパイ!!」
「え?」「は?」
アマメが納得したような声を出す
もう一方は普通に納得していた
マジかこいつ
「確かにセンパイなら納得です!!さすがセンパイ!!」
保が子供のように目を輝かせる
オレの後輩・・・・チョロすぎ。。。
『え?オレの後輩いい子すぎない?』
『あんたにはもったいないくらいには』
守りたいこの笑顔
「えぇい!!二人そろってふざけおって!!もういい、無理矢理情報を吐いてもらう!!」
今にも人を殺しそうな目をした吸血鬼が言う
また怒ってるし血糖値高そう。てかそもそもコイツと殺しあっててたわw
「まあとにかく!今度こそ勝つぞ。また力を貸してくれるか?」
「もちろんです!!センパイ!!」
保は先程までの焦りは全くなく、むしろ希望に満ち溢れた顔をしていた
こりゃ忠犬保だな
「よし!それならよし!!保にしかできないことだったからよかったよかった」
お願いの内容は触れずになんとか説得に成功する
「自分にしかできないこと、、、ですか?」
保はポカーンとした顔というか心当たりが全くないと考えていることが顔に書いてるレベルで分かりやすい反応をする
「そう。だから頼めるか?」
「ふっ、何言ってんですかセンパイ。ついていくって決めたんですからなんだってしますよ!!」
親指を立て、決め顔でバッチリと返事をする
『やだこの子、、、いい子過ぎ!!』
『ほぼ再放送じゃない?この会話』
コイツ体ないくせにキツイ視線を・・・まさか霊体攻撃か!?
「よし!じゃあ行くぞ」
「はい!!」
二人は一斉に吸血鬼の方へと走りだす
俺たちの戦いはこれからだ!!!(終わりません)




