5重 イケメンーイケメン?+イケメン=勝利
えー突然ですか私は現在吸血鬼と戦闘をしています
今はダンジョンを管理してるところに雇われてる人たちと共闘中です!
まっ、そりゃ対策はするよね
「でもさぁ、、、一階だからほとんど初心者しかいねぇ!!他に戦えるやつがいねぇ!!」
そりゃ初心者に戦うって言われても『よし!じゃあ死ね!!』としかならないけども!!
「てかまだオレは準備できてないからいま出会っても困るんだよなっ!?」
あぶね!!今かすったよね!?結構がっつりとかすったよね?!
やばい!勝てない!めっちゃ押されてる!あれがないと勝てない!どうにかしてあれを手に入れねぇ、と、、、?
焦りを隠しながら何かにすがる思いで周りを見渡し、その何かになり得る物を探していると少し離れたところにみんなを守っているある人物を見つける
「あ、いたわ」
どうやら勝利の女神はオレを見放していなかったらしい。なんて言ったって勝つための最後のピースが見つかったのだから―――
―――よし!後は時間さえ稼げればいい。それが大変なんだけども。だけどオレの予想が正しければあれさえあれば勝てるはず、、、分かってきたぞアイツについて。勝ったな、今度こそアイツを殺す。死んでくれ吸血郎。
―――10分後―――
「ヤバーーーーーーい!!!」
オレ以外みんな死んだんだが?一回死んだ程度で精神的に疲れて戻ってこれないって貧弱!貧弱!てかさ、なんで今日に限って有名探索者ども誰もいないんだよ!!どーせ昨日呼び出されて疲れて寝てるんだろうな!!お疲れさま!!!起きろ!!!!
どこにも向けることのできない怒りをせめてもと心の中で発散する
「もう能力も使っちゃたし・・・チッ、しょうがないちょっと早いが使うか」
ポケットから煙幕を取り出し投げる。一個、二個、三個とどんどん煙幕取り出し地面へ向けて投げつける。数のせいもあってか煙が辺りに満たしていく。気づけば一般的な探索者ではきっと何も出来なくなるほどの濃い煙と鼻の奥が痛くなるような薬品臭い匂いが充満する。
こんな状況の中に一人動き続ける者がいた。その男はこの煙に溶け込むように消えて行く
そして煙の中から後ろからなのか、前からなのか、横からなのか、まったくわからない声が近くにいる人達全員の耳に入る。それはもちろん吸血鬼も例外では無かった。そしてその声は吸血鬼にとって聞きたくなかったことを話すのだった
「予想だがお前よぉ?反応するの血じゃないだろ?お前多分だけど匂いに反応してるな?」
おかしいと思ったんだ。あの時なぜ出血していて場所が分かっているはずなのに攻撃しなかったのか。そして一つの答えにたどり着いた。その答えは単純。煙幕の匂いで血の匂いがわからなかったんだ
声の主は自分の結論が正しいのかを知るために吸血鬼の反応で答え合わせをしようと相手の様子を場所を悟られぬよう動きながら確認する
―――吸血鬼の野郎ずっと真顔で何考えてるかわかんねぇーー
吸血鬼の反応は期待外れであった。いつもと全く同じ顔。焦っているのを隠そうとしているのか。それとも相手にそれを考えさせるための反応なのか。考えれば考えるほど分からなくなる
しかし、命に焦りは無かった
まっ、悪いけど時間稼ぎがしたいだけなんだけどね。反応あったらもっと楽だったかもしれないけど反応ないから遠くから攻撃だけさせてもらうね~
思うような結果とは少しズレたが目的に影響は少ないからなのか焦りは少なかった。そうして命は静かに次の準備を始める
命は腰から銃のようなものを取り出す
「がんばるか~」
3分後
「まだまだいけるぜ?スピード上げてくぞ!!」
5分後
「そ、そろそろ降参したっていいんだぜ?」
さらに十分後
「さすがにキツーーーい!」
さすが吸血鬼二回目なのと時間が結構経っているのもあって慣れてきた+煙幕が切れてきたせいで押され始めてきた!!きっっっっっっつぅーーーーー!!!あれはまだかー!!
ただチビチビ銃でちょっかいをかけているだけだったのがもはや避けるので精一杯。いつの間にか攻守逆転していたのだった
時間が過ぎるほど不利になっていく。なのにひたすら耐えることしか出来ない。そんな焦りからだろう。一瞬の隙ができてしまった。それをやつが見逃すはずもなく。一瞬で近づいくる。
「しまっ!!」
『******』
だれかに何かを言われた気がする。走馬灯にしては遅すぎる。何回も死んだってのに
足が近づいくる。これは二回目コースかなぁ~
「せ**い!」
さっきとは違う声がする
「また負けか、、、」
覚悟を決めるようにそっと目をつむる。
「センパイ!」
待ち望んだ声がした。目を勢い良く開ける。
目の前に待ち望んだ男が立っていた。『イケメンか?』吸血鬼が蹴りを途中でやめ、大きく後ろに飛ぶようにして距離を取る。恐らく彼の能力に気がついて意味のないことがわかって辞めたのだろう。あるいは、、、まぁとにかく
「例の物は持ってきたか?!」
「持ってきましたよ!これですよね?」
彼は背中に背負っていてそれを命に渡す。
「そう、これだよこれ!骸骨の持っていた大剣!!」
少し時を遡る
「保険くぅーん♡」
伝わるんだ。あ、笑顔になった。イカレてんのか?状況みろ。でもコイツにお願いするしかない!
心の声をウッと抑え話を続けようとしてると今度は向こうから命に話かける
「一応言っておくと名前は天手 保です!どうしたんですか?」
そうだったのか、、、
そういえば自己紹介する間もなくお別れしたことを思い出す
一応もともと知っていたように振る舞いながら話を続ける
「保よ、時間ないから簡潔に言うぞ。骸骨の剣を奪ってきてくれ。行けるか?みんなをセーフティーゾーンとかに送った後でいいからさ」
彼は少し驚いた表情をしたがその表情はすぐさま真剣に考える顔に代わる
「、、、、出来るかわからないですけどそれが必要なんですね。分かりました、頑張ってみます」
「お願いね!」
今回のカギはこの世界の仕様にあった
この世界ではモンスターが死ぬと魔力石以外は消えるが倒さないままだとどうなるのだろう?答えは簡単消えないだ
「お前の殺す方法がわかったぞ。お前はほかのモンスター同様体のどこかに核となる部分がある。そしてそれがつぶれたときお前は死ぬってとこだろうよ」
命は吸血鬼の顔が一瞬強張ったのを見逃さなかった。その反応に手ごたえを感じ、さらに畳みかける
「なんならその場所も見当がついてるぜ?お前の右足だろ?おかしいと思ったんだよいくら体を強化してとはいえ地面へこませる威力にたえられるわけないんだよ。それで気が付いたんだよ。最初の攻撃は右足だったがオレを蹴ったのは左足だった。モンスターの中には自分の核をガチガチに固める奴がいる、そしてそれを利用して攻撃してくる奴もいる、、、お前も一緒だろ?」
「っ!!だからさっき攻撃しなかったんですね!万が一を恐れて!!」
保が納得したような、驚いたような声を出す。しかし一番大事なのはコイツの反応ではない。命は奴の方へと首を動かす
反応は――
―――今度は分かる。間違いない。一瞬ではあったが明らかに顔に焦りが出ていた
「どうやら当たりらしいな?顔に出すぎだぜ、もっとポーカーフェイス練習しねーとトランプで勝てないぜ?」
「ん?でもなぜ骸骨の剣が必要だったんですか?」
納得した顔だった保の顔が???と頭の上に浮いていると錯覚するほど分かっていないのが分かりやすい顔へ変化する
「それはな、核の場所は分かったものの破壊するには奴の右足と同等の威力を出すのと、それに耐えきれる武器が必要だったんだよ。威力の方はオレ自身だから何とかなるとして問題は武器なんだよ。なかなか耐えきれるのがなくてそこで思いついたのがこれって訳。この武器は地面にひびが入るような攻撃でも刃こぼれ一つしていなかった。だからコイツならいけると思ってな」
『天才だろ?』といいたげな顔で命が答える
「なるほど、、、、でもこの前パワーで負けたって聞きましたけど、どうにかなるんですか?」
保が不安そうな顔でこちらを見つめる
「まあ安心しなって。この戦いに全てかけるつもりで来たからな。持ってきたとも秘策をな!」
そう命は言ってバッグから何かを勢い良く取り出す
それを見た保は衝撃と困惑で言葉に詰まる
命が手で握っていたものは―――――
「それは、、、魔力石ですか?」
何に驚いたのか。それはサイズが野球ボール並みの大きさだったからである。本来魔力石は個体差はあれどほとんど小石サイズほどの大きさしか無かった。しかし一つだけ例外があったそれは
「それほど大きさは階層のボス級の、、、いやまさか!もしかしてあなたは!!」
このダンジョンの5階層のボスを倒した人物は実は発表されていない。おそらく本人の希望だと言われている
「センパイ!あなたが5階層のボスを倒したんですね?!」
ずっとなにか引っかかっていた。今やっと全てが繋がった
保の曇天のように濁っていた頭の中快晴のようにスッキリとしていく
「ここで負けたら次へのチャンスを失うことになる。だから、、、悪いけどここで死ねェ!」
命は魔力石を強く握りしめ能力を発動する
「―――今回は正真正銘の本気と書いてマジでいくぜ」
○泉構文かな?




