辛い、切ない。でも、最後は幸せになる、孤独な少女の物語
プロローグ 孤独な少女1
「お姉ちゃんは家族じゃないよ?私にとっていらない人。だから、さっさと、いなくなって?」その人は、にっこり、綺麗な、笑顔で、、、、言った。
私は生前、絵に描いたような普通な女だった。何か言うとしたら悲しんでいる人を放っておけないというくらい。小さい頃から困っている人には優しくしなさいと言われていたから、困っている人が目につくとやっぱり放っておけなかった。でもある時いじめられている人を庇ったら、今度は私に絡んできた。私はいじめられている子の方が気になっていたから、私がいじめられてもどうでもよかったが、その子は気に病んでしまった。だが、その後いじめのリーダー格の子は転校して、その子の笑顔は戻り、自分なりに考えたらしく、イメチェンして可愛くなって、友達もたくさん増えた。その子は何度もお礼を言ってくれたが、可愛い笑顔が私のせいで曇ってしまったことを、私はすごく後悔した。それからは、表だって庇わず、いじめられている子と面識をもたず、ひっそりと守るようにした。いや、守るなんておこがましいかもしれない。でも、いじめている人も何か理由があるんじゃないかと思ってみて調べてみると、ほとんどの人は理由があった。それなのに一方的に責められることはない。いじめられている人といじめている人。どちらも笑って過ごせるようにやってきたつもりだった。
でも、それは間違いだった。
私はせいで誰かが傷つくのなら、私なんかいらなかった。
きっと私の存在意義なんてお母さんとお父さんが死んだ日から、なかったんだ。