誕生
氷の精霊は少し微笑んだように見えた
---お前の名前は、アルフレッド・サンクフリード--
--リアム・サンクフリードの新しい息子-
--誕生を祝福し、私の加護を授ける--
その声が消えると同時にアリエルの体が凍り、そして雪解けのように春風がゆっくりとそれを溶かしていく
---ドクン--何?---
---ドクン、ドクン--
---身体が、芯から冷たくなっている----
-でも、同時に魂が、熱く熱くなる--
---そうか、私は死んで、アルフレッドに--
--生まれ変わって--いく--
結晶が溶け落ちた時、私の姿は変わっていた
高い身長、低めのアルト声、分かる--
これが、これからの「私」
最初に言う言葉が自分の内から溢れだした。
「私はアルフレッド・サンクフリード。
アルフレッド・リアムの忘れ形見--そして、二度とザッケローニを惨劇をこの世に出さない壁であり、人を守る刃となる者」
もう、誰も失わせない、暴れるなら閉じ込めてしまえばいい
そうだったんですよね、お父様。
だから、ザッケローニを傍に置いてひたすら監視した
被害を最小限に抑えるために、自分が矢面になり、強固な氷の要塞の内に逆に閉じ込めて
でも、それではお父様も動けないではないですか、殺してしまえば簡単なのに、どこまで行っても「兄」なんですね
なんて、愛情深いひとだろう
私にとっても貴方は唯一無二の「父」--
--無駄死にはさせません、見ていて下さい--お父様。
辺りを見渡して、お爺様を目で探す
お爺様は泣いていた、私はどう見えているのだろう