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私のお嬢様は【侍女、アリア視点】

住み込みメイドアリア


これが私の名前だ、12歳の頃、けして裕福とはいえない男爵家から遠い本家のサンクフリード辺境伯爵家へ行くことになった、サンクフリードのお嬢様達の侍女としてエリーのお嬢様が5歳の時からお世話をさせて頂いている


下のユリアお嬢様は一つ年上のエリーお嬢様ととても仲がよろしく、花が咲き乱れるようによくお笑いになる愛らしい感情表現豊な少女


反対に長女のエリーお嬢様は冷静沈着、物事を冷静にみる方で


お二人とも美しいのですが……


エリーお嬢様は通常あまり表情が変わらないため。


破顔した際の破壊力が艶然とお美しく、免疫の無い者はその場に屑折れてしまうので、一部始終を視ていたユリア様から、エリーお嬢様ご本人は良く分からないまま叱られてしまい


シュンとなっているエリーお嬢様の可哀想な姿を拝見しては、執事のトロワ様がお茶をお持ちしては慰める役をしておりました。


地下からメイドを呼ぶベルの音を聞きエリーお嬢様はきっと、ご自分の悲痛な顔を他の人には見られたくないはずだから、とお迎えに行く役を仲間のメイドに代わってもらって静かに地下へ向かうと、目を覆いたくなる現状がそこにありました。


旦那様と同じブループラチナの豊かな髪が肩上まで切られたエリーお嬢様が、サミュエル様のベッド横に立ち、無表情のまま迎えをお待ちになっていました。


「エ、エリーお嬢様…なんてことでしょう、…お髪が…」


もしかして、気が触れてしまったのでしょうか、無理もない事だと、そっと車椅子へ促しゆっくりと出口へ向かい押し始めました。


その途中、旦那様、愛らしいユリアお嬢様、天使のようなサミュエル様のお姿が脳裏に浮かび、涙を浮かべながら前へ進みました。


エリーお嬢様はもっとお辛いのだから、私が泣いてどうするの。


嗚咽を飲み込んで進みます。


すると、下からエリーお嬢様が優しく私に話しかけました。


「家族の為に泣いてくれて、ありがとうアリア。

驚かせてしまったわね、これには訳があるの、お爺様の所までお願いね」


私は、小さくはい、と応えるのが精一杯でした。

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