おつかれさまノうた
のど かわいたな
目を開けて ふと思う
つられるように
浮上してくる意識
ちらり横目で確認するチクタク音
いま いったい なんじ?
肺いっぱい空気を吸い込んで
吐き出した あくびをひとつ
枕元に手だけ伸ばし
置いたはずの ペットボトルを探る
こくり一口嚥下して
雑に戻してベッドに沈む
瞼刺激する光に背を向けて
また霧散していく意識
気持ちのいい夜だったのに
目を開けたら 必ず朝が来る
少しでも長く夜でいたいから
たくさん飲まないように気を付けた
それなのに結局 渇いて朝がきた
なんか上手くいかないの
きっと明日は飲み過ぎて
別の意味で目が覚めるんでしょ
知ってる知ってる 分かってる
あぁ めんどくさいの唄
もう うるさいな
目を開けて 睨み付けた
しらんよ そんなこと
無情に響く機械音
嫌い 横槍入れる無粋なアラーム
いま いったい なんじ?
力いっぱい伸びをして
動き出した思考いまひとつ
時計に手だけ伸ばし
鳴り響く不快音止める
ぎしりベッドが抗議して
覚束ない寝返りを咎めた
迫るリミットにも 全力 目を背けて
また掛け布団握りしめた
気持ちのいい朝が来ただなんて
誰が言い始めたんだ
少しでも長くお布団にいたいから
爆散させたい 太陽と目覚まし時計
そんなこと結局 怠け者の被害妄想
出来るわけはないの
きっと寸刻後には顔面蒼白で
急速に目覚めるでしょ
知ってる知ってる 分かってる
いきたくないの唄
睡眠は 足りてない
今日も満員御礼の箱に揺られて
みんな一様 舟を漕ぐ
休息は 足りてない
虚ろな目で覗きこむ
およそ5.5インチの自分だけの世界
座る席は 足りてない
移動中でも着いた先でも
一日中 四六時中 椅子とりゲーム
必ず用意されない 人数分の椅子
ねえ いったい なんで?
居心地のいい夢の中だけど
目を開けたら必ず 儚く消える
少しでも長く逃げていたいから
今日も早々とお布団かぶるんだ
そうやっても結局 毎日朝は来て
上手くいかないの もう知ってる
だけど今日も早く切り上げて…
企み遮るコール音 定時の5分前
知ってた知ってた 分かってた
やだ やりたくないよ ばか
でも にげられないの また
知ってる知ってる 分かってる
あぁ めんどくさいの唄
~の巻き、と、~の唄、と付けると、大抵のことは許されがち