10戦 点滴穿石
サンタさんへ
語彙力、、、ていうか文章力をください、、、
両者が構えて緊張した空気が漂う
静かなにらみ合いが続いていた
――!
やはり最初に動いたのは命だった
「ほらよ!!」
「なに?!」
どんな攻撃が来るのか、どこから来るのかそんなことを予想していた吸血鬼は目を疑った。命はここでまさかの行動をする
煙幕を投げるという行動を
「ほらほら!ほら!!ほら!!!どんどん投げるぜ?」
どんどん煙が濃くなる。視界が遮られ、何かが地面とぶつかる音のみが周りの状況を知る手段となる。
「何がしたいんだ貴様は!!」
吸血鬼が大きく飛びそのまま落下する威力を地面にぶつける。その音が煙幕の音を遮り、その風圧が煙を消し飛ばした。
「そりゃそうか」
命は驚くわけでもなく、焦るわけでなく、納得した顔でただ言う
が、そんなことをする暇もなく
「さっきは無くなったわけではなかったのだなっ!!」
さっきとは打って変わってみはらしの良くなった戦場で吸血鬼が命にとびかかかる
「いざという時にに使おうと思ってな!!」
刀と刀?がぶつかり、押し合いになる。が、長くは続かず
「ついでに言うとあと一個あるけどね」
空から一つ落ちてくる
「なにを!」
吸血鬼が距離を取ろうと後ろへ飛ぼうとする
そして時が止まる――
『一つ目は今使ってるこの止める能力よ』
『え?最強じゃん。勝ったでしょ?』
ギャグマンガであれば横になっているであろう反応だ
『まぁそりゃ私の能力だからね?でもあなたが使った場合おそらく一回の戦いで約10秒ってところかしら』
『それでも最強じゃん!止めてる間ぶっ飛ばせば、、、』
『できないわ。発動中のダメージはゼロになるから。正確に言えばちょっと違うのだけど、、、』
『どういうこと?』
『まぁ詳しいことをあなたが知る必要はないわ』
『えぇ、、、』
なんだこいつ――
『よしうまく発動した、あとは、、、』
目の前の光景に理解が追いつかない
目の前には右足と刀がない体が崩れかかった吸血鬼がいた
寒気を感じた。そしてこの感覚だけでこれから何が起こるのかを理解する
『保の意識出来るスピードじゃない!!』
一か八かにかけて右に体をそらす
「ぐっ!?」
後ろからの斬撃が左手を刈り取る。血がぽたぽたと落ちるのと同じように保を手から離しそのまま自分の体が床に落ちる
「センパイ!!」
保が心配した声を出す。状況に気が付いたのだろう
「大丈夫だ。でもこりゃあ一本取られたな、、、」
保を落ち着かせるため冷静に答えるが体はそうもいかず、膝をつき息が荒くなる。
「まさか気が付くとはな、、、お前なかなかいいものを持っているな?」
ザ・悪役のような笑顔をした吸血鬼がそこに立っていた。
急に褒めだすとかツンデレかよ
「ありがとよ、、、てかキャラはどうした?」
バックから布を取り出し保に肩に巻いてもらい肩から流れる血を止血する
「すこし昔の気分になったものでな」
「そりゃハッピーバースデイだな、、、しかしまさか自分の核部分から再生するからとはいえあの一瞬で足を切って後ろに投げて回り込む判断をすると思わなかったよ、、、ちゃんと感じてたはずなんだけどな、、、」
「油断でもしてたのではないか?それよりも、もう腕一本では威力が足りないのではないか?」
嫌な笑顔をする。正直見たくないね
「へへ、、、やってみなきゃわかんねーだろ」
息を切らしながら絞り出した声で答える
「もう負けているのだ、どうだ?さっさと情報を吐いて、、、」
「負けてねーよ。」
「なに?」
「どんなにピンチでも、どんなに実力差があったとしても、敵の前に立った時点で勝つ確率はゼロじゃなくなる。だから負けてねーんだよバーカ!!」
笑っていたがその眼には確かな信念があった
「せん、、、ぱい、、、。」
保が何かに気が付いたような声を出す
一瞬吸血鬼の表情が変わった気がしたがすぐにいつもの顔に戻る
「そうか。ならば私がゼロであることを証明しよう」
剣を振り下ろす
「やめろぉぉぉぉぉ!!」
保が前に出て命を守る
「ほう、確かに負けはしないかもしれんな?しかし守りだけでは勝てんよ!!」
刀で壁ごと押す
「ぐっ!?」
保の力では耐えきれるわけもなく真っ直ぐ後ろへ吹き飛ぶ
誰がどう見てもただの悪あがきにしか見えなかった
「もう悪あがきはやめたまえ、、、まてやつはどこだ?!」
飛んでいった先に命がいない
そしてそれは、それこそが逆転の一手であった
「―――わるいな。これで勝ちだ。」
静かな一言、そしてその声には見合わない大きさの音と共に何かが発射される
上からとてつもない威力の何かが降ってくる。それだけが分かる
その何かは一瞬で吸血鬼の頭上に到達する
「なっ!?」
辺り一帯を押し潰すそれは吸血鬼の声も肉体も例外ではない。
勝負というのは終わるのはいつもの一瞬である――
「やったか!?」
「センパイフラグたてないでください、、、でもまさかあの銃からあんな威力が出るとは思いませんでしたよ」
やっと安心したのか安堵の表情を浮かべる
「あーあの銃は自分の魔力を圧縮して打ち出すんだけど自分の魔力であればいいから実は煙幕から魔力を集め続けてたんだよ」
「え?!あの一個作るのにめっちゃ魔力を食うあれを?」
驚いた顔のままさっきまで辺りを包んでいた煙を想像する
そうあの煙幕は常人ならば魔力を込めるのが一日数個じゃないと倒れてしまうくらいの魔力が詰まっているのだ。
「まぁ結果的にそれに助けられたわけなんだけども、、、」
「センパイほんとにイカれてますね、、、」
今度はドンびいた顔で言う
流石に傷つくよ・・・・てか
「お前にだけは言われたくないわ、、、」
あきれたようにため息をつく
「そんなことより先輩、、、ついにやりましたね」
褒美を待つ犬のようなイメージを受ける
『まぁしょうがないか、、、』
「ああそうだな、、、吸血鬼の討伐完了だ!!」
「やったーーー!!!」
保が命に抱きつき一瞬離そうとするが受け入れ
二人で抱き合いながら喜びを分かち合う、、、
「あ、待ってセンパイ落ち着いたら急に、、、」
「え?」
あ、待ってこれまずい
「おえぇぇぇぇぇぇ」
「あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁぁ」
とりあえず第一部は完結です。
読んでいただいている皆さま誠にありがとうございます。ちょっと分け合って駆け足なところもありましたが何とか書ききることができました。このまま投稿を続けていきますのどうぞよろしくお願いします。第二部の前に何か間章として書くかもしれません。
なぜ吸血鬼が時間稼ぎ戦の時は煙幕を吹き飛さなかったのかについて
ただの慢心です。




