表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

長月の集

おつかれさまノうた

作者: みふぎゅ

のど かわいたな




目を開けて ふと思う


つられるように

浮上してくる意識


ちらり横目で確認するチクタク音


いま いったい なんじ?




肺いっぱい空気を吸い込んで

吐き出した あくびをひとつ


枕元に手だけ伸ばし

置いたはずの ペットボトルを探る


こくり一口嚥下して

雑に戻してベッドに沈む


瞼刺激する光に背を向けて

また霧散していく意識




気持ちのいい夜だったのに

目を開けたら 必ず朝が来る


少しでも長く夜でいたいから

たくさん飲まないように気を付けた


それなのに結局 渇いて朝がきた

なんか上手くいかないの


きっと明日は飲み過ぎて

別の意味で目が覚めるんでしょ


知ってる知ってる 分かってる


あぁ めんどくさいの唄






もう うるさいな




目を開けて 睨み付けた


しらんよ そんなこと

無情に響く機械音


嫌い 横槍入れる無粋なアラーム


いま いったい なんじ?




力いっぱい伸びをして

動き出した思考いまひとつ


時計に手だけ伸ばし

鳴り響く不快音止める


ぎしりベッドが抗議して

覚束ない寝返りを咎めた


迫るリミットにも 全力 目を背けて

また掛け布団握りしめた




気持ちのいい朝が来ただなんて

誰が言い始めたんだ


少しでも長くお布団にいたいから

爆散させたい 太陽と目覚まし時計


そんなこと結局 怠け者の被害妄想

出来るわけはないの


きっと寸刻後には顔面蒼白で

急速に目覚めるでしょ


知ってる知ってる 分かってる


いきたくないの唄






睡眠は 足りてない


今日も満員御礼の箱に揺られて

みんな一様 舟を漕ぐ



休息は 足りてない


虚ろな目で覗きこむ

およそ5.5インチの自分だけの世界



座る席は 足りてない


移動中でも着いた先でも

一日中 四六時中 椅子とりゲーム



必ず用意されない 人数分の椅子



ねえ いったい なんで?






居心地のいい夢の中だけど

目を開けたら必ず 儚く消える


少しでも長く逃げていたいから

今日も早々とお布団かぶるんだ


そうやっても結局 毎日朝は来て

上手くいかないの もう知ってる


だけど今日も早く切り上げて…

企み遮るコール音 定時の5分前


知ってた知ってた 分かってた



やだ やりたくないよ ばか

でも にげられないの また



知ってる知ってる 分かってる


あぁ めんどくさいの唄

~の巻き、と、~の唄、と付けると、大抵のことは許されがち

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ