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【完結】女神様といっしょ!【1000話達成】  作者: ノノノ
第六章 ダンジョン編(後編)
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第96話 一対一(外野あり)

 僕は女神ミリクさんに剣を構えて向かい合う。

 その強さは圧倒的だ。おそらく本気で戦えば火龍すら手も足も出ないほどだろう。


「いつの間にかレベッカと連携を取っていたのは見事だったの。

 <全強化>(貴方に全てを)込みでのお主の強さは、<アークデーモン>を超えているかもしれん」

 思ったより高く評価してくれていたようだ。


「いや、そこまでは……」

「謙遜せずともよい、剣の特性を生かした攻撃はよかった。あれは面白い」

 褒められて悪い気はしないけど、悔しいな……。


「さて、攻撃能力は中々高かったが、守りの方はどうかの?」

 そういってミリクさんは魔法を発動する。

 すると僕の周囲に氷の氷柱が十五本浮かびあがった。


<氷の槍>(アイスランス)……まぁ初めはこのくらいの数からいってみようか」


 ミリクさんが指をパチンと鳴らすと一斉に僕目掛けて襲い掛かった。


 僕は前に駆け出しながら左手で<魔法の剣>(マジックソード)を引き抜く。

<剣技・炎魔法Ⅱ>(二連火炎斬)!」

 飛んできた前方の氷柱を魔法を付与させた二度の斬撃で薙ぎ払う。

 そして次に<連続爆風魔法>(ダブルブラスト)で周囲から迫ってきた氷柱を風で吹き飛ばした。


「おぉ、中級魔法の連続使用で凌いだか」

 この速度で魔法を使うと<魔法の剣>以外で対応できない。

 かなりの魔法力を消費しているが、全力で行かないと一瞬でやられてしまう。


「レイ、良いですよー!その調子です!」

「レイくん!その悪神を成敗しちゃって!!」

「レイ様、頑張って!<全強化>(貴方に全てを)


 声援と共にレベッカの強化魔法が再び付与されて、僕は銀のオーラを纏った。

 悪神は言い過ぎだって、姉さん……。


「ふむ、では次はこれならどうじゃ?」

 ミリクさんが手を前に突き出すと、今度は僕を囲むように直径一メートル程の火球が現れた。

 その数は三十を超える。

「これはさすがに無理だろ、って言いたいけど!!」

 僕は正面から来た<炎球>(ファイアボール)に突っ込み、

 <中級爆風魔法>(ブラスト)を地面に発動してレベッカの強化も相まって大きく跳躍する。


<中級雷撃魔法>(剣に纏え、雷撃を)

 僕は空中で<龍殺しの剣>(ドラゴンスレイヤー)を引き抜き、雷撃魔法を発動し剣に付与する。

 そしてそのままミリクさん目掛けて下降し斬りかかった。


<剣技・魔法剣Ⅱ>(龍撃雷光斬)!!!」

「おおっ!?やるのう!」

 ミリクさんは驚いた様子だったが、

 それでも余裕のある表情で僕を迎え撃つために右手を構える。


「<空間転移>」

 と思ったら、ミリクさんの姿は掻き消えてしまう。

「って、また消えた!?」

 折角の一撃がまた完全に空振りしてしまった。

 そして背後から迫ってきたいくつかの<火球>(ファイアボール)を龍殺しの剣に魔力を込めて、射程を底上げしてまとめて迎撃する。

「はぁっ!」

 龍殺しの一閃で迫ってきた三つの<火球>を真っ二つに切り裂いてその場から後方に跳んだ。

 その瞬間、切り裂いた火球は爆発して消滅した。


「ふぅ……あ~危なかった……」

「今のも防ぐとは、なかなか見所があるのう。

 さっきの氷の柱を吹き飛ばしてくれたことも評価して少しだけ難易度を上げてみるかの」

 いつの間にか後ろに転移していたミリクさんがまた指を鳴らした。


 すると、僕の周囲を囲うように地面が盛り上がり、巨大な土の壁が形成されていく。

 高さは僕の身長の二倍はあるだろうか? 壁はあっという間に形成されていき、僕の逃げ道を完全に塞いでしまった。この狭さだと助走を付けて飛ぶのも難しそうだ。


「これでよし、と。さて、次はどうかな?」


 ミリクさんは更に魔法を詠唱する。

<上級電撃魔法>(ギガスパーク)そして<停止>(ストップ)

 詠唱は一瞬、しかし同時に二つの魔法を言葉にした。


 対象は勿論僕だ。ミリクさんは僕を周囲の土の壁で逃げ場を無くし、真上から強力な落雷の魔法で回避不能の状況に僕を追い込んだのだ。しかしミリクさんの追加詠唱で即座に雷撃が撃たれるわけではないらしい。上空の雷はまだ落ちる気配はない。


「これって完全に詰んでませんか!?」

「分からんぞ、創意工夫で突破できるかもしれん」

 いや、そんな無茶な……。


「さぁ、上空の雷が落ちるまであと五秒、それまでに対応を考えるのじゃー」

 ミリクさんの言う通り、上を見上げると今まさに空から轟音が鳴り響き始めようとしていた。


「残り四秒~」

 ミリクさんが僕を焦らせるようにカウントを始めた。

「いやいやいや、この状況無理だって!!」

 魔法力もあまり残っていない。魔法で押し切るのも難しそうだ。


「残り三秒じゃ~」

 僕の言葉を無視し、ミリクさんがカウントダウンを続ける。


 そこで後ろから声が飛んでくる。


「レイくん!<魔法の大砲>(マジックキャノン)を使っちゃえー!!」

「いや、それ姉さんの魔法じゃん!」

 というかあんなの姉さん以外使えないよ!


「二秒~」

「あの魔法は<魔力の矢>(マジックアロー)に使う魔力をこうバーンって固めて撃つ魔法なの!」

 説明もアバウト過ぎる!


「レイ様、イチかバチかです!<魔法共有>(シェアリング)!」

 レベッカの魔法により僕と姉さんの魔法力(MP)が共有された。

 姉さんの魔力を使ってでも強引に撃てと、そういう意味ですか?


「お、おいレベッカ、其方何でその魔法が使えるのだ!?」

 <魔法共有>(シェアリング)は元々ミリクさんが僕とレベッカに使用した魔法だ。

 本来人間に使い手はもうおらず<失伝魔法>だったのだが、

 見ただけでレベッカが勝手に覚えてしまった。


 そしてミリクさんは動揺してカウントダウンを忘れてしまっていた。


「レイ!あの駄女神が動揺している間に!」

 エミリアの言葉で自分が大ピンチだという事を思い出して向きなおる。


「誰が駄女神じゃこの貧乳魔法娘!!!」

「誰が貧乳じゃコラァァァ!!自分で言うのも何だけど私は結構大きいわ!!」

 ミリクさんとエミリアが場外で揉めている……。

 まぁいいや、今は時間が無いし。


 僕は姉さんが以前使ったやり方を思い出して、

 両手を前に突き出し、両手を重ねて撃つ方向に手のひらを向ける。

 攻撃対象は雷撃でもミリクさんでもない。前方に立ちはだかる土の壁だ。


<魔力の大砲>(マジックキャノン)!」


 右手の前に魔力が集まり、一気に凝縮されて形を成す。

 それは名前の通り、魔力で構成された大砲の弾だった。

 そのまま魔力の大砲の弾は目の前の土の壁を容易に貫通し――


「へっ!?」

 エミリアと言い争ってカウントすら忘れてたミリクさんに直撃した。

「ぎゃあああああ!!」

 悲鳴と共にミリクさんは闘技場の客席まで吹っ飛んでいった。

 同時にミリクさんの放っていた上空の魔法も消え、周囲の土の壁も崩れて無くなった。


「……勝った?」

「やりましたね、レイ!」

「流石レイくんだね!」

「お見事でございます!」


 半分くらいミリクさんの自滅な気がするけどいいんだろうか。

 皆が祝ってくれるのなら勝ちなのだろう。

 うん、そう思うことにしよう。

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